試合会場生観戦記
1月4日 全日本キックボクシング (後楽園ホール)
○大月晴明 1RKO 藤牧孝仁●
静刃:実力伯仲の熱戦が続くも、KOが無く物足りなかったこの日ですが、最後に大月が決めてくれました。
室長:また1RKOか、本当に大したものだ。
静刃:しかも、おそらく誰も予想だにしなかったバックハンドブローでの一発KOです。
室長:なんだ?そんな奇襲策を大月がやったのか。
静刃:奇襲って・・・そういう見方もありますけど、この試合では本当に見事なタイミングで藤牧の顎に炸裂しましたね。私を含めて観客は一瞬呆気に取られて、それから大盛り上がりですよ。
室長:期待していたのと若干違うとはいえ、KOには違いないからな。
静刃:藤牧は今回も実力を出し切れないうちに倒された形ですね。判定狙いのスタイルじゃ大月に勝つのは難しいですよ。
室長:出し切るのも実力のうちだ。
静刃:厳しいですね。それはともかく、今年も大月には一杯試合をして欲しいですね。花戸忍改め白鳥忍との完全決着戦、サムゴーは勿論の対ムエタイ戦、そしてWKA王座への挑戦、と。
室長:WKA王座?・・・あぁ、なるほどね。洒落た言い回しのつもりなのかい。
静刃:一番の願望は、無闇に口にするものじゃないですよ。

○サムゴー・ギャットモンテープ 判定 加藤督朗●
室長:サムゴーは今回、判定勝利か。
静刃:彼の最大の武器は左ミドルではなくヒジだというのがかねてからの私の自説なんですが。
室長:何を言ってるんだか。
静刃:この試合ではそれが封じられた格好になりました。元来ウェルター級の加藤はJライト級のサムゴーより身長でかなり上回って、組んでの攻防だとサムゴーのヒジは届き難く、逆に加藤にとってはヒジを入れるのに丁度いい高さに相手の頭があるという。
室長:しかし左ミドルまでが封じられたわけではあるまい。
静刃:そうですね。そちらの方は毎度の事ながら1Rから惜しみなく繰り出して、加藤の右腕は早々に真っ赤になりましたよ。
室長:判定の決め手も結局は左ミドルのダメージなんだろ?
静刃:・・・でしょうね。
室長:つまり、君の説は間違いだ、と。
静刃:何でそうなりますか?
室長:実際、そうだろ?

○山内裕太郎 判定 山本優弥●
室長:君の嫌いな山内が勝っているな。
静刃:嫌ってるわけじゃないですよ・・・。序盤から山本がペースを握って、3Rまでは有勢だったんですが。
室長:ターニングポイントでもあったか。
静刃:4Rに山内の蹴りがローブローになって、そこから流れが一転しましたね。山本のアピールを山内は気付かずか委細構わずか、そこから一気に攻勢に転じてパンチのラッシュを仕掛けてきました。レフェリーもアピールがあった時点で割って入るべきでしたよ。
室長:なんか不満そうだな。以前君は流れの中の過失的な反則は容認するようなことを言ってなかったか?
静刃:ローブローの場合は別ということで。まあ、それはともかく。
室長:ともかく、じゃないだろが。
静刃:試合の流れを掴んだ山内が5Rも攻勢を保って判定勝ちし、ウェルター級王座を防衛しました。
室長:・・・で、君は今後山内選手にどんな期待を寄せるのかね?
静刃:えーっと、そーですねえ防衛を果たしたとはいえまだ経験不足は否めませんからもー少し防衛戦でもいーから日本人相手の試合を重ねてから国際戦に臨むのがいーと思いますよ。
室長:口先だけと言うのが丸分かりだな。



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