試合会場生観戦記
3月6日 NJKF (後楽園ホール)
○高橋拓也 1RKO 浅野泰輝●
静刃:何年か前、初めて高橋を見たときは「中学生か?」と思ったのですが。
室長:またいきなり失礼なことを言う。
静刃:フライ級な上に更に小柄で、その上童顔でしたからね。その見た目と、ゴングが鳴ってからのアグレッシヴさに思い切りギャップを感じて強い印象を残しました。
室長:常に攻めていく、というのは好感が持てる。
静刃:でも何試合か見ていると成長と共に違う面も気付きましたよ。若さに似合わぬ狡猾さとか残虐性とか。
室長:なんとも極端な表現だな。
静刃:負傷箇所を容赦なく攻めたり、ブレイクの際に額のカットした箇所をグローブで撫で上げたり。
室長:・・・面白そうなヤツじゃないか。もっと早く教えろよ。
静刃:そんな高橋がNKB王者でメインを張るんですから何とも感慨深い。
室長:選手が伸し上がっていく様を見るのは楽しいものだ。
静刃:この日は接近戦で組み付いてきた浅野を振り払ったその直後に右の回転ヒジで一撃KO。見事なものでした。
室長:回転ヒジとは珍しい。
静刃:私もこの技でのKOは初めて見ました。
室長:いいモノを見たな。
静刃:NKBのフライ級は当分高橋拓也で楽しめそうです。

 笛吹丈太郎 引分 飯田誠一
静刃:この試合は落ち着いた展開というか・・・
室長:分かりやすく話してくれ。
静刃:何と言うか、両者共に無駄に熱くならず、冷静に攻守を読み合ってる印象を受けました。
室長:そんな試合つまらんだろ。
静刃:そうでもなかったですよ。でも挑戦者的な立場の飯田にはもっと積極的に攻め入って欲しかったですね。
室長:ほら不満だ。
静刃:レベルの高い攻防なのは確かでしたから。
室長:文句はあからさまに言った方が気持ちいいぞ。

○藤原国崇 2RKO 海老沢朋和●
静刃:最近連盟のリングで復活の兆しを見せていた海老沢だったんですが、NKBチャンプの藤原には及びませんでした。
室長:藤原って飛びヒザの選手だったか。
静刃:最近は不発気味ですが。それはともかく、1R序盤はパンチを主体とした攻めの海老沢が攻勢だったんですが、藤原はパンチとキックをバランスよく織り交ぜたコンビネーションを効かせて2度のダウンを奪い、勝ったも同然の雰囲気。
室長:しかし勝負の世界は油断は禁物だ。
静刃:そうです!2R開始まもなく海老沢のフックが炸裂して藤原は大きくよろめきました。ここで一気に攻め込めば大逆転勝利かも、というところだったんですが。
室長:しなかったか。
静刃:藤原は一瞬慢心したのかもしれませんね。その後態勢を立て直した藤原はパンチのコンビネーションを叩き込んで一気にKOしました。
室長:試合の流れを逃しかけながらも、しっかりと自分の方に取り戻して勝利する。本当の実力と言ってもいい。
静刃:次は彼の飛びヒザを見たいですね。最近は他の選手が使いまくってますから、ひとつ本家のを。
室長:飛びヒザの本家は沢村忠だろが。
静刃:・・・・・・。
室長:・・・・・・。


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