試合会場生観戦記
4月24日 日本キックボクシング (後楽園ホール)
○チャイディー力 判定 山田大輔●
静刃:チャイディーが圧倒的な実力差を見せつけての完勝でした。
室長:随分とあっさりとした言い方だ。
静刃:手数が多い山田のパンチはたまにしか当たらず、チャイディーは合間に出すパンチを確実にクリーンヒットさせてましたよ。
室長:なるほど、実力差か。
静刃:それからフットワークを使って動き回る山田を、チャイディーは序盤の内は普通に歩いての移動でプレッシャーをかけてましたし。
室長:普通に歩いてって・・・。
静刃:全くの誇張無しです。そのやり方でチャイディーは1Rにフック1回、2Rにパンチ連打とボディーブローで2回、ダウンを奪いました。
室長:でも、判定まで持ち込まれたんだ。
静刃:2Rの2回目のダウンを見た時は「やられた。もう終わったな。」と思ったんですが、そこから山田が根性を見せた形になりました。
室長:タイ人選手だから後は「流した」んじゃないのか。
静刃:確かにそこからKO狙いはしなくなりましたけど、各ラウンドともしっかりとポイントは取る攻撃を入れてました。
室長:全てにおいて完敗か。やはり「強いタイ人」には敵わないか。
静刃:でも、それで終わって欲しくは無いですね。

○魄人 5RKO 藤城健一●
静刃:これぞ連盟、と言える試合でしたね。
室長:連盟といえば「倒すか、倒されるか」だったっけ。
静刃:藤城が攻勢をかけた後、魄人が倍にして返す展開だったんですが、3Rに魄人がスタンディングダウンを奪った時と5RにKOを決めた時のラッシュは圧巻でした。何せKOタイムは2分58秒ですよ。
室長:あと2秒でフルラウンド終了じゃないか。
静刃:最後までKOを狙っていく姿勢は実に素晴らしい。魄人はまだNKBウェルター級のランク外なんですが、このスタイルで上位を狙っていけば面白くなりますよ。
室長:ところで「魄人」って何と読むんだ?
静刃:・・・この形式では摩訶不思議な質問ですが「はくと」と読みます。

○ペッカセーム野獣 判定 中川裕也●
静刃:前NKBミドル級王者・中川の引退試合だったんですが、野獣ちゃんが容赦の無い攻撃で圧勝でした。
室長:また「ちゃん」付けしてるし。
静刃:中川のパンチを上半身の動きでのらりくらりと避け、左右のヒジを弧を描いて繰り出すペッカセームの動きは相変わらず見事で、いい意味で不気味です。
室長:いい意味ってなぁ・・・。要は上半身の動きが柔軟ということだな。
静刃:それから時折見せるハイキック。これがまたクセ者で、パンチとそんなに変わらない距離から出して来ます。2Rはそれで中川はダウンさせられました。
室長:柔軟なのは下半身もか。
静刃:中川は3Rもペッカセームの猛攻に勢い余ってリング外まで転がり出され、場外カウントまで取られるなど、散々な引退試合になってしまいました。
室長:場外カウント?キックボクシングでか?
静刃:よくわかりませんが、そんなルールがあるようで。それはともかく、ペッカセームの勢いは止まりませんよ。NKB中量級の巨大な壁として当分君臨しそうです。


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