食品交換表

『糖尿病の為の食事について』

 世間には「糖尿病」の為の食事として、色々な本が出版されています。その中でも「食品交換表」といって、一日に摂取する食物エネルギーを6つの食品群に分類し、1単位を80kcalとして1日のカロリー計算をし食事をするという方法があります。
 例えば1日に1200kcalとして制限されると、15単位(15×1単位のカロリー(80kcal)=1200kcal)をどうやって摂取(食事とはいえない量です)するかという事になります。摂取する際には6つに分けた食品群の割合が決められていて、例えばご飯だけを食べるなどという暴挙をすると健康の為にはよくありませんので、バランス良く食べるためにある程度の割合が決められています。そしてその割合に従った食事をすることになります。(下記参照)

一日の摂取エネルギー量(指示単位)の配分
表1 表2 表3 表4 表5 表6 調味料 合計
15単位(1200kcal)の場合 1.4 0.6 15
18単位(1400kcal)の場合 1.4 0.6 18
20単位(1600kcal)の場合 11 1.4 0.6

表1 主に糖質を含む食品 穀類、いも、糖質の多い野菜と種実、豆(大豆を除く)
表2 果物
表3 主にたんぱく質を含む食品 魚介、肉、卵、チーズ、大豆とその製品
表4 主にたんぱく質を含む食品 牛乳と乳製品(チーズを除く)
表5 主に脂肪を含む食品 油脂、多脂性食品、アボガド
表6 主にビタミン、ミネラルを含む食品
調味料 みそ、砂糖、ケチャプなど

 食事も一日三食規則正しく食べるのは当たり前ですが、朝・昼・夕と、それぞれの食事の中で一日15単位の中で割合が決められたりもします。
 しかし世間で出版されている本には、この「食品交換表」の食品の数が少な過ぎます。「日本糖尿病学会」編の食品交換表でさえ、満足のいくものではありません。この理由は恐らく、食品交換表をいくら詳しく掲載しても、良質のたんぱく質や糖質・脂肪やミネラルなどといった、バランスの良い食事を作ることが難しいからだと思われます。結局は宝の持ち腐れで、使える人がいないというのが現状なのでしょう。げんに販売されている多くの本には、これが○○グラムの量ですという感じの写真が多く掲載されています。それも本によって食品掲載の内容が違っています。しかしこれらのデータは、国で調査しているデータからのものなのです。そしてこの「食品交換表」の80kcalを1単位とした内容を、国で調査した全ての食品が掲載されている本(高くて厚い)から計算して求めるというのは大変な労力が必要となります。その為この計算をした結果のデータを掲載しようと思いました。

尚、この資料は 「五訂 日本食品標準成分表」に基づいた、食品成分データベースから作成してあります。分類bノついては、上記の分類と合わせたかったのですが、データベースの分類が多少違っていますので、下記の形式で掲載しました。「豆類や野菜」などの中には、一部表1に含まれるものもありますので、ご注意下さい。また「種実」につきましては、表1かとも思いましたが、脂肪分が多い食品と判断し、表5に該当する分類5とさせて頂きました。詳細につきましては、担当の医師にお尋ね下さい。

注意)ここに掲載される表を利用して食事制限をなさる方は、担当の医師とご相談下さい。

掲載上の分類
分類1 穀芋 芋類 穀類 
分類2 果物 果実
分類3 魚肉 魚貝 卵類 肉類 豆類
分類4 乳製 乳類
分類5 油脂 種実 油脂
分類6 野菜 海草 きのこ 野菜
分類7 調味 甘味 調味
分類8 嗜好 菓子 嗜好
分類9 加工 加工

尚、札幌厚生病院循環器科のホームページには、食品数は少ないですが正しい分類の食品交換表が掲載されています。但し改正前の内容ですので、ご注意下さい。