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11回目となった『高田の語り部おおいに語る』は、平成23年3月10日から3日間、東京都交通局都電荒川営業所副所長を勤めたこともある橋本誠一郎さんに、早稲田から三ノ輪橋を走る都電についてお話をしていただきました。都電マニアならずともおおいに楽しめた3日間でした。   一日目は荒川線の沿線風景のビデオを視聴し、二日目には走る都電をスタジオにしたラジオ中継の録音を聴き、また3日目には都電の歴史や一般には公開されていない都電荒川営業所内の様子や、都電に関する質問にお答え頂いたり、これからの都電についてなど、多岐にわたる資料の紹介や解説をしていただきました。



展示されたのは都電の写真のほか、都電全盛期の路線図や数々の記念乗車券、都電のパーツ(電車のヘッドマークほか)など、都電マニア垂涎の的となるようなものばかりです。
都電の運営に関わった人でなければ持ち得ない物や撮影できない写真もあり、区民ひろばのスタッフは取り扱いに神経を使ったようです。
また、今回の催しのために、荒川線沿線の鬼子母神名物の郷土玩具の「すすき木菟」が作者の長島秀臣さんのご好意で展示されました。長島さんは、技術を継承する唯一の人として新聞やテレビ(ぶらり途中下車の旅)でも紹介されました。 

   
 2日目は昭和63年2月11日(木)午後1時から3時までの間の2時間、走っている都電をスタジオにして、NHK広瀬久美子アナウンサーと橋本さんがキーパーソンとなり、全国放送が行われたときの録音を聞きました。録音テープは通常は著作権の問題から出演者に渡されることは無いのですが、NHKから特別に提供されたものとのことです。後列右から4人目が橋本さん。隣が広瀬アナウンサー。  ラジオ中継の録音にじっと耳を傾ける参加者。再生の途中、橋本さんの解説もあり、24年前の車内での中継の様子がいきいきと伝わってきました。

この日の午後2時46分に東北地方太平洋沖地震が発生しました。午後1時半から始まった「都電を語る」の終了間際におこり、会場でも大きな揺れを感じました。橋本さんはこの地震への対応を参加者の皆様に冷静的確に指示し、会場がパニックになるのを防いでいただきました。翌日、冷静に対応できた訳をお伺いしたところ、交通局に現役で勤務していたころには、常時災害時の顧客誘導の訓練を行っていたとのこと。地下鉄サリン事件の時には都営地下鉄の駅に勤務されていて、お客様への対応に当たったご経験もあるとのことです。
この地震で被災された多くの方々の無事をお祈りいたしますとともに、いち早い復興と普段どおりの生活が早く訪れる事をお祈りいたします。