酉 の 市

11月8日(土)浅草の鷲神社の「一の酉」に行ってみた。勿論シルバーパス利用だ。自宅に程近い池袋の東口から都営バスに乗る。終点は浅草雷門でその間約30ぐらいの停留所があり、所要時間は1時間だった。JR、、上野から地下鉄に乗り継いでゆくのが普通だが、この場合でも40分はかかる。時間の差は思ったより少ないが、浅草行きのバスの本数は一時間に3本と少ない。

酉の市の様子は新聞やテレビ等で知っていたが行ってみたのは初めてで浅草の鷲(オオトリ)神社がどこにあるのかもわからず、雷門の手前の二天門で下車した。浅草寺本堂のすぐ傍である。
近くの喫茶店で一服し、店の人に尋ねると言問通りの向こう側で「歩くと少し遠いですよ」と云う。
この日は天気は上々だが少し歩くと汗ばむほどの陽気だった。熊手を抱えて歩いてくる人の方向へ向かうと国際通りに出た。神社はその先の千束に位置していた。近づくと露天が軒を連ね人で一杯だった。

神殿正面

商売繁盛?

◆熊手のオンパレード
会場内は当然のことだが縁起物の熊手だらけだった。とにかく出店も多いが店に飾られた熊手の多さには驚嘆した。上から下まで熊手一色だ。飾りが絢爛豪華なものから小さく質素なものまで種々さまざまだが矢張り大きいものに目が向くのは当然た。ところどころで商売が成立し、シャンシャンとしめる景気の良い掛声が聴こえた。
一つ欲しいな‥と思ったが持って帰るのが妙に気恥ずかしいし、今更商売繁盛でもなかろう。「一度買うと毎年買わなければご利益がない」などと話しているのを聴いてヤーメタとなってしまった。
缶ビール片手にぶらぶらし、デジカメだけ撮ってハイサヨナラの客ではありがたくないだろうなぁ。
豪華なものには名札がぶる下がっていたが、会社企業と思しきものが多く個人名はあまり見られなかった。
この中で目に付いたのは石原東京都知事センセイ親子3名の熊手が麗々しく並んで飾られていた。笑わせる光景だ。ただ今度選挙に初めて打って出た知事の息子のものは流石に見当たらなかった。現職の伸晃大臣はともかく新人の選挙結果や如何。


◆浅草界隈の散策  (付近の地図はをクリックして下さい)
このまま帰るのはもったいない。天気も良いことだし‥ 少し歩いてみよう。
浅草寺や雷門のあたりは人であふれていた。ここは外国人観光客に非常に人気のあるところだと承知しているがさもありなんと思った。ちょうど「浅草まつり」という催し物の最中でいろいろなイベントが用意されている様子だった。
ここは我々日本人が歩き回っても実に楽しい。何か昔のにおいがするところだ。:現役の頃、浅草に仕事の拠点があり足しげく通っていたので非常に懐かしい街だ。変に背の高いビルがないのが気持が良い。周りに青空が一杯に広がっている。観光客と思われる外国人が大勢見物に来ていた。



お酉様の帰りに国際通りから花やしきの方に入ると昔栄えた六区の映画館街があり、ウインズなる大きな場外馬券売り場がある。この辺の飲み屋は真昼間から営業し、結構賑わっていた。お日様がカンカン照りなのに店内はおろか外に作られた縁台でも飲んでいたのにはサケのみの私でも少しビックリした。飲み物の中に昔流行っていたホッピーなどというものまであった。



昔懐かしい人力車が走っていた。この街には似合うレトロな乗り物で、違和感がなく風景に溶け込んでいた。乗ってみたいと思ったがさすがに一人ではね‥
終わりに飲食店のことについて一言コメントしておきたい。
浅草には個性的な店が多いと聞くが、私が入った「アンジェラス」という喫茶店は昔から続いているコーヒーとケーキの老舗らしい。一見して観光客と分かる人たちが次から次に入ってくる。
コーヒーはマイルドで香り高く大変美味しかった。

てんぷらの「大黒屋」は相変わらず長蛇の列だった。さんざん歩き回り、のどが渇いたので、地下鉄雷門の近くにある「神谷バー」で電気ブランでも一杯やろうと思ったが店は万杯だった。残念! (11/9 記)


二天門

レトロなバス

浅草寺

仲見世・1

仲見世・2

仲見世.3
いろいろ見物し日も傾き始めたので帰ることにしたが、帰路はまた一時間かけてバスに揺られるエネルギーはなく、地下鉄からJR乗換えで帰宅した。

◆最後に由来をひと言
その昔この神様は鷲の一字を入れて鷲大明神、天日鷲命と称される様になった。後に日本武尊が東夷征討の際、社に立ち寄り戦勝を祈願し、志を遂げての帰途、社前の松に武具の「熊手」をかけて勝ち戦を祝い、お礼参りをした。その日が十一月酉の日であったので、この日を鷲神社例祭日と定めたのが酉の祭、「酉の市」とのことだ。

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