2005年11月7日

各位

東京都の「平成17年度施策の見直しについて」の提案について


東京都学童保育連絡協議会
事務局長  岸野 悦朗

 東京都は市町村に対して、平成18年度「学童クラブ運営費補助事業」を含む13事業を、「子育て推進交付金(仮称)」に
一括して再構築することを提案しました。市長会には10月25日、町村会には28日にそれぞれ提案しました。

 現在学童保育の補助金は、市町村に対して国の補助金(国庫補助)と東京都の独自加算の補助金(都加算)が出ています。
今回の提案は、国庫補助はそのままで、「都加算」を交付金化するというものです。

「都加算」は学童保育1ヶ所あたりおおよそ100万円強が市町村に出ています。
 補助金の場合は、学童保育にしか使えない事になっていますが、交付金になると、13事業であればどこにどれだけお金を
使うのかがそれぞれの市に任せられるため、学童保育分として算定された分が、他の事業に使われてしまうこともあります。

 23区では、公立の学童保育(公立公営・公立民営)は、「都区財政調整制度」(財調)の中で算定されていますので、
国庫補助や都加算の対象にはなっていません。
 公立以外の「民設民営」の学童保育がこの国庫補助と都加算を受けています。(全てではありません)

 東京都は、市町村よりも先に10月3日に非公開で特別区の助役会へ提案しました。
その後、10月14日の区長会で正式提案をしています。

 23区への提案は「学童クラブ運営費補助事業」を含む4事業を「17年度末で終了する」というもので、これまで民間の
学童保育が受けていた補助金が、18年度にはなくなってしまうという内容のものです。

 民間学童保育に約100万の補助金が行かなくなるようなことがあれば、運営にも支障をきたしたり、ますます保護者負担が
増えることにもなりかねません。また、区がその分を補填しようとすると、区の持ち出しが増えることになります。
多くの区が財政状況が厳しいと言っている中で補填される保障があるとは言えない状況です。

 東京都は、区への提案内容について「今の段階では言えない。区には説明してあるので、区に聞いてほしい。」と言って
います。東京都のニュアンスとしては、何らかの補填をする考えはあるようです。

 これまで、東京保問協を始めいくつかの団体や区連協からの情報では、やはり何らかの形で補填するようですが、どのような
ものなのかは、明らかになっていません。市町村のように交付金のような形でおりてくるのではないか、という情報も
ありますが、定かではありません。

 現在、23区の厚生部長会の一部と東京都で話し合いをしているそうです。
11月25日の厚生部長会で結論が出るのではないかという情報もあります。

 また、「学童クラブ運営費補助事業」が見直されたことによって、財調のの算定項目が見直される可能性があります。
場合によっては、「子育て推進事業」として一つにまとめられてしまう可能性があります。
そうなると、財調の中に「学童保育」という文言がなくなってしまうこともあり得ます。
 そうなると、ますます「全児童対策」に吸収してしまうような動きに拍車をかけることになりかねません。
「財調」の算定項目に残すことを東京都と各区に働きかけていくことが必要です。

 都連協役員会としましては、緊急性がある問題であることから、今週中に特別区長会へ要望書を届けます。
来週中には厚生部長会の会長へも要望書を届けに行くことを検討しています。

 今後は、「東京の学童保育を充実させる連絡会」で東京都、都議会会派への要請を11月下旬に予定しています。

 この問題は、各区から意見や要望が上がらないと、東京都の思惑通りに進んでしまう問題です。

各区では、財調の対象外である学童保育への補助金を来年度以降も残すことを東京都に要請すること。
財調の算定項目から学童保育事業をはずさないことを、各区の行政担当者に至急要請していただきたくお願いします。

 特に、補助金削減が該当する区では、東京都からどのような内容の話があったのかを聞いていただきたくお願いいたします。
 東京都保育問題協議会では、13事業には保育関係の都加算がたくさん盛り込まれていることから、各区市議会から意見書を
あげる取組を進めています。
保育関係者と共同でできるところは、連絡を取り合って取り組みましょう。
 また、学童保育関係者独自で取り組めるところでは、ぜひとも検討していただきたいと思います。

以上