『 いま フランスに日本人高校を開く意義 』2024年1月24日 EGS研究会の資料より)


(2025年の開幕に向けて)
ヨーロッパ共同体
E U日本人高校を!

1990年頃、ヨーロッパには日本人高校が11校もありましたが、だんだん減ってきて、現在は 立教英国学院、帝京ロンドン学園、スイス公文学園 のわずか3校になっています。
しかも、2020年1月に 英国がEUから離脱したため、EU
内には日本人高校が 1校もなくなってしまいました。

※ 地図中の(青丸) の3校以外の日本人高校は 全て閉校しました。
     クリック
そして 今、パリの西の郊外の 「シャンブルシー」 という町に、新しい日本人高校が生れようとしています。場所は、パリ日本人学校の北方 約20kmの場所です。
その名も 「山下アカデミー 高等部
代表の山下 朝史さんは、世界に知られる農園経営者です。

2023年、シャンブルシー町(人口6千人)が 山下アカデミーのプロジェクト実施自治体となり、2025年の開校に向けて、教育施設と農地の提供が表明されました。
必要な投資額 200万ユーロ(約3.8億円)。
山下アカデミーの理事会メンバーとなったサン・ジェルマン・アン・レイ/シャンブルシー農業高校には、山下アカデミーに通う農業、日本料理、高校生ための教室が提供され、学校からわずか5分の場所にある 30haの農地で農業実習が行えます。
シャンブルシー町議会は、この農業施設のために60万ユーロの予算を計上しました。

日本人高校の必要性

★ 日本人学校の中学生の大半は 駐在員の
  子女…… 卒業後、ほとんどは帰国して
  日本の高校に進学します。
★ 移住組の子ども…… パリ在住者は駐在
  員の総数より遥かに多く、学齢子女の
  8割以上は 現地校に通っています。
  フランスの制度上、日本人学校中学部
  卒業資格では 「リセ」への進学が認め
  られません。 他のEU諸国でも、ほぼ
  同様です。
★ 日本で生まれ育った子も多い…… 意に
  反して言葉も習慣も違う学校に放り込
  まれ、逃げ場のない苦労を強いられま
  す。 フランスでは、小学校でも 「落
  第」 があります。
※ シェルターとして日本人学校に転校さ
  せたくても、高等学校への進学問題が
  保護者に 二の足を踏ませています。





最も重要視されるべきは 「継続性」


多くの子ども達は、中学卒業時点では まだ自分の未来像をイメージできておらず、方向性が見えてくるのは 高校卒業の頃だと思います。
15歳〜18歳の3年間の過ごし方が、その子の将来の価値観を決めると言っても差し支えがないくらい重要な時期だと認識しているのです。
大人への扉に手をかけているフランス在住の若者達は、次の世代の日仏・日欧州の架け橋になる人材です。
この年代の子ども達に日本のことを深く理解する機会を提供し、架け橋の橋桁を 日本のことが大好きな若者達に支えてもらいたいというのが 私の夢であり、後世の日本人への置き土産にしたいと願っています。
 (山下さん談)
山下さんの農業哲学は、自分に与えられた耕作地の地力をじ、自然と謙虚に向き合い、何よりも野菜が幸福感を抱きながら生育できる環境を作ることです。
農家にとって 育てている野菜は 我が子のように愛おしい…… 親は自分の子を世界で一番可愛い子だと思います。
絶対一番」 は 山下さんの造語で、その意味する所は、オンリーワンでもなく、ランキングの最上位でもなく、何物にも代え難い価値のことです。
山下さんが このプロジェクトを通じて伝えたいのは、野菜の品質と風味に対する感受性や価値観、そして それに基づいた臨機応変な農業観と栽培法を自分で選択できる自主性の育成です。
この教育と野菜栽培のプロジェクトは、現代の農業と食糧を支える生態系の再定義という課題に対するアプローチ…… そのため、山下アカデミーでの講座や実習は、この目的を中心に構成されます。
山下アカデミー プロジェクト組織の略図
エグゼクティブボード(敬称略)=トリスタン・ジェロー(AgroParisTech農業工学者)、ジャック=フランソワ・サミュエル(対日商業関係専門家・養蜂家)、ナタリー・レイ(自治体対応の専門家)、山下 朝史。
ご寄付・支援のお願い

フランスで実施されるプロジェクトなので、フランス側でも寄付金・支援金の募集が続けてられていますが、日仏相互理解、発展という大目的のために、一定程度は日本側からのご支援が集まることで、このプロジェクトの太い背骨が通ります。ご理解とご支援をお願い申し上げます。
(開校準備金総額 200万ユーロ)



《参考》『海外子女教育に いま何が起こってる?
《参考》『海外の日本人高校の必要性

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