12位:テニスの王子様 (C)
初期の頃なんかは、良く言えば「王道」、悪く言えば「無難」だった。ジャンプのスポーツマンガということである程度の男性ファンを獲得し、美形キャラが満載ということである程度の女性ファンも獲得しただろうが、かといって「コアな大ファン」を量産するまでには至らなかったように思う。
だがしかし、中盤に差し掛かったあたりから途端に…と言うべきか! まるで『ジョジョ』が第3部に入ってスタンドが登場したくらいの衝撃というか、方向転換というか、「王道スポーツマンガ」から「超能力スポーツマンガ」への躍進を遂げた本作! まるで『MAJOR』が『ミスフル』のノリに変貌したかと錯覚するほどの変化に多くのファンは戸惑い、そしてある者は本作から離れていったことだろう。だがその変貌は同時に、作品が有する「無難な面白さ」を捨て、強大な「爆発力」を手中に収めた瞬間でもあった! ゆえに嫌いな人は凄く嫌いだが、好きな人は凄く好きになり…そしてオレは後者ってことさ!!
以前は「菊丸が分身した瞬間に、このマンガはブッ壊れた(良い意味で)」というのがオレの持論だったが…今考えると、それは早計というモノだったな。なにしろ最近のノリに比べたら、分身などもはや子ども騙し以下ッ! テニスボールで人間を観客席まで吹っ飛ばし、身体中血みどろのまま試合を続けるとか…既に生半可なバトルマンガなどより、よっぽどバトルマンガっぽい雰囲気さえ有す青春テニスマンガが本作。中毒性は無類だ(笑)
11位:機動戦艦ナデシコ (A)
15位『エヴァ』の項を読んでくれた人には繰り返しになる話だが、我慢してくれ。ともかくオレには、オレ自身を「アニメファン」に至らしめる要因となった3つのアニメ作品…すなわち「ホップ・ステップ・ジャンプ」というモノが存在する。まず「ホップ」の『スレイヤーズ』で、オレはアニメの魅力に気付き…そして「ステップ」の『エヴァ』により、オレの心には「アニメファン」の礎が築かれ…そしてラストの「ジャンプ」すなわちこの『ナデシコ』により、オレはアニメファンへの道を歩み始めた! そういう意味でも、やはり思い入れが相当に強い作品なんだ。
そしてまた、本作はオレの心にそれほど影響を与えたのだから、当然「思い入れ」だけが全てじゃない。むしろそれだけの強い思い入れが形成された背景には、オレがそれだけ本作を「心から楽しんでいた」という事実の証明だ! あの作風は、本気の本気でオレの好みだったんだよ!!
どう表現するのが良いのか難しいが、ともかく本作もまた『銀魂』や『フルメタ(初代)』といった作品と雰囲気や方向性が似ているだろうと思う。要するに作品のノリが「シリアス」「コメディ」のいずれかに偏っておらず、逆に双方を上手にミックスさせている…という意味で!
ほのぼのストーリーにはとことん癒され、シリアスストーリーにはとことん感動できる! 『ナデシコ』は、そのバランスが本当に心地良かったんだ。