6位:SLAM DUNK (C)
オレは色んなアニメやマンガに関する文章を、それこそ垂れ流すように書き連ねているわけだが…だからこそ逆に、安易に「名作」という言葉を使わない…使いたくないという縛りを自らに課しているんだ。そりゃある作品をどうにかして褒めたいときに、とりあえず「これは名作だ!」という言葉を使いたいと人が感じる気持ちなら、オレも理解はできるんだよ。なぜならその言葉は非常に使い易く、かつその作品に対する「好きだ!!」という強い思い入れをも端的に表せるものだから。そしてオレはその便利さを知っているし、だからこそ人が「名作」という言葉を使うことに対してまで、ああだこうだと言うつもりは無いんだ。
だけどオレ個人としては「非常に使い易い」からこそ、逆にこの言葉の使用を常に留意しようと努めている。なぜなら使い易いからと同じ単語を乱用することは、語彙を貧困にさせる危険性もあり…なによりそれ以上にオレが危惧しているのは、ソレが「思考停止」を招きかねないということなんだ。
つまり「名作」というのはたった2文字の単純な単語ながら、その内に含まれる意味は多岐に渡り、人によってもその定義や感じ方が大きく違うというある意味特殊なモノであるため。ゆえに一言「コレは名作」と言ってしまえば、逆にそれ以外の言葉をあえて使う必要性が希薄になってくる。極論を言えば「これは名作だ! 以上!」で話が終わってしまいかねないからこそ、「思考停止」の危惧があるというわけ。これは、オレが好きなキャラについて語るときに「萌え」という言葉を極力使用しないようにしている理由とも、かなり共通する部分があったりするな(笑)
まぁ前置きはこれくらいにして、本題に入ろうか。ともかく前述の通り、現在のオレは「名作」という言葉の使用を意図的に制限している状態だ。だが、かといってその使用を完全に「禁止」しているわけじゃないってこと! むしろ乱用を避けたがゆえに、オレはその言葉を「真に使うべき場所」を自分なりに深く思索するようになり…そのためいつしか、オレはオレが心から感じた「真の名作」に対してのみ、その使用を解禁するようになったんだ。つまりは使用を自制したことにより、「名作」という言葉が持つ意味を昇華させた…ってトコロだろうか。
そして当然…ここまで話したのなら既に言うまでも無いが、まさに本作! 本作『スラダン』こそ、オレが心から感じている心からの「名作」だってこと!!
何よりも…確かに順位的には6位ながら、「オレがこれほどまでに名作だと感じている」のは本作の他に3作も存在しないわけで! 例えば1位や2位の作品を、オレが本作より「好き」なのは間違いないが、正直ソレらを「名作」とは思っていないオレがいるんだ。すなわち(世間的にはともかく)オレにとって「名作」という言葉は、自分の中で「最も好きな作品」に対してでさえも易々と冠したくは無い崇高な称号だってことなんだ!
やはりスポーツマンガの最高峰として、オレは本作を除外して考えることなど絶対にできない。序盤こそ平凡なスポーツモノだったかもしれないが、後半になるに従い洗練されていく試合の描写には感嘆の一言! 山王戦のラストなど、感動するなってのが無理な話だったよ……。