7位:賭博黙示録カイジ (C)

たとえシリーズモノであっても、基本的には分割してランクするのがオレのスタイルだったが、本作の場合は少々別だ。確かに『破戒録』『堕天録』ともに時系列は同じであれ、当然やっている(描かれている)内容は別々のことだし、そういう意味じゃ(同一時系列なのに)別個ランクしている『刃牙』なんかと同様、コレも3作に分けて順位付けした方が良いんじゃないか? と思うかもしれない。
そう…確かにその疑問は「その通り」なんだよ(笑) 『刃牙』や『フルメタ』は別個ランクなのに、『最遊記』や本作は一括してランクするという、その論理的な説明というか…厳密な分類がオレの中に定義付けられてるわけでもなくて。簡潔に言えば、酷く主観的…かつ感覚的な話だったりするんだ(笑)

そもそも、オレがなぜ「同一シリーズなのに分けてランキングすることがあるのか」という部分を考えてみれば、案外明快なことかもしれない。要するにそういった(別個ランクの)作品は、オレの中で「各作品毎の愛着に大きな差異があり、ひとくくりにしちゃうという行為に抵抗がある」という事情があるためそのような形式にしているわけで…逆に言えば、あえて分けようとしても「15位・16位・17位が全部そのシリーズで埋まってしまう」ってくらい拮抗した差しか存在しないとすれば、それはむしろ「最初から別個にする意味が無い」ってこと! ゆえに「3シリーズのどれもが好き」という本作に関しても、オレには分割する意図が見つからなかったというわけだ。

しかし単純な理由のようでいて…実際コレは、我ながらかなり物凄いことであるようにも思う。例えば『フルメタ』シリーズ3部作もオレは全編が好きだが、それでもトップの『フルメタ』(17位)と3位の『ふもっふ』(66位)との間にはかなり「好き度の差」があったと言わざるを得ない。そして同じシリーズとはいえ別々の内容を扱う作品である以上、それだけの差が出ることも必然と言える。
だが本シリーズ『カイジ』はそういった好き度の差異が無い…というか、何より「この順位に在っても差異が無い」という部分が本当にスゴイんだよ!
要するにオレとしては、『黙示録』『破戒録』『堕天録』という3作ともに「歴代トップ10に入るほど好き!」ってことなんだからさ!!

ともかく本作の魅力…その源泉として挙げられるのは、やはりその作風! それも、字面通りの意味における「緊張感溢れる作風」って部分だろう! もはや本作に関しては、まずこの点を挙げずして何処を挙げる!? と言い切って構わないほどに、その圧倒的なスリルはまさに「本物」だった。
例えば動く映像や音声、音楽を伴うゲームや映画でなら、その世界観を体感することで緊張感を得るのも難しくは無いだろう。だがオレは、 安易に「アレは読んでて緊張したよ〜」とかいう比喩的な意味ではなく…読んでいて本気で「手に汗握った」作品を他に知らない……!

ジャンケンしかり、Eカードしかり、ティッシュ箱しかり、チンチロしかり、パチンコしかり…。ともかく、そのどれもが緊張感漂うものだった。
だがオレが中でも一番心震えたのは、意外かもしれないが「鉄骨渡り(高層Ver.)」だったり。アレには、もはやリアルな恐怖すら感じたほどだ……。

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