6位:テイルズオブジアビス (PS2)

とりあえず、ロード時間が長い。なぜ真っ先にそんな「短所」を述べるかといえば、それはそこ以外には気になる点が見当たらないから。
つまり、そこを除けば全ての点がグッド! うわっは〜、流石テイルズ10周年記念作品! と心底賞賛したいソフトがこの『アビス』なんだっ!!

『アビス』のようなゲームについて語ろうとすると、どうにも何から始めて良いか迷ってしまう。そしてそういう部分こそが、このゲームの全体的な面白さを端的に表しているんだろう。 なにせ「シナリオ」「システム」「キャラ」「バトル」……と、どこを語るにしても語れ過ぎちゃって困るくらいだからさ!

例えば「シナリオ」からいってみようか。『アビス』のシナリオにおいて特筆すべきなのは、やはり序盤の山場である「アクゼリュス崩落」イベントであるとオレは思う。 ルークの焦燥、ガイの失望、大佐の蔑み、イオン様の同情……。各人各様の人間味をさらけ出しつつ、ルークとその周囲の環境が途端に変化していく過程……それを明確に、そして残酷に描き出したあのイベントは確かにショックだった。 だけど同時にあれは、『アビス』というゲームそのものの魅力を大きく引き上げたんだとオレは思っている。登場人物ひとりひとりの人間的魅力・ストーリーの深みが一気に増大したからだ。
オレも、あの時は大佐とほとんど同じような心境だった。冒頭から積もり積もった細かな悪い心象とも重なり、心底ルークが嫌になった。 アイツの幼さを理由にして寛容するとか許すとか、そんな感情は一切湧いてはこなかった。 だけどオレがそうやって心の底からルークを責めた時、それは同時にオレの中で「ルーク」というキャラへの感情度が(それが悪い方向であれ)頂点に達した瞬間でもあった。 たとえオレのようなゲーマーであろうと、普通ゲームのキャラにあそこまで心を動かされたりはしない。だけどルークは、『アビス』はそれをさせたんだ。正直、凄いと思う。
だからこそ、シナリオの魅力は同時にキャラの魅力でもある。オレはガイと大佐とイオン様のファンだが、今やあのルークにも魅力を感じている自分がいる。 それは、先のことを「許した」ってことじゃない。一度本気で怒りを覚えたからこそ、「変わろう」と心に誓ったアイツの姿が胸に焼き付くんだ。

そして、シナリオやキャラだけが『アビス』の良いところじゃない。システム面だって相当に秀逸だ。
戦闘システムひとつを取ったって、かなりの作り込みがされていることがわかる。「FOF」しかり、「ADスキル」しかり、「Cコア」しかり、「FSチャンバー」しかり……。 RPGに慣れていない人には混乱必至なシステムの数々だけど、とにかくどれも作りが丁寧で、端的に言えば「面白い!」んだ。

それまでのテイルズシリーズでだって、「全サブイベント制覇」くらいはいつもやっている。 だけど『アビス』に大ハマリしたオレはそれだけに留まらず、「レベルMAX、全チャンバー99個取得&全技で全チャンバーレベルMAX、Cコア含む全アイテムコンプリート」というほぼ完全なデータをも製作したほど。 (特にチャンバー関連のはキツくて、集めるまではいいのだが、1バトルに1回しか使えないアニスの「Xバスター」とかもMAXにするのは地獄)
ちなみに「ほぼ完全」の「ほぼ」というのは、料理熟練度MAXだけは大変すぎてアニスとガイ以外はやってないこと。だから称号も、他4人は未完だ。

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