第一話:アイテムボックスの直前で減速すんな!

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【今回の登場人物】

オレ:生まれて初めてプレイしたレースゲームがSFCの『マリカー』。使用キャラは永遠のクッパ。

トシ:SFC時代はヨッシーを使っていたが、64以降はキノピオに移行した浮気者。

プッチ:使用キャラは特に決まっておらず。SFC時代、オレと2人でグランプリを延々とプレイしていた。

  ――― ■■■ ―――



トシ「俺が初めてナツキんち遊びに来たとき、確か『マリカー』やらされたんだよな」

オレ「そうだっけ? そもそも初めて…っていつだ?」

トシ「小学3,4年だろ。今から10年くらい前」

オレ「ああ、そういえばそんくらいか。…で、そんとき『マリカー』やったって?」

トシ「うん。ってかやらされた」

オレ「だっけ?」

プッチ「あれじゃね? ナツキんちに初めて来たとき恒例の《儀式》があった頃」

オレ「ああ、思い出した! アレだろ、『武闘伝2』の天下一武闘会!」

プッチ「そうそう(笑) 初めて遊びに来たヤツに対する強制的な試練ね」

オレ「タチ悪ぃ(笑)」

トシ「お前がやってたんだろうが!」

オレ「知らん知らん! 若気の至りだ!」

トシ「大体オレなんか、『武闘伝』プレイしたことも無かったんだぞ!?」

プッチ「ヒデェ(笑)」

トシ「当然の如く一回戦負けして、あと見てるだけだったし」

オレ「お前…よくそれで帰らなかったな。軽いイジメだぞ」

トシ「お前が言うな! 今だったら帰ってるっつーの!!」

オレ「でもまぁ、あの頃は大体いつも7,8人いたからな。天下一がちょうど良かったんだろ」

プッチ「今は大体4,5人だしね」

オレ「ああ。…で、その後に『マリカー』だっけ」

プッチ「ってか、アレも地味に恒例じゃなかった?」

オレ「多分それは…オレがキノコカップにハマってたからだろ(笑)」

トシ「そりゃただの腕自慢じゃねーか!!」

オレ「若気だ若気」

プッチ「そういやあの頃、マリオサーキット1でベストタイム出したとき写真に撮ってたよな?」

オレ「やったやった(笑) 爺ちゃんにわざわざカメラ借りて…。だが今思うと、あのタイムって大したことないよな」

トシ「何秒なの?」

オレ「0分51秒」

トシ「メッチャ早ぇじゃねーか!」

オレ「いや、グランプリだから。タイムアタックじゃなくて」

トシ「ああ、なるほど…」

プッチ「でもさ、アレも地味にムズイよね。出すの」

オレ「まぁ、ミニターボはかけまくって…というか、それ以上に運頼みだからな」

トシ「運って? 何回もリタイヤして出したってこと?」

オレ「いや、1位なのにキノコ取ることが必須だから(笑)」

トシ「そういうことか(笑)」

プッチ「でも当時は大騒ぎしてたよね」

オレ「まぁな(笑) だってギネスの世界記録かなんかが59秒だって情報は持ってたからさ。もちろんタイムアタックのだけど」

トシ「結局ナツキは、タイムアタックは何秒だっけ?」

オレ「1分00秒80…とかそんな感じ」

トシ「というかそうだ、思い出した! お前んちに初めて来た日に『マリカー』やったって言ったじゃん」

オレ「うん」

トシ「お前、マリオサーキット1でロケットスタート失敗した瞬間リセットしやがっただろ!!」

オレ「じょ、情に流されるようなことがあってはならない。馬鹿は大体それで失敗するんだ…」

トシ「絶対その台詞合ってないから!」

オレ「まぁアレだろ? オンライン対応の『モンハン』で、知らない人とパーティー組んでるのにリタイアマラソン始めるヤツみたいなモンだろ?」

トシ「お前、昨日《そんなヤツはクズだ》とか言ってたじゃねーか!!」

オレ「ふっ、トシ…。ここにアスランがいたら、きっとこう言うだろうぜ」

トシ「は?」

オレ「お前もいい加減、過去に縛られたまま闘うのはやめろ!」

トシ「このヤロ…!」

オレ「ところで関係ないけどさ、スーファミの『マリカー』ってメチャクチャ丈夫じゃね?」

トシ「ああ…というか、絶対消えないよね」

プッチ「このソフトも?」

オレ「うん。10年以上データ残ったまま」

プッチ「そりゃスゲェわ(笑)」



  ―― ◆ ――



オレ「ところでオレ達さ…なんかスーファミ以降の『マリカー』にハマってないよな。けっこうやってるのに」

プッチ「これまで何やったっけ?」

オレ「64と『ダブルダッシュ』、それにアドバンス。ああ…アドバンスにはちょっとハマったか」

トシ「だけど、アレもほとんどスーファミと同じようなモンだけどね」

オレ「しかもソフト1個だとヨッシーしか使えねえ(笑)」

トシ「だから結局、最後には4人ソフト買ってたよね。俺とタイちゃんと…誰か2人で」

プッチ「だけど64とかは、やっぱあんまブームにならなかったよなぁ…思えば」

オレ「まぁ…それはけっこう謎だよな。ホントだったら4人でできるようになった分、スーファミよりオレ達向きのハズなのに」

トシ「一応『ダブルダッシュ』は、一時ブームになったよな。一瞬だったけど」

オレ「ありゃネタ的に盛り上がっただけだろ(笑) そもそも1週間もったか?」

トシ「いや、多分その前に飽きた」

オレ「だよな(笑) でも64版はアレだよ。スーファミ以上のアイテムゲーになったのが原因だと思う。オレは」

トシ「ああ…そりゃ絶対あるね。アレはヒドイ」

プッチ「だから、アイテムボックスの手前で抜かれるの待つ戦法が流行ったんでしょ? アイテム良くするために」

トシ「というか、それがクソゲー化の要因」

オレ「あんな戦法採ってたら、絶対盛り上がらねぇし(笑)」

トシ「1位とか酷かったよね。後方からの砲撃」

オレ「4人でやってると、10秒に1回くらい赤甲羅飛んでくるし。それ以前にトゲゾーとか意味わかんねぇし」

トシ「あとさ、俺的には64とかドリフトが気持ち良くないんだけど」

プッチ「ああ、なんとなく解るわ(笑)」

トシ「しかもアレね、スティックぶっ壊れるんだよね。ドリフトし過ぎると」

オレ「ぶっ壊すのはタコッチだろ?」

トシ「いや、アレはタコッチのパワーじゃなくても壊れてた。64のスティックってキューブより脆いし」

プッチ「タコは、キューブのコントローラも壊してたけどな(笑)」

オレ「アレはアイツが『スマデラ』をやり過ぎてるだけだ!」

トシ「アイツの分だけで、5個くらいコントローラ買い換えてるからね」

プッチ「そりゃ壊しすぎだろ!!」



  ―― ◆ ――



トシ「でも結局、スーファミも案外アイテムゲーだよね」

オレ「それは言わない約束だ」




――こんなヌルい日常も、まぁ悪くない。

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