第十五話:どんな確率でも…撃ち貫くのみ!!

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【今回の登場人物】

オレ:古くからの『スパロボ』ファンで、プレイソフト数も多い。好きな機体はアルトアイゼンやビルトビルガー、エヴァや無換装フリーダムなど。

トシ:どちらかといえば、昔の『スパロボ』にハマっていた。最近は携帯機のソフトをよくやる。好きな機体はゴーショーグンやダンクーガ。

フクタ:最近はめっきり『スパロボ』から離れているが、昔はかなりやっていた。好きな機体はビルバインやエルガイム。

  ――― ■■■ ―――



オレ「オレはリアル系のファンだろ?」

トシ「ああ」

オレ「お前はスーパー系のファンだろ?」

トシ「ああ」

オレ「なんでだ?」

トシ「おい、今の流れはテンポがおかしいだろ!」

オレ「オレもそう思った。展開がストレートすぎたな(笑) …で、なんでだ?」

フクタ「結局聞くのかよ!」

オレ「いやまぁ、そこまで深い意味はねぇけどさ。なんとなく」

トシ「そうだな…キッカケは『F』だな」

オレ「そういえば、お前がスーパー系に凝ってたのは『F』の頃からだったか…」

フクタ「でも『F』の頃って、スーパー系なんて使いもんになんなくねぇ?」

オレ「オレもそう思う。あの頃はシステム的に、《当てられずに当たる》のがスーパー系のサガだよな」

トシ「いや、それだけじゃないよ。『F』は敵の攻撃力が雑魚でも高くて、装甲の意味ないから、無改造のスーパー系なら一撃で堕ちる」

オレ「自分で言ってどうすんだよ!」

トシ「でもあの頃は敵のHPとか装甲もメチャクチャじゃん。それに撤退条件がいちいちシビアだし」

オレ「まぁ確かに、序盤のオージェとかでも十分ヤバかったな」

フクタ「序盤は火力足りないしね。せいぜい主人公機くらいで」

トシ「というか、主人公機でもリアル系じゃ無理だよ。まずニュートロンビームがビーム兵器だから、ビームコートに相性悪いし」

オレ「で、だからスーパー系が好きになったってか?」

トシ「一番最初はソレが理由だね。スーパー系の攻撃力がないと倒せない敵とかがいっぱいいたから、自動的にいつも出撃はしてたし」

オレ「オレなんか、面倒な敵はすぐ逃がしちまったもんな…。『F』の頃はまだ『スパロボ』に慣れてなかったし、そもそもリアル系だったから」

フクタ「でもトシは、いちいち全部倒してたんだろ。ボスとか全部《幸運》使って」

トシ「むしろ、ボスだけじゃないよ。特に中盤過ぎてからは、かなりこだわったからね」

オレ「何を?」

トシ「まず出撃させるメンバーは強さとかで選ぶんじゃなくて、とにかく精神ポイントの量的に一番《幸運》を使える回数の多い構成にする」

オレ「そんでビーチャとか使ってたのか?」

トシ「いや、『F』のビーチャは確か幸運使えなかったはず。その代わりアムとかは常に必須メンバーだったけど。エルガイムに乗せて」

フクタ「アムが幸運使えたってこと自体覚えてねぇよ」

トシ「そんで、次にそのマップで出現する敵の構成を全部調べて、その結果一番もらえる資金が高いヤツから順に幸運で堕としてくんだよ」

オレ「それって、メチャクチャ面倒臭ぇだろ!!」

トシ「でも、そのこだわりが俺的に面白かった。金もどんどん溜まるし」

オレ「でもトシって、金があっても最近の『スパロボ』じゃ改造しなくね? というか改造無しプレイにハマってるよな」

トシ「むしろ『F』の頃も、改造してたのはスーパー系の必殺技とエネルギーだけで、他は無改造だったし」

オレ「そりゃまぁ、『スパロボ』はもともと難易度低いからな…。無改造プレイくらいしないと、張り合いは無いが」

フクタ「でも『F』なんて、後半になってからいくらでも無限に金稼ぎできるだろ。イデオンとかサイバスターとかで」

トシ「だから俺も『完結編』ではコンティニューしまくって、結局資金MAXを7回やったからね。つまり合計7000万溜めた。2周目の話だけど」

オレ「それじゃ、どっちも意味ねぇじゃんか! 苦労して、全部の敵を《幸運》で倒すとかしてたのもよ!!」

トシ「へっ、そんなこと僕は知らないねー!」

オレ「それはオレとフクタのネタだから! テメェが珍しく使うんじゃねぇ!!」



  ―― ◆ ――



オレ「でも結局、お前はスーパー系のどこに惹かれたんだ? ゲーム的に必要、って意味以外に」

トシ「まぁ…やっぱ装甲だね」

オレ「装甲? えらく普通だな」

トシ「マジンカイザーとかをフル改造して、ボーナスで装甲強化して、超合金ニューZ付けて、鉄壁と必中使って敵の群れに突っ込ませるのが最高」

フクタ「やり過ぎだろ!」

トシ「でも面白いよアレ。ボスの攻撃でも全部10ダメージとかナイス過ぎるだろ!!」

オレ「厨じゃねぇか!」

トシ「いや待てよ。俺的にはリアル系の方がよっぽど厨だね」

オレ「なんでだよ」

トシ「だってそれこそ改造とかしとけば、相手が誰でも常に命中100%で敵の命中は0%だろ!? そんなの面白味のカケラも無いね!」

オレ「当たっても、結局10ダメージなら同じじゃねーか! 当たりゃ良いってモンじゃねぇんだよ、当たり屋かお前は!!」

トシ「はぁ〜? それにνガンとかビルバインなんて、絶対厨が使いたがる機体だよなぁ〜。回避100%で俺強え〜〜! とか絶対思ってるよ〜」

オレ「それならマジンカイザーとか真ゲッターの方が、よっぽど厨好みだろうが! おっと、そういや誰かさんはどっちも使ってたっけなぁ〜」

トシ「『MX』でゼオライマー使いまくって、喜んでたヤツに言われたくないね!」

オレ「テメェは『MX』自体やってねぇだろうが! それにアレは、もう誰でも使うから」

フクタ「おれも、やったら間違いなく使うね」

トシ「まぁ、俺も使うだろうけど(笑)」

オレ「というか『MX』に登場して以後、原作とかOVAじゃ『ゼオライマー』を全然知らない人達からも爆発的に人気が出たらしいからね」

フクタ「次の『スパロボ』にも出て欲しい作品ランキングかなんかで、上位に食い込んでたんだろ」

トシ「それこそ、確実に厨の投票じゃん(笑)」

オレ「まぁな。でもアレは、正直誰でも惚れるだろ! そりゃ、オレ達はOVAで観たわけだけどさ」



  ―― ◆ ――



オレ「そういや『F』といえば、この前マークがオレから借りてったんだよ。『完結編』だけ無いからって」

フクタ「今更かよ!」

オレ「オレもそう思ったが、アイツ今頃になってもう一回『F』をプレイして、結局クリアしたみたいだからね」

フクタ「というか、今更『F』をやろうっていう根性がスゲェよ」

トシ「戦闘カットが無いのはマジでヤバイからね。今となっては」

オレ「そのカットが無いせいで、昔オレも死ぬほど苦労したからな」

トシ「何が?」

オレ「ゼゼーナンのバランシュナイルと戦う面あるじゃん? 月面かなんかの、ゲストとの最終決戦」

トシ「ああ、あるね。どっちのルートか忘れたけど」

オレ「そんで、そんときは生まれて初めて『スパロボ』をプレイした頃だったから、まだ色々と慣れてなくて。ほぼ《詰み》の状態でセーブしちまってさ」

トシ「ターン終了したら、絶対に戦艦堕とされてゲームオーバーみたいな?」

オレ「そんな感じ。しかも残り動かせるキャラがドモンのゴッドガンダムだけで、他は全員移動しちまった後にセーブしたわけ(笑)」

フクタ「最悪じゃねーか!」

オレ「でもな、最悪の中でも、そのときのオレにはひとかけらの希望があったんだよ。むしろ、今思えば希望があったからこそ最悪だった気もするが」

トシ「どういう意味だよ」

オレ「つまりダメージ計算した結果、ドモンの石破天驚拳がクリティカル出れば、超ギリギリでゼゼーナン倒せるってことが判ったんだよね」

トシ「それで?」

オレ「だけどドモンの精神ポイントはもうゼロに近くて、《熱血》どころか《集中》とかも全く使えないのよ。でもステージやり直すのは面倒すぎて」

フクタ「まぁ、あの面はゼゼーナンに行くまで時間かかるからな」

オレ「だからオレは、そのターンで石破をクリティカルさせて終わりにしたかったわけ。もちろん、リタイアマラソンすることにはなるけど」

トシ「うん」

オレ「でもな、そんでドモンがゼゼーナンに石破撃つときの命中率を見てみたら、マジでちょうど《1%》だったのね(笑)」

フクタ「なんだよソレ!!」

オレ「しかもそこでクリティカル率を計算したら、石破の補正も込みで30%くらいだったのよ。つまり実質的に、成功確率は0.3%だったわけ(笑)」

フクタ「お前、ソレを当てるまでやり直そうとしたのかよ! そんなんなら、ステージやり直した方が絶対に早ぇだろ!! 1000回に3回だぞ!?」

オレ「いやでも、あのステージはけっこうムズいじゃん? なんか、やっとゼゼーナンを追い詰めたっていうこの状況を、リセットするのは躊躇してな」

トシ「で、リタイアマラソン?」

オレ「まぁ、そういうことなんだけど…。想像してみるとヤバイと思うよ、ソレ」

トシ「そりゃ、0.3%はヤバイだろうけど」

オレ「いやそうじゃなくて、戦闘カットができないあの頃に石破天驚拳なんだぜ!?」

フクタ「なるほど。…メチャクチャ長ぇなソレ」

オレ「そうなんだよ、だってアレだぜ!? …流派っ、東方不敗の名の元にっ! オレのこの手が真っ赤に燃えるぅ! 勝利を掴めと轟き叫ぶぅ!」

フクタ「そんで…いくぞっ、ばぁぁぁくねつ! ゴッド・フィンガーーーッ!! か」

オレ「更に、石破ッ! 天きょぉぉぉぉぉうけぇぇぇぇぇん!! ……とかそこまでやっといて、《甘い》とか言われるんだぜ? ゼゼーナンに!」

トシ「回避されたときの台詞か(笑)」

オレ「そんですぐさまリセット、また攻撃。そしたら当然、《流派っ、東方不敗の名の元にっ!》からリスタート」

フクタ「地獄じゃねぇか!」

オレ「ある意味、3時間くらいで終われたのが奇跡だよ。確率的には、1日かかってもおかしくねぇだろうし」

トシ「それはな(笑)」

オレ「だけど今となっては、ある意味0.3%くらいは大した確率じゃねぇと思うようになったけどね」

フクタ「なんでだよ?」

オレ「そりゃ当然……」

トシ「『ティアリングサーガ』やったからだろ(笑)」

オレ「たりめぇだ。あんなことやってたせいで、今じゃゲームで《3%で取れるアイテム》とか言われても高確率に思えるくらいだよ」



  ―― ◆ ――



オレ「そういやトシもフクタも、最近の『スパロボ』はあんまやんねぇよな」

トシ「そりゃお前…ナツキがずっとやってるからだろ!」

オレ「なんだよ、別にオレがやってても関係ないじゃん。いつでも貸してやるぞ?」

トシ「いや、そういう意味じゃないから。お前は一度『スパロボ』買って始めると、それから1ヶ月くらいはいつ来ても『スパロボ』やってんじゃん!」

オレ「別にいいだろう。テレビは3台あるんだし、1台使ってても邪魔にはならねぇぜ」

トシ「それも違ぇよ! お前が7周も8周もやってるのを隣で見てたら、もうそれだけでお腹いっぱいになってるんだよ!!」

オレ「ああ、そういうことか(笑)」

フクタ「おれも自分じゃ触ってもいねぇのに、ナツキがやった『スパロボ』のイベントとか戦闘シーンはほとんど覚えちまったからな。勝手に」




――そんなこんなで、いつの間にかメンバー内の『スパロボ』ファンはオレ一人になってしまった。

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