【今回の登場人物】
オレ:昔はそこまでじゃなかったような気もするんだが、いつの間にかメンバー内でも随一の『SIREN』ファンに。好きなキャラは宮田司郎。
カム:オレ達の中に『SIREN』ブームをもたらした(最初にソフトを買ってきた)のがカムで、もちろん同作のファン。好きなキャラは宮田司郎。
フクタ:『SIREN』を知ってる3人の中じゃ一番遅くブームに乗ったが、しかしながら一気にのめり込んだ。好きなキャラはやっぱり宮田司郎。
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オレ「『SIREN』ってさ、ホラーゲームだよな。言うまでもねぇけど」
フクタ「1周目は完全なホラーだろ」
オレ「じゃあ2周目は?」
フクタ「ノリゲー」
オレ「だよな(笑) でもさ、たとえホラーとしての魅力が皆無になっても、十分面白ぇのはスゲェよ。『SIREN』は」
フクタ「ああ。そもそも『SIREN』って、1周クリアしちゃうと恐怖がギャグに変わるじゃん」
カム「今じゃメチャクチャ爽快なゲームだからね」
オレ「確かに、初めてやった頃からは想像もできねぇよな」
フクタ「でも普通のホラーゲームは怖くなかったらつまんねぇけど、『SIREN』はそんなの関係ないし」
オレ「アクションゲームとしてのデキが、もともとダンチだからな」
カム「ただ、初めてプレイしたときはやっぱビビったよね」
オレ「というか、1面からけっこう怖がってたからな(笑) 恭也が石田に追われるヤツ」
カム「しかも最初は、銃2発で死ぬってことにも驚いたし、ビビった」
オレ「その時点で、普通のアクションゲームの難度じゃねぇって解ったもんな」
フクタ「だけど、あの難易度があってこその『SIREN』だろ。春海ちゃんステージとかヤベェじゃん」
オレ「牧野さんの最初のステージも、けっこうムズかったな」
カム「あと学校でしょ。高遠先生が、校長と戦う面」
オレ「アレもヤバイね。でも武器持って戦えるだけ、まだマシかもしんないけど」
フクタ「とりあえず、『SIREN』は無防備キャラがヤバイ。だから春海ちゃんとか牧野さんが一番ヤバイね。シナリオ的に」
オレ「無防備ってのは難易度だけじゃなくて、恐怖にも直結するからな。特に春海ちゃんの《捕まったら終わり》とかはけっこうビビる」
フクタ「だから、おれ的にはやっぱ微妙だったね。『2』は」
カム「『2』は強行突破で突き進めるしね。頭使わなくてもいい感じ」
フクタ「そう。そこらへんは…ちょっとね」
オレ「…まぁ、オレもそれは思うけどな。でもオレは結局、『2』もけっこう好きだぜ? そりゃ『1』には比べらんないけど」
フクタ「おれも嫌いってほどじゃねぇけど。でも『2』は、『1』に比べて作業っぽいし」
オレ「どういうことよ?」
フクタ「例えば、アイツいるじゃん。あのDKモード」
オレ「闇人甲とか乙のことか(笑)」
フクタ「アイツは背中からしか攻撃効かないけど、そういうのも作業的に感じる」
カム「確かにアイツはウザイね。面倒だし、亜空の瘴気放ってくるし」
オレ「まぁ、そりゃオレもウザかったけどな(笑) 全体的にテンポアップしたのが、逆に『1』の頃にあった魅力を消しちまった気がする」
カム「その割に、ラスボス戦とか地味だからな。しかも面倒くせぇ」
フクタ「アレはヤバいね。しかも操作してんのが恭也じゃないから、オーラにも欠ける」
オレ「ラスボス戦が面倒だったのは、オレも思った。というか、ミスして死んだときに最初からやり直しになると…グッと来るね。胸に」
カム「やることの順番とかが決まってて、長いからな」
フクタ「逆におれは『1』とは違って、『2』だと三沢の団地ステージとかが面白かった」
オレ「三沢の団地…って、あの無敵の闇人四天王が追ってくるヤツか?」
フクタ「そう。あの面は、バトルがメインだけどけっこう頭使ったりするだろ。それがかなり面白かった」
オレ「ああ、なるほど。永井が団地で、市子ちゃんから逃げるステージなんかもそんな感じだよな」
フクタ「『1』の頃は、無防備な状態から頭使って逃げたりする面が楽しかったけど、『2』は頭使ってバトルをする面が楽しかった」
オレ「確かにバトルがメインになった分、そういう楽しみは増えたのかもしれないな…」
―― ◆ ――
オレ「そういやオレ達は戦闘メインになったこととか、全体的に難易度下がったこととか…そういうトコの不満が多いじゃん」
カム「『1』と違う雰囲気になっちゃったからね。『2』は」
オレ「でもネットだと、『2』の不満点といったらアレが多いんだよね。屍霊とか闇霊がウザイっていう」
フクタ「ああ、確かにアイツらもウゼェな。でもおれは、やっぱり亜空の瘴気の方がウザイね。ヴァニラ・アイス」
オレ「オレも闇霊とかはウザイと思ってたけど、実際は案外気にならなかった部分もあるんだよ」
カム「なんで?」
オレ「いや、なんか無軌道に沸いてくる闇霊とかの間を、完璧なコース取りですり抜けてくのも腕の見せどころかなって(笑)」
フクタ「レースゲームかよ!」
オレ「でも、なんとなく解るだろ。その感覚」
フクタ「まぁ、なんとなくはな。というか実際、ゲーム中はそうしないといけねぇし」
オレ「ただアレだ。オレがアイツらのウザさを真に思い知ったのは、そこより別の部分だったね」
カム「ハメられるトコとかだろ?」
オレ「いやハメもウザイけどさ、とりあえず本編を普通にやってる分には、ヤツらもそこまで気にはならなかったんだよ。正直」
カム「うん」
オレ「だけど1回クリアした後、タイムアタックをやり始めた後からがヤバかった!」
フクタ「なるほど」
オレ「1秒2秒が惜しいってときに、アイツらに体当たり喰らってよろけたりすると…マジでコントローラー投げたくなるよアレは!!」
フクタ「最短コースを通ろうとすると、ちょうど目の前にいたりするからね」
オレ「とにかく…ゴールへ行くためにはそこを通るしかない! っていう、狭いドアの間にウジャウジャたむろしてるのだけは勘弁だ(笑)」
―― ◆ ――
オレ「でも、さっき『SIREN』は2周目以降ノリゲーになるって話があったじゃん」
フクタ「ああ」
オレ「オレもそれは思うんだけど、正直言って、初めてやったときの『SIREN』はメチャクチャ怖かったんだが」
フクタ「それはおれもだよ。むしろ、1周目と2周目とのギャップが激しすぎるねアレ」
オレ「ゲーム自体は何も変わってねぇんだけどな(笑) やっぱ気持ちの問題ってのはスゲェや」
カム「『バイオ』とかより、全然怖いしね」
オレ「『バイオ』なんざ目じゃねぇよ。というか『バイオ』といえば、カムが初めて『バイオ』やったときの話を思い出すよな…」
カム「ああ、中学生の頃の話ね(笑)」
オレ「そうそう。まだオレ達の中で1人も『バイオ』を…というかホラーゲームをやったヤツがいなくて、そんな頃にカムが『バイオ2』買ってさ…」
カム「自分の家で、一人でやり始めたんだけど…マジで怖かったからね」
オレ「そりゃ中学の頃だしな(笑) でもリッカーのトコまでは一人で行ったんでしょ?」
カム「そう。だけどジャンプ斬りってあるじゃん? リッカーが初登場するムービーの時点でビビってたのに、ジャンプ斬りで一撃で殺されてさ」
オレ「そんで、オレんちに逃げてきたんだよな(笑) 思えばアレがオレにとっても、初めてのホラーゲームだったんだよな…」
カム「でもそのお陰で、今じゃ俺もナツキもかなりのホラーゲームファンになったよね」
オレ「ああ。そういう意味じゃカムに感謝だな。もしくはリッカーに感謝か(笑)」
フクタ「でも今じゃ、『バイオ』とか全然怖くなくないよな」
オレ「むしろ、それは『SIREN』をやったのが大きいよ」
フクタ「『SIREN』は別次元だからね」
オレ「オレの場合『SIREN』をやって以来、『バイオ』とか『クロックタワー』に恐怖を感じない身体になっちまったんだが(笑)」
カム「というか、『バイオ』はむしろ爽快なゲームだよな」
オレ「そう、それなんだよ。これも最近になって気付いた…というか思うようになったんだけど、『バイオ』はホラーが主体じゃないんじゃねぇかと」
カム「『4』とか、もう別のゲームだしな。ゾンビの大群を蹴りで吹っ飛ばしたりとか、そういうのが気持ち良いゲームになってる」
オレ「だから『バイオ』は恐怖というより、むしろ爽快感重視のゲームじゃないかって。ある意味『デビルメイクライ』に近い感じで」
フクタ「まぁ、同じカプコンだからね」
オレ「そういう意味で言ったわけじゃないんだが(笑)」
フクタ「でも恐怖といえば、2周目だったけど『SIREN』のアレは怖かったな。恩田理沙のアレ」
オレ「ああ、アレはヤバかった! 2周目ってことで、気を抜いてたから特に」
カム「なんかやったの?」
オレ「そういえば、あのときカムはいなかったか。…ホラ、理沙が主人公の病院のステージあるでしょ? スタートすると、目の前に美奈がいるヤツ」
カム「ああ、わかる」
オレ「あそこでフクタが、うまく操作すればスタート直後に《傘》で美奈を倒せねぇか? みたいなことを言い出して。そんで実験しようとしたわけ」
フクタ「スタートしたらすぐ後ろ向いて、ダッシュして左の部屋入ってドア閉めて、奥の傘を拾う…ってのを最短スピードでやろうとした」
カム「それで?」
オレ「とりあえず、そこまでの流れは全部一発目で成功したんだよ。運良く」
フクタ「それにドアも閉めてあったから、美奈が部屋に入ってくるまで時間に余裕があると思ってた」
オレ「で、そんなこと2人で話しながらボタン連打して傘取って装備して、よし勝負だ! と思ってドアに向かって180度ターンしたら…」
フクタ「画面全体に美奈の顔面が映った。あのスダレみたいな顔が」
カム「なるほど、それはヤバイね(笑)」
オレ「アレは相当ビビったなぁ…。むしろドア閉めた後、一度も開いた音がしなかった気がしたから、完璧に油断してた」
フクタ「実は、いつの間にか部屋に入ってきてたらしい」
オレ「その後は、こっちが慌ててる隙に首絞められて一瞬で殺されたし」
フクタ「武器は傘だし、慌ててなくても殺されたのは一緒だろうけどな」
―― ◆ ――
オレ「そういやお前は、三沢の団地でタイムアタック極めてたよな」
フクタ「ああ。最終的には16秒だか18秒になって、その壁を破れないで終わったんだよ」
――結局のところオレ達は皆、『1』も『2』も好きな生粋の『SIREN』ファンだってことだ。
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