第二話:多人数用ゲームは一人でやるもんじゃない

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【今回の登場人物】

オレ:格ゲーは2Dより3D派。だが昔は逆だった気がする。

カム:ここ数年で、かなり格ゲーにハマり出した。ゲーセン通いもけっこう多い。

マーク:昔からの格ゲーマー。オレ達の中では、格ゲー屋として認識されている。

  ――― ■■■ ―――



オレ「オレ達が初めてハマった『鉄拳』っつったら……」

カム「やっぱ『3』でしょ」

オレ「だよなぁ…。実はオレ『2』もやってたんだけど、ハマれなかったんだ」

マーク「なんで?」

オレ「いや…そりゃ1人でやってたから(笑)」

マーク「おいおい、マジ寂しいよソレ!」

オレ「オレもそう思う。ってか格ゲーは1人でやるもんじゃないねアレ」

カム「そりゃそうでしょ」

オレ「まぁ、オレも初めてやったポリゴン格闘が『2』だったからさ。浮かれちまってな」

マーク「それ何歳の頃?」

オレ「さぁ…13とかそれくらい?」

マーク「ふぅん…とにかく格ゲーは、やっぱ対人戦やらないとつまんないでしょ」

オレ「面白さもそうだけど、腕も上がんないよね。むしろ井の中の蛙を量産することになる」

マーク「どういう意味?」

オレ「ホラ、例えばアレだよ。昔、中学で『スマブラ』が流行ってた頃さ……」

カム「ああ、ヤジの話だろ(笑)」

マーク「ヤジって、同じ学年にいたアイツだよな?」

オレ「うん。まぁアイツ1人じゃないけど、あの頃は多かったぞ〜? 俺はCPUのレベル9に勝てるぜ!! …とか自慢してるヤツ」

マーク「は? CPUって……」

カム「っていうか、コンピューターなんざ3対1でも余裕で勝てるっつーの!」

オレ「だよな(笑) でもなんか、学年だと何故かソレがステータスと化してた」

マーク「それってつまり……」

オレ「うん。みんなあのゲームなのに1人でやってるから、周りのレベルを解ってねえってこと(笑)」

マーク「むしろ『スマブラ』のコンピューターって、普通に弱いよね?」

オレ「うん。『スマデラ』になって更に弱体化したような気がする。ってか、あんまりやってないマークやフクタでも余裕で勝てるレベル」

マーク「だよなぁ……」

オレ「むしろあのゲームを独りでやる神経がオレには理解できん!」

カム「まぁ、俺は1人で練習してるけどね」

オレ「いや、カムとタコッチだけは特別だから。誰も、1人で連続5時間とか練習できないから」

マーク「カムちゃんやタコッチって、家でそんなことしてんのか……」

オレ「そりゃ勝てないわけだ…ってか? オレもそう思う(笑)」

カム「いや、5時間ぐらい普通だろ?」

オレ「全然普通じゃねえって!!」



  ―― ◆ ――



オレ「話を戻すけどよ、『鉄拳3』のときはチーム戦ばっかやってたよな」

カム「人数多かったからね。むしろアレしかできなかった」

マーク「4対4とかだっけ?」

オレ「最多でソレだな。時々は1人2キャラってことにして、8対8でやってた」

マーク「でも、あの頃は4畳半に8人入ってたんだよなぁ…中学の頃だったけどさ」

オレ「オレとカム、マーク。あとはトシにフクタにタコッチ、チンにタイちゃんだっけ…まぁ、今でも殆ど変わらんメンツだけど(笑)」

マーク「そういやチンとタイちゃん以外は、今でも全員遊んでるわけか」

オレ「ま、それだけオレ達が変化の少ない人生を送ってる…ってことだ」

カム「でも『3』より、むしろ『鉄拳タッグ』にメチャクチャハマってたよね、俺達」

オレ「ああ…ってか『タッグ』のブームはヤバかったな。むしろ色んな意味でヤバかった」

マーク「つーかマルチタップ使わないでやってたよね」

カム「あの頃は、まだ持ってなかったでしょ」

オレ「だからキャラチェンジのとき、チェーーンジゲッター2! とか叫びながらコントローラー自体ブン投げてたもん(笑)」

マーク「そのせいで、仲間がキャッチ失敗すると即死だったじゃん」

オレ「つーか成功してもコントローラー受け取るので精一杯だから、チェンジを狙ってポン拳を腹にブチ込むのが流行ってた(笑)」

カム「クリーンヒットで、せっかく交換したばかりなのに体力半分とかね」

マーク「それ、絶対2コンが損だから!」

オレ「あと、『タッグ』のおかげで色々専門用語が作られた。神風特攻隊とか」

マーク「なんだっけ?」

オレ「自分がHP半分くらいになって、でも仲間が全快のとき、大体はチェンジしようとするじゃん?」

マーク「うん」

オレ「でも仲間がチェンジしろ! と叫ぶのを無視して、まだ行ける! とか言いながら敵に突っ込んでって……」

カム「で、空中コンボで半分減らされて終了。フクちゃんがよくやってた(笑)」

オレ「というか、神風特攻隊って言葉を作り出したのがフクタだ」

マーク「それ、特攻隊っつーかただの無謀じゃん!」

オレ「あと、これもフクタが言い出した。公開処刑ってヤツ」

カム「ああ、アレね。チーム戦やってて、片方のチームがかなり勝ちまくって……」

オレ「そう。1チームはまだ4人くらい残ってるのに、もう1チームは残り1人になって、こんなの絶対勝てねえよ! ってときね(笑)」

マーク「そんでフクタが?」

オレ「うん。どんな公開処刑だよ! って言い出した。そしたら、そっからその言葉が定着した(笑)」

カム「フクちゃんは、流行語作りすぎだから!」



  ―― ◆ ――



オレ「でもオレ達、『3』でも『タッグ』でもかなり本キャラが被んなかったよね」

カム「そういえば、俺以外に吉光使ってるヤツはいなかったな」

オレ「オレは1人だけ準さんだし。マークは当時からキングでしょ?」

マーク「うん。基本的には」

オレ「そういやあの頃マークが使ってたキングは、マッキンとか呼ばれてたよな」

カム「そうだっけ。マーク・キングの略で?」

オレ「それもあるけど、2つの意味があった。マークキングと、マニアキング(笑)」

マーク「だけどおれ、そこまで上手くなかったでしょ。その頃」

オレ「まぁ、相対評価だな。全体的にレベル低かったろうし。だから一時的に無敵だったキャラとかいたじゃん? トシのファランとか」

マーク「じゃあ、それはトシファラって呼ばれてたか?」

オレ「いや、マニファラだ(笑)」

カム「麻薬じゃん!」

オレ「そういやカム、聞いてくれよ。マークのヤツさ、この前『鉄拳』の大会で優勝したからって、それを宣伝する日記書いてやがったんだぜ!?」

マーク「いや、あれは日ハムの優勝について書いてただけだから」

オレ「絶対そっちがオマケだろ! それにかこつけて、自分の優勝を持ち出すなんてセコすぎる!!」

マーク「いやいや、日ハムは今年頑張ったからなぁ……」

オレ「お前、この前ソフトバンクのファンだっつってたろ!」



  ―― ◆ ――



マーク「そういや、『3』んときフクタの本キャラってさ……」

オレ「うん、ボスコノだったな。というか、実はアイツかなりボスコノやり込んでたよ(笑)」




――切磋琢磨があってこそ、腕は上達する。それはスポーツでもゲームでも同じだ。

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