第二十二話:鬼から逃げるだけじゃない鬼ごっこも存在する

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【今回の登場人物】

オレ:『タイムスプリッター』のため、必死にiLinkケーブルを探し回った経緯を持つ。思えばソレが2画面対戦の初体験だった。

トシ:オレと一緒にケーブルを探し回って、結局見つけてきたのはトシの方だった気がする。キャラではグレーテルを使う。

タコッチ:『タイムスプリッター』のソフト自体を持っているのがタコッチ。iLink対戦のため、1人で同じソフトを2本買った(笑)

  ――― ■■■ ―――



オレ「正直、『タイムスプリッター』はかなり面白かったな。色んな意味で」

トシ「ゲーム自体も面白いけど、やっぱアレが大きいんだろ。8人プレイってのが」

タコッチ「ほとんど無いからね。そういうソフト」

オレ「ああ。そもそも4人以上…じゃなくて5人以上で遊べるゲームって、これまでどんくらいあった?」

トシ「とりあえず最初は、やっぱ『ガーヒー』でしょ」

オレ「だな。セガサターンのマルチタップが、もともと6人用に作られてたし」

トシ「むしろ、他に何かあったか? 5人以上のゲーム」

オレ「そうだな…。ああ、アレもそうだろ。『サイ』」

トシ「ああ、そういえば一時期メチャクチャハマってたよね。『サイ』の5人対戦には」

タコッチ「『サイ』ってパズルゲームじゃなかったっけ」

オレ「パズルだけど、5人同時対戦ができるんだよ。多分アレが、個人じゃなくオレ達全員に関してだったら一番ハマったパズルだと思う」

トシ「というか5人プレイだったら、普通に『ボンバーマン』もそうだね。考えてみれば」

タコッチ「ああ、そっか」

オレ「あとは、なんだろう…。そういやオレは1回しかやってないけど、『ウイニングイレブン』もできたんだよな。8人プレイ」

トシ「1コンと2コンの両方にマルチタップ挿さなきゃ駄目だけどね。それに同時にできるっつっても、問題がけっこうある」

オレ「問題って?」

トシ「例えば同じチームに8人が固まって、そんでプレイするのが俺とかナツキみたいにあんまサッカーを知らないヤツだったとするじゃん」

オレ「ああ」

トシ「そしたらフォワードとかディフェンダーとか関係なしに、8人全員がひたすらボールに群がろうとするだろ」

オレ「小学生のサッカーみたいにか(笑)」

トシ「逆にハトみたいなサッカー通だったら、ディフェンダーだったら防御…みたいにきちんと自分の仕事をしようとするから…」

オレ「つまり、今度はひたすらヒマになるってことね」

トシ「常に何人かがそうなるだろ」

タコッチ「でも本当のサッカーも、けっこうそんなもんじゃないの?」

トシ「まぁ、それはそうかもしれないけど。でも別に、本当のサッカーやりたいわけじゃねぇし」

オレ「それはな(笑) …あとは、そうだな。『大戦略』も一応できるか、5人まで」

トシ「あれこそ、絶対に5人でやりたくないけどね。真面目にやったら、1戦が終わるまでに日が暮れるだろ」

オレ「でもオレ達、何回かやったじゃん」

トシ「そんで日が暮れただろ」

オレ「そういえば、ファミコンの『モノポリー』も8人までできたな(笑)」

トシ「アレも、どうせやるんだったらボード出して普通にやった方が面白いけどね」

オレ「それはそうだが。だけどオレ的には、その用意が面倒なとき重宝したぞ」

トシ「まぁ、それはね」

オレ「あとは…そういえばアレもそうだったな。ついこの前、トシが買ってきた『マリオパーティ』」

トシ「ああ、『7』ね」

タコッチ「え、トシってまだ『マリオパーティ』買ってんの?」

オレ「コイツはバカだから。学習能力ねぇから(笑)」

トシ「でも、つい期待しちゃうだろ。今回こそはあのテンポの悪さとか、ストーリーモードの長さとか、運ゲーの多さが解消されてるかもしれないって」

オレ「そんで毎回毎回、買ってきては失敗してるんだろうが! 正直アレは《本当のファミリーゲーム》だから、オレ達には向かねぇって!」

タコッチ「むしろトシって『マリオパーティ』つまんないとか言いながら、結局は全作買ってんじゃないの?」

オレ「『7』でもまだ懲りなくて、3日前くらいに今度はWiiの最新作も買ってきやがったからね。ご丁寧に、オレ達分のWiiリモコンまで買って(笑)」

トシ「まぁ…全作じゃないかもしれないけど、64からWiiまでの8作中5,6作くらいは持ってるかもね」

タコッチ「十分『マリオパーティ』マニアだよね、ソレ」

オレ「オレもそう思う(笑)」

トシ「でもどのソフトも、なんだかんだ言いながら1日の暇潰しくらいにはなってるじゃん。いつも」

オレ「お前は1日で満足なのかよ! もし『1』から『8』の8作全部が揃ってても、合計で1週間しか潰せないんだぞ!?」

トシ「でも1個だけブームになったヤツはあったよね。『5』だっけ?」

オレ「ああ、ビーチバレーとホッケーがあるヤツね。というかアレも結局、本編じゃなくてその2つにハマってただけなんだが(笑)」

トシ「それでも、1ヶ月くらいハマれただけでけっこう十分だろ。それに、『5』だけは今でも時々やってるし」

オレ「というか今思ったんだが…思えば『5』って、『マリパー』ん中で唯一オレが買ったソフトじゃねーか! お前じゃなくて!!」

タコッチ「ああ。そういえばそこに転がってるね、ソフトが」

オレ「いや、違うぞタコッチ。ソレはトシが持って帰らねぇで、オレんちに置きっぱにしてる『7』だよ(笑) でもホラ、逆側にあるだろ。『5』も」

タコッチ「あ、ホントだ」

オレ「ネット情報とかは全然見てなかったんだけど、ちょうど多人数ゲーを探してるとき、中古屋で安く売られてたから買ってきたんだけどな」

タコッチ「そしたら面白かったってこと?」

オレ「まぁ偶然なんだけどな(笑) でもこれが、オレとトシの格の違いってヤツかぁ? 1作しか買ってないのに、《アタリ》を引いちまうあたりがなぁ」

トシ「やれやれ…これだから厨は困るぜ」

オレ「死ね! …まぁ結局8人プレイが面白そうだった『7』にしても、一瞬のブームだったからな…」

トシ「アレはホントに、《ただ8人でできるだけ》だったからね。でもまぁ、8人いるっていうノリだけでも楽しめたからいいじゃん」

オレ「そんなこと言ったら『メイドインワリオ』なんて16人までできるっつーの! そりゃ、アレこそ最高10人くらいでしかやってないけどな(笑)」



  ―― ◆ ――



オレ「とにかく他のがハズレだったこともあるけど、『タイムスプリッター』はマジで面白いよな」

トシ「というか、まず普通に面白いからね。8人とか関係なくて」

タコッチ「基本的には『ゴールデンアイ』とかと同じだし」

オレ「武器がSFチックになって、スピード感が増した『ゴールデンアイ』というか…どちらかといえば『パーフェクトダーク』に近いかな?」

トシ「でもそのスピード感のせいで逆に、8人対戦のときは意味わかんなくなったけどね。特に街とか狭い面の場合」

オレ「ああ、それはかなりあったな(笑) 2台のテレビごとにチーム分けして4対4ってのが主流だけど、もはや敵味方とか判別できねぇし」

トシ「誰かと会ったらとりあえず撃っとけみたいな(笑)」

タコッチ「そんで一通り撃ち合ってから、待って俺仲間だから! とか言ってやっとやめるんだよね」

オレ「やめたときには2人とも瀕死だったり、強い武器だと殺してから仲間って気付くこともあったけどな」

タコッチ「むしろ『タイムスプリッター』といったら、やっぱ《鬼ごっこ》でしょ!」

トシ「ああ、アレはヤバイね。それこそ人数が多ければ多いほど盛り上がるし」

オレ「結局、あのゲームで一番やったのが《鬼ごっこ》じゃねーか? 普通の対戦じゃなくて」

トシ「普通の対戦も面白いんだけどさ、4人ならともかく8人だと意味不明になるからね」

オレ「その話はさっきもしただろ」

トシ「いや画面もそうだけど、点数とか勝敗も。腕がどうのっていうより、どんだけ生き返ったばかりで武器持ってないヤツを虐殺したかって話になる」

オレ「それは確かに。しかもあんだけ人間がウジャウジャいると、アイツ死んだから生き返り地点に張っとこう…なんてマネもできないからな」

タコッチ「ちょうど目の前に生き返ってきたから、ラッキー殺しとこう! って感じだしね」

オレ「もう、ほとんど一種の運ゲーだよな(笑)」

トシ「だから、やっぱ《鬼ごっこ》が一番面白かったんでしょ」

オレ「考えてみれば現実の鬼ごっこも、8人くらいが一番面白いような気もしてきた」

トシ「まぁ、そうかもね。むしろ小学生の頃とか、クラス全員でやるような鬼ごっこがあったけどさ…」

オレ「ああ、アレはヤバかったな。ああいうのをホントのクソゲーって言うんだろ(笑)」

トシ「大体グチャグチャになってくると、今誰が鬼なのかも判んないし。自分で鬼だと勘違いしてるヤツとかも出てくるし」

オレ「そんで、なぜか鬼が2人いたりとかな。ニセの鬼にタッチされたヤツも勘違いを繰り返して、いつの間にか周りが鬼だらけ(笑)」

タコッチ「グッダグダじゃん!」

オレ「まぁ話が逸れたけど、そういう意味でも『タイムスプリッター』の《鬼ごっこ》は良かったね。人数もちょうど良くて、それに鬼が判り易い(笑)」

トシ「火ダルマが鬼ってのも、けっこう意味不明だけどね」

オレ「だけどアレのお陰で、鬼をうつされるときの恐怖っつーか焦りがヤバイけどな。火ダルマになったキャラが猛ダッシュで突っ込んでくるんだから」

タコッチ「でもアレさ、けっこう酷いよね。鬼に対するみんなの扱いが」

オレ「まぁ確かに、面によってはハメゲーになったりもするからな」

トシ「一本道のある面が相当ヤバイね、鬼ごっこの場合」

オレ「アレはヤバイっていうか、酷いだろ! 小学生とかのイジメになりかねないレベルだから」

タコッチ「どれのこと?」

オレ「例の一本道ハメだよ。けっこう長い一本道があって、その奥が行き止まりになってる場所のある面で」

トシ「《鬼ごっこ》って基本的に鬼バーサス鬼以外のバトルだから、1人が鬼になると残りの7人は微妙な仲間意識を持つでしょ」

オレ「だから7人が結託してさ……」

タコッチ「ああ! あの行き止まりで全員が武器構えて待ってるヤツ!?」

オレ「そうそう。そんで鬼がどんだけ死に物狂いで突っ込んできても、7人から集中砲火されてあっという間に蜂の巣になるっていう(笑)」

トシ「あの要塞は、7人のうちの誰かが裏切って暴れ出さないと攻略不可能だから」

オレ「まぁそのまま続けてもくだらねぇから、1,2回鬼を殺した時点で絶対に誰か裏切り始めるんだけどな」



  ―― ◆ ――



オレ「そうだ…タコッチ、『タイムスプリッター』で使ってたiLinkケーブルだけど、アレどこ行ったのか知らね?」

タコッチ「え? わかんない」

オレ「あっそ…。まぁ別に、もう一本あるからいいんだけどさ…」




――最後の話の詳細は、第九話を参照のほど。

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