第二十三話:『ボンブリス』とかは、実はけっこう好きだったり
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【今回の登場人物】 オレ:『テトリス』『ぷよぷよ』『ドクマリ』『パネポン』など、有名処のパズルは一通り経験がある…が、どれも結局あまりハマらなかった。 トシ:基本は戦略シミュレーションファンだが、元来頭を使うのが好きなため、パズルにも造詣が深い。好きなパズルは『ヨッシーのクッキー』。 マーク:パズルにはあまり興味が無いらしいが、そこまで嫌いでもないようだ。ただ不得意ではあるらしい(笑) ――― ■■■ ―――
オレ「考えてみりゃ、オレ達の中でパズルゲームってのは両極端なジャンルだよな」 トシ「どういう意味だよ」 オレ「つまり、好きなヤツと嫌いなヤツがけっこうキッチリ分かれてるってこと」 トシ「まぁ、パズルゲームってのはもともとそんな感じなのかもしれないけどね」 オレ「そりゃまぁ…な。カムなんかは相当に嫌いなジャンルだろうし」 マーク「カムちゃんはアクションファンでしょ? アクション好きでパズル嫌いってのは多いと思う」 オレ「かもな。トシの場合はパズルとかシミュレーションみたいなのは得意だが、アクションはあんまやんねぇし」 トシ「別に嫌いってわけじゃないんだけどね。アクションも」 オレ「フクタもパズルは嫌い…というか興味無いとか言ってたからな。アイツも基本はアクションとRPGか」 マーク「ナツキはどうなんだっけ」 オレ「オレか? まぁオレも…基本的にはフクタと同じで興味無いかな。つっても先入観が嫌いだから、あんまそういうのは考えないことにしてる」 マーク「でもソレだと結局、トシ以外嫌いなヤツだらけじゃね?」 オレ「そうだな、あとは…タイちゃんくらいのモンか。パズルファンは」 トシ「あとはナツキの姉ちゃんだろ」 オレ「姉ちゃんも数に入ってんのか(笑)」 トシ「でも俺とか散々付き合わされたからね。『ドクマリ』とか『ヨッシーのたまご』とか色々」 マーク「お前はまだ、パズルゲーム好きだからいいだろ。おれもこの前、相当付き合わされたぞ」 トシ「いや、お前の場合はナツキ姉ちゃんに負けまくったのが悔しくて、途中からはお前の方から《もう一回!》って挑んでたじゃねぇか!」 マーク「なんかアレは…おれってこんなにパズルゲームできなかったっけ、って信じられなくなったから」 オレ「どんだけ自信喪失してんだよ!!」 トシ「でもパズルゲームといったら、やっぱチンだろ」 オレ「ああ、そりゃ伝説のあの事件があったからな。《パズルゲーム一回》事件(笑)」 マーク「アイツってパズル得意だったっけ?」 オレ「いや逆だ。パズルが超不得意って意味で、パズルといったらチンが思い浮かぶ」 トシ「むしろ不得意というか、ただ単に嫌いなんだろチンは」 オレ「だがその《嫌い》っぷりが、絶対におかしいから!」 トシ「厨だからね(笑) まぁあのときは、全員リアル中坊だったわけだけど」 マーク「なんかやったの? アイツ」 オレ「アレは、ゲームとかアニメが元ネタじゃない《オレ達の名台詞》だったら、歴代ベスト10に入るくらいのインパクトはあるね」 マーク「だから、何よ」 オレ「いや、とりあえずチンと一緒にパズルゲームやる機会が何度かあったんだよ。あの頃」 トシ「『パニボン』とか『ぷよぷよ』とかの、4人対戦できるパズルにハマってた時代があって。中学の頃に」 マーク「おれは知らないなソレ…。ここでも、そんな時代があったのか」 オレ「まぁパズルゲームの『サイ』にハマってた時代もあるしな。とにかく一時期のブームってヤツで、そんときの流行がパズルだった」 マーク「ふぅん…。で?」 トシ「とりあえずチンはパズル嫌いって言ったけど、もちろん得意でもないんだよ」 オレ「オレなんかは、別に好きじゃなくてもある程度はできるじゃん、感覚で。まぁ先天的なモノなのか何なのかは判らんけど」 マーク「ああ、うん」 オレ「だけどアイツは、なんつーか典型的なパズル嫌い…というかパズルは無理! ってタイプでさ」 トシ「むしろマークも酷かったじゃん、この前ナツキ姉ちゃんと『ドクマリ』やってたときとか」 オレ「ああ、色を4つ繋げて消す感覚がよく解んない…とか妙なこと言ってただろ。まぁ、多分あんな感じだ。ソレのもっと酷いヤツ」 マーク「まぁ、なんとなく解るけど…」 オレ「ともかく、要するにヘタってことね。だから4人でやってても、大抵はアイツが最初に負けるわけだ」 マーク「うん」 オレ「そんなこんなで何戦か戦ってるうち、アイツが怒り出してな」 トシ「《こんなの勝てるわけねぇよ! 俺、生まれてからパズルゲーム一回しかやったことねぇから!》って叫び出した」 オレ「ちなみにその台詞を叫んだのは、もう何日かプレイを重ねた後だったが(笑)」 マーク「いや…それネタだろ絶対!!」 オレ「話だけだとそう聞こえるかもしれんが、正直アイツの口調はマジだったぞ」 トシ「むしろその《パズルゲーム一回》ってのが、当時の《期間全体》のことを指してたって方がまだ解る」 マーク「ああ…じゃあソレだろ。そのトシが言ったヤツ」 オレ「今となっては、チンとも疎遠になっちまったから確認は不可能だが…でも、どっちにしてもヤバイだろその台詞は!」 マーク「パズルゲーム一回しかやったことない…か。まぁ確かに、響きはかなり厨っぽいな(笑)」 トシ「だって当時中学生だった俺達でさえ、台詞を聞いて引いてたくらいだぞ」 オレ「だから最近でも、思い出したようにネタとして使ったりもするんだよな。例えば『スマブラ』で、カムに負けたときとかに」 トシ「勝てるわけねぇよ! 俺『スマブラ』一回しかやったことねぇんだよ!! とか言って」 オレ「もう対戦回数は1万超えてるけどな(笑)」 マーク「いやぁ…おれは、ネタでもその台詞使いたくねぇわ…」 オレ「オススメだぜ? 今度姉ちゃんにパズルで負けたとき、使ってみりゃいいじゃん」 マーク「それだけは絶対にイヤだから!!」
―― ◆ ――
オレ「でもチンとは逆パターンだけど、タイちゃんのエピソードもヤバイよね。あの『ドクマリ』の」 トシ「ああ、あっちは本気で凄い方の話だよな」 マーク「タイちゃんは、普通にパズル上手いんだよね?」 オレ「かなりね。なんつーか…例えば最近の『ぷよぷよ』とかで、達人の対戦デモムービーとか見たことない? オプションとかから見れるヤツ」 マーク「ああ、知ってる。連鎖の作り方とかをレクチャーしながら、10連鎖とかをスゲェスピードで組んでるヤツでしょ?」 オレ「そう、ソレだ。多分、あの一歩手前くらいのレベル」 トシ「むしろ俺達程度から見ると、どっちも同じくらいに見えるレベルだよ」 オレ「だよな(笑) タイちゃんいわく《まだまだ》らしいけど、正直こっちから見りゃ達人と変わらない動きをしてるように感じる」 マーク「じゃあ10連鎖とかも簡単に組めるの?」 オレ「ああ。それも平らなトコで自由に組むんじゃなく、相手からのお邪魔ぷよが降ってくる中でも、それくらいの連鎖は簡単に組んでた」 マーク「それは凄いな…」 トシ「結局ナツキ姉ちゃんなんかも、好きなだけでそんなに上手いわけじゃないでしょ?」 マーク「おれは、ソレに負けてたけど…」 オレ「まぁお前は置いといて。要は姉ちゃんがゴールドエクスペリエンスなら、タイちゃんはゴールドエクスペリエンス・レクイエムみたいな」 トシ「いや、その例えは解り辛ぇだろ!」 オレ「ともかく姉ちゃんが《好きなだけ》だとしたら、タイちゃんは《好きなうえに上手い》と」 マーク「そりゃまぁ、繰り返さないでも解るけど」 トシ「だから久しぶりにタイちゃんが来たとき、タイちゃんとナツキ姉ちゃんをパズルで戦わせて、冷やかしてやろうと思ったんだよ。ナツキ姉ちゃんを」 マーク「ああ、お前は所詮モンキーなんだよジョジョォ〜〜! って?」 オレ「そう(笑) オレ達は事前に『ぷよぷよ』10連鎖とかを見てたから、もう確実にタイちゃんが勝つと思ってたからね」 トシ「そんで、その対戦の模様を後世まで記録しとこうと思って、ビデオまでセットしといた」 マーク「そこまでやったのかよ(笑)」 オレ「でもそれが、始めてみると予想外の結果で。だからむしろ、周りのオレ達のが焦った」 マーク「え、ビィさん(※姉貴のあだ名)のが勝ったの?」 オレ「うん。なんか姉ちゃんが強かったというより、タイちゃんが平凡なミスとか連発して…自滅して負けた感じで」 トシ「むしろ『ぷよぷよ』が凄かったからパズルが全部得意だと思ったけど、実はタイちゃん『ドクマリ』はやったことなかったりする? みたいな」 マーク「というか、それは最初タイちゃんに確認しとけよ!」 オレ「いやもう、あのタイちゃんだからパズルは何でもお手のモンかな? って勝手に決め付けた感じでさ(笑)」 トシ「そうだったから、逆にタイちゃんが負けたときはヤバかったね。部屋の空気が」 オレ「アレ? もしかしてオレ達やっちゃった? っていう」 マーク「そんでどうしたの? 結局」 オレ「とりあえず5回くらい戦って、タイちゃんが全敗して…オレ達も、そろそろやめとこうかみたいな雰囲気になってきたんだけど…」 トシ「そしたらタイちゃんが、おもむろに言ったんだよ。ちょっと座る場所変えていい? って」 マーク「え?」 オレ「いや、そもそも考えてみれば、最初から変なポジションに座ってたんだよね。タイちゃん」 トシ「ナツキ姉ちゃんがテレビの正面に陣取ってて、俺達ギャラリーも周りを囲んでたから、タイちゃんはその後ろ側にいたんだよ」 マーク「それおかしいだろ! プレイヤーの片方が一番外側ってなんだよソレ!!」 オレ「だからタイちゃんも、実は最初から画面がよく見えてなかったらしくて(笑)」 マーク「いやぁ…ソレ最初に言うべきじゃない?」 オレ「普通だったらそうだけど、タイちゃんはあの性格だからね(笑) クールというか、なんというか」 トシ「よく見えないってことが俺達に気付かれないくらい、平然とやってたから」 オレ「タイちゃんが《場所変えるよ》って言って、初めてソレが判ったくらいだからな」 トシ「むしろ普通のヤツがそんなこと言ったら《負け惜しみ言うなよ》ってなるけど、タイちゃんだから違った」 オレ「そろそろ本気を出すぜ…とか言い出すジャンプの主人公みたいな、本当のオーラがあったからな(笑)」 マーク「そんで、結局どうなったの?」 オレ「そりゃ当然、そこからはタイちゃんが圧勝したよ。あっさり10連勝くらい」 トシ「実は『ドクマリ』も、相当慣れてたみたいだったね」 マーク「ビィさん乙…ってヤツか(笑)」
―― ◆ ――
オレ「そういやこの前、トシが『ヨッシーのクッキー』で対戦しようぜって言ってきたんだよ。オレに」 マーク「うん」 オレ「コイツ相当に自信あったみたいなんだけど、30回くらい対戦して素人のオレに負け越したのが、メチャクチャショックだったらしい(笑)」 トシ「いや正直、全盛期は『ヨッシーのクッキー』大会があったらいいトコまで行けるんじゃないかってくらいの自信はあったんだよ。マジで」 オレ「むしろソレがマズかったんだろ。全盛期の頃なら3連鎖4連鎖も簡単にできたんだろうが、カンを取り戻さないうちからそんなモン狙ってるから」 トシ「だから結局2連鎖もあんま狙わないで、ひたすらスピード重視で消しまくるナツキの戦法に分が悪かった」 オレ「頭を使わない状態での単純なコントローラー捌きなら、そうそう負ける気はないぜ(笑)」
――パズルはパズルで、別に面白さが全く解らないわけじゃないんだ。
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