第二十八話:アンタなんか神じゃない! 厨だ!!

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【今回の登場人物】

オレ:『FE』等のシミュレーションRPGで、登場して仲間になる全てのソードマスターをスタメンとして使っちゃうくらいの厨だ(笑)

トシ:『パワプロ』で、パワー255のパワーヒッター・広角というバッターを作り、それでホームラン打って喜んじゃうくらいの厨だ(笑)

マーク:『モンハン』で、「おれは上手いから死なないよ。だから秘薬なんて持ってかないぜ」とか言いつつたまに死んじゃうくらいの厨だ(笑)

  ――― ■■■ ―――



マーク「そういやおれさ、『アカギ』途中からしか買ってなかったんだよ。鷲巣麻雀に入ったあたりからしか」

オレ「ああ」

マーク「だけどこの前、やっぱり気になったから前半も買って、読んでみたんだけど」

オレ「ああ」

マーク「そんで思ったんだけど…。赤木って見方によっては厨じゃね?」

オレ「おい(笑)」

マーク「いや、あのシーンあるでしょ。4回鳴いて残り1牌になった後、《お前は絶対当たり牌を切る》とか言って帰っちゃうシーン」

オレ「ああ、うん。そんで結局、ホントに当たり牌出して終わるヤツな」

マーク「それはおれも赤木は好きだし、《赤木だから凄い》みたいな感性も解ってるんだよ。だけどさ…」

オレ「だけど?」

マーク「やっぱリアルに《お前は絶対当たり牌切るぜ…》とか言って部屋を出ていくヤツを目撃したら、うわ痛ぇだろうなぁ…って(笑)」

トシ「俺は読んだことないけど、赤木ってそんなキャラなのか」

マーク「なんつーか、厨って言うよりむしろ《電波》かな」

オレ「まぁ言いたいことは解る。ラクス・クラインみたいな感じだろ(笑)」

トシ「なるほど…。でもとりあえずマンガとかで厨キャラっていったら、やっぱ吾郎君でしょ」

オレ「いや、もう吾郎君は最初から殿堂入りだろ(笑)」

マーク「海原雄山みたいにか」

オレ「そう…S級のツンデレが海原雄山とベジータと烈海王で、S級の厨が吾郎君みたいな(笑)」

トシ「吾郎君はもうヤバイからね。試合中の俺理論が最高すぎるだろ!」

オレ「一番最高だったのはアレだな。海堂高校の一軍と戦ってるときのアレ。スクイズ理論」

トシ「もうアレこそ、厨理論大爆発だろ(笑)」

マーク「どのシーンのことだっけ、それ」

オレ「アレだよ。とりあえずこっちが守備んとき、相手がスクイズしようとしてさ…」

トシ「そしたら吾郎君が、《なにセコイ真似してんだよバ〜カ! そんな根性だから俺には勝てねぇんだよ!》とか言い出して」

オレ「でも次の攻撃で自分がランナー三塁の状況になったら、仲間にスクイズ指示してホームに突っ込んできちゃった(笑)」

トシ「そんで最後の決め台詞は、《自分がランナーのときはホームに帰りたいに決まってるじゃねぇか、バ〜〜カ!!》って」

マーク「いや…どんだけだよソレ!」

オレ「つーか、マークも読んだことあるだろソコは」

マーク「そりゃ読んだけどさ…でも改めて、どんだけだよ!」

トシ「やっぱ飛び抜けた能力を持ってたりすると、厨になる割合も高いのかなぁ…」

オレ「おいおいトシ、それなら夜神ライトは厨だって言いたいのかぁ?」

トシ「むしろライトは普通に厨でしょ」

オレ「いやまぁ……うん……でもホラ、ライトは頭良いから! 全国共通模試トップだから!!」

トシ「違うよナツキ。頭が良くても、厨は厨なんだって」

マーク「でも、頭いい厨ってのが一番タチ悪いよね」

オレ「貴様らやめろ! オレの中にある、カッコ良いライトのイメージを崩すんじゃねぇ!!」



  ―― ◆ ――



トシ「でも厨っていえば、リアルの厨はマジでヤバイ奴が多いね。リアルといっても、大体ネットだけどさ」

オレ「むしろ、例えばそいつが本当の中学生だとしても痛いのに、ソレがもしかしたら大人かもしれない…とか考えるともっと痛ぇ。ネットの場合」

トシ「そういえばこの前、凄いの見たよ俺。『モンハン』の攻略掲示板なんだけどさ。ボスごとの攻略法とか書き込むための」

マーク「うん」

トシ「そこにまず、《2人でやって、アカムトルムを30分で倒せました》みたいな話題が出たんだよ」

オレ「ん? 2人で30分?」

マーク「でも初心者とか武器が弱かったら、そのくらいかもね」

トシ「だけどソレに対して、《いや、アカムトルムなんて1人で行っても20分かからないでしょ》みたいに書いた人がいて」

オレ「そりゃまぁ、そうだよな」

トシ「そしたら今度は別の人から、また書き込みがあって。それに対する反論みたいな感じで」

オレ「反論って何が?」

トシ「いや、《2人でやっても30分なのに、1人で20分とか絶対に無理だと思います。嘘はやめてください》って」

オレ「なんだソレは(笑)」

トシ「しかもそこに対して更に、他の人が何人か《嘘はやめようよ》《嘘はやめようよ》みたいに便乗してた」

オレ「1人で20分…って言った人のが責められてるわけか(笑)」

マーク「いやでも、ネタだろそれ! 特に《嘘はやめようよ》は100%ネタだろ!!」

オレ「確かにそうかもしれないけど…そもそも小学生とか中学生が集まるような掲示板だろ?」

トシ「まぁ、見た感じはそんな雰囲気だった」

オレ「それなら、ネタじゃなくてマジって気がしなくもないんだが(笑)」

マーク「でも…マジだったら痛すぎだろ! 便乗ってのが特に痛ぇ!!」

オレ「ところで、厨とはちょっと違うかもしれないけどさ…。《自分ルール》が極端なヤツは痛いね」

トシ「どういうこと?」

オレ「なんつーか…そりゃ誰でも、自分なりのルールみたいなモンはあると思うんだよ。だから適度な範囲だったら、別にいいんだけど」

トシ「うん」

オレ「例えばメジャーな話だと……ニコニコってあるでしょ? マークが好きな(笑)」

マーク「ああ。あるね」

オレ「でもマークも自分で言ってたけど、アレでアニメとか観るのは不正なわけじゃん? 厳密には法律違反だし」

マーク「そうだな。おれも、それは自分で解ってるつもりだが」

オレ「そりゃオレ自身はニコニコ使わないけど…だからって、ニコニコ観るのは不正だからやめろ!! とか言う気は無いんだよ、別に」

トシ「これだけ流行ってるしね」

オレ「そう、必要悪…ってのは意味が違うか…。ともかく2ちゃんなんかもそうだけど、ニコニコだって問題あるけど仕方ないって面はあるわけで」

トシ「アニメの製作者なんかは、キレてるだろうけどね」

オレ「それは当然だけどな。でもとりあえず、そこは置いとくとしてさ…結局、ニコ厨ってのは大量にいるわけだろ」

トシ「うん」

オレ「でもさっきも言った通り、別にニコ厨そのものはいいんだ。だけどさ、そういう人がマナーとか語るのはどうかな…って思うんだよオレは」

マーク「どういうこと?」

オレ「例えば《今日電車の中でウルサイ学生がいたんだけど、電車の中でくらい静かにしろよ! ああいうのは死ねばいい!》とか言う人もいるけど」

トシ「うん」

オレ「それってつまり、自分に直接害があるから《うるさい、死ね》みたいに言ってるわけだろ? 簡単に文句を言えるというか」

マーク「確かに、その言い方だったらそうだな」

オレ「でもニコニコでアニメとか観まくってる人は、そういう点でマナー違反をとやかく言う資格はあるのかな…っていう話」

マーク「…まぁ、おれもニコニコに世話んなってるから答えるのも難しいけど…。でも言ってることは解るよ」

オレ「《ニコニコは自分だけじゃなくみんな使ってるから、法律違反でも問題ない行為》で、《電車でウルサイのは迷惑なんだよ》っていうのがさ…」

トシ「でもナツキの言ってることも解るけどさ、正直かなりのヤツがニコニコとか使ってるわけじゃん」

オレ「ああ、それはな」

トシ「だからニコニコ使ってるからってマナー違反を責められないことになると、それはそれで…とは思う」

オレ「ま、オレもそれは解るんだ。結局ニコニコじゃなくても、小さなマナー違反なんていくらでもあるからな。赤信号で渡るのだってそうだし」

マーク「それは、そうだな」

オレ「オレだって赤信号で渡るし、ソレは大して問題ないだろ…って思う気持ち自体が《自分ルール》だってのも解ってるんだけど」

マーク「ああ、うん」

オレ「だけど少なくとも言えるのは…電車で騒いでて迷惑するのは、自分も含めてせいぜいが同じ車内にいる数十人だけど……」

マーク「ニコニコでアニメ観たときに、迷惑を受けてる人はもっと全然多い……ってことね」

オレ「ああ。そんで数が多いだけじゃなく、迷惑の度数も比較にならねぇってことだ」

マーク「そうだなぁ…ただ自分でも感じるのは、やっぱその《迷惑》を実感できないことが、歯止めのかからない原因だと思う」

オレ「それは解る。そりゃ《電車でウルサイ》ってのも自分でストレス受けてるから文句言うんだしな。隣の車両の迷惑行為は知らんぷりとか」

トシ「結局そんなもんだと思うけどね。人間なんて」

オレ「いや、それを言ったらオシマイだろ(笑)」



  ―― ◆ ――



トシ「そういえば、厨キャラといえばさ…」

オレ「ん? 他に誰か思いついたか?」

トシ「いや…今はそこまで思ってないんだけど、昔は『テニス』の乾と柳がどっちも厨に見えた。《柳蓮二の勝率…100%だ!》とか言っちゃうあたりが」

オレ「なるほど。まぁ、なんとなく言いたいことは解るぞ(笑)」




――だけど結局、何が厨で何が厨じゃないか…。それを正しく判別することは、きっと不可能なんだろうな。

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