第三十話:ギネス記録という言葉の響きはマヌケっぽい
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【今回の登場人物】 オレ:好きなレースゲームは『エキサイトバイク64』や『エアライド』など。レースというジャンル全体としては、中堅どころの好きさだ。 カム:好きなレースゲームは『エキサイトバイク(FC)』や『クラッシュバンディクー』など。ジャンルとしての好き度は、オレと同じくそこそこ。 マーク:レース経験は、『マリカー』もあまりやったことはないくらいである。ただジャンルとしては、そこまで嫌いというわけでもないようだ。 タコッチ:好きなレースゲームは『F-ZERO X』。もともとそこまでのレースファンではなかったハズだが、このソフトには大ハマりした。 ――― ■■■ ―――
オレ「思えばオレ達、レースゲームも案外やってるよな」 カム「4人用のとかも、けっこうあるからじゃん?」 マーク「『マリカー64』みたいな?」 オレ「でも『マリカー64』はそこまで流行ってなかったわけだが(笑) だけどまぁ、つまりそういう系のヤツね」 マーク「でもさ、けっこう《やってるだけ》じゃね?」 オレ「どういうこと?」 マーク「メチャクチャハマったとかじゃなくて、とりあえず一定期間はプレイしてた…みたいな感じで」 オレ「ううん…そう言われると、確かにそうかもしんないな……」 カム「そもそもこれまでって、どんなレースゲームやってきたっけ。俺達」 オレ「とりあえずオレの場合、生まれて初めてやったレースはファミコンの『F1レース』だ」 マーク「いや、そこまで昔の話は聞いてないだろ!」 タコッチ「まずはスーファミの『マリカー』とか?」 カム「いや、その前にファミコンの『エキサイトバイク』でしょ」 マーク「でもアレってやっぱり《レースゲーム》に入るのか? ……入るんか、一応」 オレ「むしろ64のは完全なレースゲームだから、そのイメージでファミコンもレースだと思っちまうね」 マーク「まぁ結局ファミコンのも、見た目がちょっと変わってるだけで、レースはレースだもんな」 カム「むしろ俺達、64の『バイク』には相当ハマったよね」 オレ「思えば、オレ達が一番最近にハマったレースが64の『バイク』なんじゃね?」 マーク「そんな古いのか? 最近のは全然?」 オレ「古いっつっても、64だぜ? 十分新しい部類に入る気もする」 タコッチ「でもキューブの『F-ZERO』とかは全然ブームにならなかったよね」 オレ「ああ。アレはホントに《全然》だったな…。なぜかはよくわからんが」 カム「そういえば『クラッシュバンディクーレーシング』には、ちょっとハマってたね。俺達」 オレ「いやいやいや! アレは《オレ達》じゃなくて、カムが一人でハマってただけって記憶があるぞ(笑)」 カム「そうだっけ?」 オレ「あとは『チョロQ』とか…。ああでも、『チョロQ』も多人数プレイにゃハマってないか。それこそオレが、一人でやってただけだな」 マーク「でもアレの一人プレイって面白いの? おれはあんま知らないんだけど」 オレ「まぁ、少なくともオレが好きなタイプのゲームだね。強引に例えれば『AC』みたいな感じ。マシンカスタマイズはなかなか楽しい」 マーク「ふぅん…なるほど」 オレ「ああ…でも絶対的に『AC』と違うのは、色んな性能のパーツがあって、そこからひとつを選ぶんじゃない…ってトコロかな」 タコッチ「どういう意味?」 オレ「例えば『AC』の場合、コアパーツひとつを取っても色んな違いがあるだろ。防御力高いけど重い…とか、イクシードオービット搭載…とか」 マーク「スロット数は多いけど、APは弱いとか?」 オレ「そんな感じ。つまり使い易いのならあったとしても、結局《どれが最強のパーツ》ってのが決まってるわけじゃないだろ? アレは」 マーク「確かに、人とか機体によって全然違うからね。付けるパーツは」 オレ「でも『チョロQ』の場合はソレが決まってる。性能順が全てって感じで」 マーク「性能順?」 オレ「要するに、《エンジン+3》ってパーツは《エンジン+4》に全ての部分で劣ってるわけよ。もちろん《+5》が出てきたら、そっちのが全部強い」 マーク「むしろ『チョロQ』のパーツって、そんな『シレン』の武器みたいな名前なのかよ」 オレ「いや、そりゃきちんと名前付いてるのもあるけどさ。《最高のエンジン》とか《ウルトラステアリング》みたいな」 マーク「なんだよその厨ネーム!」 オレ「ともかくそんなだから、最強パーツの《アクマのタイヤ》とかを取ったら、もはや他の全パーツを捨てても全然OK…って感じ?」 マーク「…いやでも、ソレって本当に《カスタマイズ》って言うのかよ?」 オレ「いや、一応厳密にはカスタマイズだろ(笑) ただオレは、そういう単純パワーアップだけでも、それはそれで面白かったって感じだな」 マーク「要するに、RPGでレベルアップするみたいなモンってこと?」 オレ「まぁ、そうだな。もちろんそこだけで好きなわけじゃなくて、パーツ数が多かったりコースが凝ってたりするのも『チョロQ』の魅力だとは思うが」 カム「………」 オレ「あれカム、どうしたんだ?」 カム「いや、さっきから何か忘れてるような気がしてる。本当に俺達が最後にハマったレースって64の『バイク』だっけ?」 オレ「え? …ううん、他に何かあったっけ?」 マーク「64の後っていうと、プレステ2のとか? それともゲームキューブ?」 オレ「いや、プレステ2でレースっていうと全然覚えがねぇぞ。だったらキューブか? そうだな……」 タコッチ「『ダブルダッシュ』じゃん?」 オレ「いや、アレにはそこまでハマってねぇ(笑)」 カム「ええっと……ああ、思い出した! 『エアライド』だよ!!」 オレ「ああ、なるほどアレか!!」 マーク「ナツキとかカムちゃんって、そんなに『エアライド』ハマってたんだっけ?」 オレ「そういえば、マークはあの頃来てなかったな。とにかくオレとカムとトシとプッチの4人は、もうメチャクチャハマってた」 カム「あの頃は、朝から晩までやってたよね。連続5時間くらい」 オレ「ああ、マジでそれくらいはやってた。しかもソレを、毎日毎日飽きもせずに(笑)」 マーク「いやお前ら、それならなんで忘れてんだよ。そんだけハマったソフトのことを!」 オレ「いや…ソレはなんつーか…。オレ達にとって『エアライド』は、レースゲームじゃなかったから……かな?」 マーク「は?」 カム「だって俺達、《バトルシティ》しかやってないからね」 マーク「バトルシティって?」 オレ「正式名称は《シティトライアル》ね(笑) ホラ、マークも見たことはあるだろ? 街ん中を走り回って、アイテム集めてパワーアップしてくヤツ」 カム「アレにはマジでハマったな。そんで俺は《バトルシティ》って呼んでたんだよ、アレを」 マーク「なんで?」 カム「いや…だってレースとかじゃなくて、ただの殺し合いだからね。《シティトライアル》は(笑)」
―― ◆ ――
マーク「でもレースって言ったら、やっぱ『F-ZERO』だろ。タコッチの」 オレ「ああ、64の『X』ね。…でもアレは、なんつーか別格みたいなモンだろ(笑)」 タコッチ「やっぱり? やっぱり俺って凄いよね?」 オレ「でもテメェは、少しは謙遜を覚えろ!」 マーク「いや、むしろおれ達同士の会話とかでも簡単に使うし…。ナツキのホームページなんかでも、タコッチのこと紹介するときに軽く使うだろ?」 オレ「軽く使う……って何のことだ? どういう意味?」 マーク「つまりホームページで使うタコッチの説明文とかは、《コイツは『F-ZERO』で、ギネスのタイム超えた男だ》とかそんな感じでしょ」 タコッチ「あ、そうなの?」 オレ「ああ。やっぱり一番インパクトある話はソレだろうし…とりあえず、ギネスっていうネームバリューは大きいだろ(笑)」 マーク「いや…それはそうなんだけど、おれ的にはなんというか、《もっと凄い話》だと思うんだよ」 オレ「ん…? つまり、どういうことだ?」 マーク「要するにさ…おれ達は実物のタコッチを知ってるし、実際の記録も見てるじゃん。つまりギネスを超えた走りとかも」 オレ「ああ、それはそうだが」 マーク「だけど正直さ、おれ達がそういう体験をしてること自体がかなりレアだろ」 カム「そういう体験って?」 マーク「だから、世界記録の走りと一緒に4人プレイできるってことが。つーか、その走りをナマで見れることが」 オレ「ああ、なるほど。まぁ確かに、実際問題として…ギネスを超えてるヤツなんて、もしかしたら日本に500人くらいしかいないのかもしれんしな」 カム「え、そんなにいる? だってギネスっていったら世界記録じゃん」 オレ「そりゃ、確かに公式にはそうだけどさ。もし世界記録超えたとしても、まずギネスの会社にそういう申請をするヤツ自体が珍しいだろうし…」 タコッチ「それに俺も、絶対に更新できるわけじゃないしね。というか何十回もリセットして、そんでできたわけだし」 オレ「ああ、それもあるな。詳しくは知らねぇけど、ギネスって専門の観測員とかが来て、その人の前で一発成功とかさせなきゃいけないんでしょ?」 マーク「ああ…確かにそれだと、《ギネスを超えた記録を出したことがある》ってだけなら、そこそこいるのかもな」 オレ「つーか実物がこんな身近にいるせいで、そこまで超レアだとは思えねぇよ(笑)」 タコッチ「いや、でも相当苦労したんだよアレ!」 マーク「それは解るって」 カム「むしろギネスが簡単に抜けてどうすんだよ」 タコッチ「まぁ、それはね。ギネスを超えたっていうのも、結局いくつかのコースだけだし」 オレ「いや、全部抜いてたらソレこそ凄すぎだろ(笑)」 タコッチ「ただスタッフゴーストくらいなら、余裕で全コース抜いたけどね。むしろアレ遅すぎだし」 オレ「だからテメェは、ちょっとくらい謙遜しろっての!!」
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オレ「そもそもお前さ…タイムアタックにハマる前は、グランプリにハマってなかったか?」 タコッチ「ああ、やってたね。全パターンで優勝するまで続けたよ」 マーク「全パターンって、どういう意味?」 タコッチ「つまり全部のグランプリを、全部の難易度で、全部のマシンで優勝したってこと」 オレ「ってことは、5×4×30とかそれくらいか? ソレだと20×30で、600回…?」 タコッチ「まぁ、きっとそれくらいだね」 マーク「…ギネス超えるようなヤツってのは、みんなこれくらいはやってるってことなのか?」 オレ「結局タコッチのせいで、『F-ZERO X』もオレ達全員の中じゃそこまで流行らなかったからな…」 タコッチ「え、なんでおれのせいなの?」 オレ「当たり前だろうが! 誰が好き好んで、金メダリストに100m走挑もうとするかよ!!」
――『F-ZERO』自体はオレもけっこう好きなんだが、ほぼ確実に1位が取れないとなると、やはり萎えもするモンだ(笑)
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