【今回の登場人物】
オレ:カムから借りたDVDで、初めて『ギアス』を視聴した。その結果として、今じゃ凄まじい勢いで『ギアス』ファンの道を進み始めている。
カム:『ギアス』のDVDを全て集め、それをオレにも貸してくれた。当然ながら、『ギアス』のファンである。
マーク:『ギアス』は観たが、ファンではない。オレ達の中でも『ギアス』を知らないヤツはいるが、「知ってるのに好きじゃない」のはマークくらいだ。
――― ■■■ ―――
カム「今月発売の『ギアス』はどうだった? あのDVDは」
オレ「ああ、今回もかなり面白かったぜ! 相当にストーリー動いたからな、今度の話で」
カム「だよな。やっぱ面白いよ、あのアニメは」
オレ「オレもそう思う。オレは『SEED』のファンだけど、アレ以来の大ブームアニメになったよ、『ギアス』は」
マーク「でもおれは、あんま面白いと思えなかったな…」
カム「は? なんでだよ」
オレ「なるほど…つまらなかったのか?」
マーク「いや…おれも全部は観てないから、それで嫌いとかは言いたくないけど、でも楽しめなかった」
カム「どこが」
マーク「なんか、狙った描写が多いというか…キャラとかさ」
オレ「狙うって何を?」
マーク「簡単に言えば、女の子向けの描写が多いように感じた」
カム「腐女子向け…って意味か」
マーク「まぁ、つまりはそういうこと」
オレ「具体的にどこがよ? というか、ソレは最近の流行りみたいなモンで仕方ないだろ。別に気にするほどじゃないと思うが」
カム「『SEED』とかもそうだし」
マーク「でもおれは『SEED』も好きじゃないし。まぁソレだけが理由じゃないけど」
カム「じゃあ具体的に、どこがそういう狙った描写なんだよ」
マーク「たとえば、あのキャラいるじゃん。眼鏡かけてる博士っていうか、スザクの……」
オレ「ロイドさんか?」
マーク「ああ、うん。そのロイドって、いつもスザクのことを《スザクくん》って呼んでるだろ?」
オレ「まぁ、そうだな」
マーク「だけどテロリストがビルを占拠した話で、スザクが無理して突っ込むシーンあったじゃん」
オレ「よせ! 枢木中尉!! …って叫ぶトコか?」
マーク「ソレだよ。なんであそこで《スザクくん》じゃなくて《枢木中尉》なんだ?」
オレ「なんでって…そりゃ、あの場面ではそれだけ真面目になったってことだろ。職業軍人として」
マーク「でも、《スザクくん》の方が言い易いハズなのに、時間が惜しい場面でわざわざ《枢木中尉》ってのが怪しいね。メガネフラグだね」
オレ「お前…そりゃ、考え方が穿ちすぎだろう! その程度、どこのアニメでもあるだろうが」
マーク「あとは設定というか…話が」
オレ「お前は、設定にも文句あんのかよ」
マーク「ルルーシュが黒の騎士団作ってすぐの頃だったと思うんだけど…《これが、組織の力か…!》とかいう台詞あったじゃん」
オレ「…まぁ、あったような、なかったような」
マーク「それを聞いて、知能指数高い人の言うことなのか! 社会出ろよ社会!! …って思った」
オレ「いやお前さ、そういう細かい台詞にいちいちツッコんでどうすんだよ。正直そんなの、ツッコもうと思えば何に対してでもできるだろ」
カム「こだわりすぎなんだよ」
マーク「それは、そうかもしれないけど」
オレ「これは、オレが『ギアス』を好きだからだと思うが…そういうこじつけっぽい理由で嫌いと言われるのは、あまり気分良くないぞ」
マーク「まぁ、解るけど。でもやっぱり、どうにもなぁ……」
オレ「そりゃ、嫌いは嫌いでいいけどさ、別に」
カム「………」
―― ◆ ――
翌日。
カム「ナツキ、入るぞ〜。……あれ、マークは?」
オレ「ん? 今日はまだ来てないよ」
カム「ふぅん…。まぁどっちでもいいんだけど、マークって『プラネテス』好きとか言ってなかった?」
オレ「ああ…オレは観たことないんだけど、そうらしいな。というか大ファンだろアイツは。現時点で一番好きなアニメとか言ってるくらいだし」
カム「俺も『プラネテス』は観たことないんだけど、でもアレの監督って『ギアス』と同じ人なんだよね」
オレ「え? そうだったの?」
カム「だからアイツ、それ知ってんのかなって」
オレ「まぁ多分、知らないことはないと思うけど…。一番好きなアニメの監督なら、名前も覚えてるだろうし」
カム「でもそれなら、おかしくね? 『ギアス』嫌いってのは」
オレ「そうだな…というかむしろ、だからこそ嫌いなのかもしれないけど」
カム「どういう意味?」
オレ「つまり好きなアニメの監督だったら、きっと好きな監督ってことになるでしょ? マークにとっても」
カム「まぁ、うん」
オレ「だから余計に期待するというか、一番好きな『プラネテス』と比較しちゃうんじゃないの? あの監督なのに!! みたいな」
カム「そういうもんかな…」
オレ「いや、オレも想像しただけだから判んないけど…。たとえば和月さんっているじゃん。漫画家の」
カム「ああ、『るろ剣』の人ね」
オレ「そう。でもあの人は『るろ剣』でメチャクチャ人気出たけど、『武装錬金』はあんま人気ないっていうでしょ」
カム「まぁ『武装錬金』は打ち切りになったくらいだから」
オレ「あ、そうなのか。いや、オレは実際に『武装錬金』読んでないから知らないんだけどさ。ともかく、そういうモンじゃない? やっぱり」
カム「監督とかは、あんま関係ないって?」
オレ「むしろそういう意味じゃ、オレもその立場だしさ。監督もそうだけど、マンガの面白さを判断するときに作家はほとんど気にしないし」
カム「ふぅん…まぁ、そういうモンかな……。そういえばナツキって、今でもルルーシュが一番好きなの?」
オレ「え? ああ、もちろん! 『ギアス』じゃホントにルルーシュだけだね。あとはせいぜいディートハルトくらいかな。ヴァン先生」
カム「中田さんね(笑) まぁ俺も、ルルーシュはかなり好きなんだけど。あとはシャーリーとか」
オレ「なるほど。オレは女性キャラだったら………ううん………ええと………」
カム「そんなに迷うの?」
オレ「迷うっていうか、見付からない方で迷う(笑) シャーリー、会長、シーツー、ナナリー、カレン、コーネリア、ユフィ、ヴィレッタ……」
カム「それだけ挙げても見付からないのかよ」
オレ「あとは……ああ、眼鏡の子もいたな」
カム「ニーナね。俺は好きじゃないけど」
オレ「オレも苦手だ(笑) でも、そうだな……ああ、あの人は好きかな。多分、女性キャラの中じゃ一番」
カム「誰?」
オレ「セシルさん」
カム「なるほど」
オレ「男はルルーシュで、女はセシルさんってトコかな、オレは」
カム「俺はシャーリーとルルーシュと、あとはやっぱりマオが好きだね」
オレ「ああ、解るわソレ! っていうかマオが出てくる回を観た瞬間から、絶対コイツはカムが好きになるタイプだと思った(笑)」
カム「やっぱバレてた?」
オレ「うん。なんというか、カムが好きになるタイプのイカレキャラって感じだったよ」
カム「まぁ『SEED』ではクロトが好きだしね。俺」
オレ「『スタオー』じゃアルベルでしょ。というかカムは、『鉄拳』のキャラネームに使ってたくらいだよね」
カム「うん。昔はずっと《歪のアルベル》だった(笑)」
オレ「そういう流れで、『ギアス』じゃマオかなぁ…って。でもオレが意外だったのは、『エルカザド』のL・Aにカムが無反応だったことだよ」
カム「まぁ俺はDVDだから、まだ最後までは観てないけどさ…」
オレ「うん」
カム「でも今のところアイツって、なんかイカレキャラといっても方向が違うじゃん。《私の可愛いマリアンヌ…》と同じ匂いを感じる」
オレ「フリアグネか。まぁ確かに(笑)」
カム「俺が求めてるのは、もっと純粋なイカレキャラなんだよ!!」
オレ「ううむ…なかなか難しいモンだなぁ」
カム「そういや『DESTINY』も終わったし、次の『スパロボ』には『ギアス』も出るのかな」
オレ「次かは判らんけど、ここまで人気になったんだし…少なくともいつかは出るだろうな」
カム「ストーリー作るの大変そうだけどね」
オレ「まぁね。とりあえず、ラクスのエターナル隊は黒の騎士団に加盟して、最強の国家反逆テロ集団ができあがるんだろう」
カム「そんで、シンのミネルバとスザク達が合流するの?」
オレ「そうなるね。で、最初の主人公部隊もそっち側なんでしょ。きっと」
カム「でも最終的には、きっと全員仲間になってハッピーエンドなんだろ」
オレ「そりゃ、そうしないとファンも怒るだろうし(笑) …ああ、でもギアス能力が『スパロボ』的に使えたらちょっと面白いよな…」
カム「どういう意味?」
オレ「いや、ルルーシュにだけ《ギアス》って能力があって、敵パイロットを仲間にして何ターンか操れるわけよ(笑)」
カム「ああ、なるほど(笑) でもギアスって、コクピットの中には届かないよね」
オレ「まぁね。むしろそんな能力があったらあったで、無茶苦茶できそうだし」
カム「バランス崩壊するかもしれないしね」
オレ「いやそれ以前に、ラスボスに対して《ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアの名の下に命じる! お前は自爆しろ!!》でゲームクリアさ」
カム「いや、それじゃただのクソゲーだろ!!」
―― ◆ ――
また後日。
オレ「そういやマーク。『プラネテス』と『ギアス』って、同じ監督なのか?」
マーク「ああ、そうだよ」
オレ「ふぅん……」
マーク「ソレが、どうかしたの?」
オレ「いや別に、なんでもないさ」
――身近にある作品のファンがいて、また嫌いなヤツもいて…という状態にあると、色々な考えに触れられて面白いモンだ。
Back Next Top Home