第三十六話:『11』のローボールヒッターは無敵すぎ
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【今回の登場人物】 オレ:『'99』から『パワプロ』に入ってきた新参者。ともあれこのシリーズのおかげで、野球というスポーツ自体にもそれなりに詳しくなれた。 トシ:『パワプロ』は『8』(のサクセス)の大ファン。チーム作成時は投手に比重を置くタイプで、典型的な投手王国を設立する。 フクタ:オレ達の中では、最も遅くに『パワプロ』に触れたため、技量はまだまだ。チーム作成時は、野手と投手のバランスにこだわっているようだ。 マーク:けっこうな『パワプロ』ファンだが、最近のシリーズは買っていない(PSP版は買った)。実用性より個性重視のチーム作成が好み。 ――― ■■■ ―――
オレ「そもそもオレ達の場合は、6人でリアルペナントやってたわけじゃん。『パワプロ』で」 フクタ「ああ」 オレ「だけどアレはまぁ…特別みたいなモンだろ? そもそも『パワプロ』ファンが6人いないとできないんだし」 トシ「いや、人数だけの問題じゃないと思うけど」 オレ「どっちにしても、オレ達がやってた《パワプロの楽しみ方》は、そうそうメジャーなモンじゃなかったってのは事実じゃん」 マーク「まぁ、おれ達以外に《リアルペナントをやった》ってグループをあんま聞かないのは確かだね。どこかにはいるだろうけど」 オレ「だから、ちょっと気になったのは《普通の楽しみ方》っていうか…他のグループは、どんな風に楽しんでるのかなって」 トシ「そもそも《グループ》ってのがそこまで多くないんじゃないの? せいぜい2人とか3人組じゃない?」 オレ「いや、そうでもないだろ。だって特定のグループがなけりゃ、なんで『スマブラ』とかが流行るんだよ?」 トシ「それは、日曜とかに連絡して集まって…とか」 オレ「連絡ねぇ…」 トシ「でも連絡して集まるのが普通だろ。俺達が特殊なだけで」 オレ「いや、それはオレも解るよ。だけどグループってのは、やっぱり基本形態って気がするなぁ…」 フクタ「それは小学生とか中学生のときだろ」 マーク「かもね。むしろこのグループは昔からずっとだから、そういうイメージが付いちゃったんだろ」 オレ「まぁ…言われてみれば、メンツもほとんど変わってないしな…」 フクタ「全然変わってないの間違いだろ」 オレ「いや、でも何人か少なくはなったぞ(笑) 引っ越したヤツもいるし」 マーク「あとナツキがそう感じるのは、おれ達の集まる場所が基本的にナツキの家だからだろ。きっと」 オレ「確かに、そういう面はあるかもしれねぇな。こんな風に集まって遊ぶ生活を15年くらい続けてりゃ、変なイメージも付くか(笑)」 トシ「それで結局、何の話だっけ?」 オレ「ん? …ああ、そうだ。つまりオレ達はリアルペナントってのが《基本》だけど、他グループというか、他の人の楽しみ方が気になるなって」 トシ「そんなの、普通にサクセスと試合だろ」 オレ「普通にって、何が普通なんだよ」 トシ「だから普通にサクセスで選手作って…1チーム分くらい作ったら、それを持ち寄って友達とかと対戦するんだろ」 マーク「あとはリーグとか、マイライフでしょ」 トシ「でもマイライフってそんなに需要あるの?」 オレ「それはわからんけど、最近のシリーズにもずっと搭載されてるってことは、それなりにファンもいるってことだろ。オレもけっこう好きだし」 マーク「あと一人でペナントってのは、けっこうメジャーな遊び方だと思う」 トシ「それはそうかもね。例えばハトなんかはもともとがプロ野球ファンだから、ペナントはけっこうやってたし」 オレ「つまりソレは、サクセス選手じゃなく…ってことか」 トシ「ああ。普通に自分の好きな球団使って、トレードとかも楽しみながら…って感じで。ソレをアイツはずっとやってた」 オレ「なるほどな。確かに1人だったら、みんなでやるより手間は6分の1か」 マーク「いや、時間的には3分の1でしょ。1試合に人間が2人参加するんだから」 フクタ「まぁ他の色々な手間を考えたら、6分の1どころじゃないけどね」 マーク「そういう意味で言ったら、そうだろうけど」 オレ「あとオレが一番気になったのは、サクセス選手にどれくらいの《規制》をかけてるのか…ってことね」 マーク「規制って?」 オレ「例えばオレ達はオレ達で、リアルペナントのときは逆に極端じゃん。各選手の利き腕とかにさえポイント制限があったし」 トシ「まず選手能力にポイント制限があって、チーム全体の制限もあって、更にパワー平均とか走力平均とか、特殊能力の制限もあったからね」 オレ「《チーム作成要綱》だけでも、A4の紙で20枚分くらいあったしな(笑)」 トシ「でもアレは、バランスを取る上で仕方なかったでしょ。全部で140試合もやるんだから、チームごとの強さが違いすぎちゃ駄目駄目だし」 オレ「いや、その理由もあるけどさ。結局チーム作成が《全く制限ナシ》とかだったら、もはやホントの意味でクソゲーのできあがりだろ」 トシ「ああ、それはね。むしろ全チームの1番から8番までが全員オールAとかになって、個性のカケラもなくなるよ」 オレ「ピッチャーは全員AAの160キロで、変化球も野球マスク状態とかな(笑)」 マーク「さすがに、そこまでは簡単に作れなくね?」 オレ「そりゃ最近の『パワプロ』だったらな。だけど64版のとかは、これくらい簡単に作れたりもするし」 トシ「野手だったら、『'99』なんかメチャクチャだしね」 フクタ「アレは対戦の腕とかじゃなくて、ただサクセスに時間かけたヤツが勝ちになる別のゲームだろ」 オレ「だよな(笑)」 マーク「『'99』ってそんなに酷いんだっけ?」 トシ「慣れてくると、基礎能力がパワーも含めて全部マックスで、オマケに特殊能力もほとんど取得した選手が量産できる」 オレ「例えば6人でペナントやるにしても、6チーム全部のスタメンがそんなヤツらで固められてたら、下らないにも程があるだろ」 マーク「それはね」 オレ「だからオレ達の場合、選手の能力を意図的に制限してるわけでしょ。チームで一番強い選手でも、《BABAB》が一人だけ…とか」 トシ「俺なんてパワー250のせいで選手ポイント大幅に取られたから、キャプテンなのに《BAGBA》だぞ」 マーク「それならおれは投手がキャプテンだから、野手は《CACCB》の《タンノくん》くらいが最高だし」 フクタ「おれだってキャプテンは投手の《スタープラチナ》だから、野手の最強は《AAEEF》の《宮田司郎》だぞ」 オレ「いやお前ら、弱い野手自慢はどうでもいいから! そんなこと言うならオレの一番バッターは《兎丸くん》だし! 《EFAEC》だし!!」 トシ「お前も自慢する気満々だろ! しかも絶対、原作重視の兎丸くん一番は間違ってるから! 控えで作ってた《獅子川》の方が100パー強いから!」 オレ「まぁ《獅子川》は一応《GBBBG》にしたが…。でも兎丸くんを一番に起用し続けたのはオレの誇りだ!」 トシ「いや、そんな誇りはいらねぇよ!」
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オレ「でも最近のサクセスは、野手の初期能力が《G》から始まるからまだ楽だろ? 弱い選手作るのも」 マーク「まぁね」 オレ「だけど昔のヤツは、初期が《E》とか《F》だから極端な選手作るのに苦労したよな」 フクタ「弱いヤツを作るのに、なんで苦労しなきゃいけないのか意味不明だけど」 オレ「とりあえずソレの一番極端な事例が、トシの《マジンカイザ》だろ(笑)」 トシ「ああ…アレはヤバかったね。思い出すのもイヤになるくらい」 マーク「ソレって昔の話だろ? トシが何かやったのか?」 オレ「ああ…そういやあの頃のペナントには、マークは参加してなかったっけ」 マーク「うん。おれが参加したのは『9』からだと思う」 オレ「とりあえず、《魔神皇帝》は知ってるでしょ? 今の、トシのチームの4番バッター」 マーク「それは知ってるよ。さっき言ってた《BAGBA》ってのが、ソレでしょ?」 トシ「そう。そもそもアイツは、マークがいなかった『'99』のペナントの頃にも使ってた選手なんだよ。同じ名前と同じ能力で」 マーク「ん? でも『'99』の頃は《魔神皇帝》っていう漢字4文字は無理じゃね? 名前の限界が3文字じゃん」 オレ「だからあの頃は、漢字じゃなくて半角カタカナの《マジンカイザ》だったんだよ。結局は、文字数の関係で《伸ばし棒》は入らなかったけど(笑)」 トシ「ともかくあのときも、俺は《BAGBA》を狙いたかったからさ」 オレ「だけどさっきも言った通り、『'99』の頃はどんなに低くても初期値が《F》だから、走力Gなんて普通じゃ作れないんだよね」 トシ「しかも今みたいに、セーブしないでリセットしたら能力が下がってデータ復活…なんて便利な機能も付いてなかったし」 オレ「ただその代わりに、2枚のメモカーにデータをコピーしといて、失敗したら逆のカードからロードして再開っていうテクは使えたからさ」 マーク「ん…? でもソレって、強い選手作るための技じゃね? いくらコピーしても、どうやって能力下げるんだよ」 オレ「いや、そんなの簡単だろマーク。ちょっと発想の転換をすれば解るっしょ?」 トシ「つまり体力低いとき、わざと強引に練習させるんだよ。そんでアキレス腱断裂したらセーブ。怪我しなかったり、普通の捻挫とかはリセット」 マーク「いや、なんだよソレ!」 トシ「別に交通事故とか、ダイジョーブ失敗とかでもいいんだけどね。だけど走力ダウンを狙うときには、アキレス腱断裂が一番効率良い」 マーク「いや〜…効率とかそういう問題じゃないだろ…」 フクタ「そんでトシは結局、3回くらいアキレス腱断裂させたからね。メチャクチャリセットしまくって」 トシ「100回以上はリセットしたね、アレは」 マーク「でも強い選手作るためなら解るけど、走力Gのために100回リセットってどんだけだよ!」 トシ「いや、走力Gってだけだったらまだ簡単なんだよ。だけど俺は走力Gで、なおかつパワー255の選手が作りたかったから」 オレ「そういえば、《マジンカイザ》はパワーマックスだったな。昔から」 トシ「アキレス腱3回切って走力下げるまではいいけど、そうすると他の能力も下がるし、それに時間も無駄にするわけじゃん」 マーク「それは、そうだな…」 トシ「だから走力Gまで下げたら、ペースダウンを取り戻すために、今度は負傷率80パーくらいでも無理してウェイトトレーニングしなきゃなんなくて」 オレ「そのためにも、いちいちセーブとロードを繰り返したわけか(笑)」 トシ「そう。80%で怪我したらリセットで、大丈夫なら続行。そうやって1週ごとにセーブするのを、ずっと繰り返してたね」 マーク「絶対バカだろ!」 オレ「まぁコレが有名な、トシの《アキレス腱事件》ってヤツだ(笑)」
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トシ「関係ないけどさ…『'99』の頃はベストナインとかゴールデングラブのシステムが意味不明でムカついたね」 オレ「ああ…アレはマジで酷かったな…」 マーク「なんかあったのか?」 オレ「いや、ペナント140試合が終わった後には《ベストナイン》なんかの発表があるじゃん」 マーク「それは知ってるけど」 オレ「とりあえず優勝とかは決まった後だけど、全部が終わった後にああいう記録を見るのも色々楽しいわけでしょ?」 マーク「まぁ、順位は低くても首位打者とかホームラン王争いはできるしな」 オレ「だからやっぱり、あの頃のオレ達にとっても、《ベストナイン》とかを見るのは楽しみだったわけよ。特にキャッチャーのベストナインが」 マーク「なんでキャッチャーなの?」 トシ「偶然なんだけど、当時作ったチームはみんながキャッチャーに力を入れてたからさ。だから、そこが一番の注目点だった」 マーク「なるほど」 オレ「だけどそのとき、ハトのチームの外野に《孫悟空》って選手がいてさ。そのときは、そいつが三冠王取ったんだけど」 トシ「でも、そいつは140試合全部を外野で出場してたわけ。もちろん三冠王だから、《孫悟空》がベストナインに選ばれるのは解るんだけど…」 オレ「だけどなぜか、その《孫悟空》がキャッチャーのベストナインに選ばれやがった」 マーク「え、なんで?」 トシ「なんかハトの気まぐれで、《孫悟空》にはキャッチャーのサブポジが付いてたんだよね。だけど試合では、1回も使わなかったんだけど」 オレ「一度もマスク被らなかったクセに、キャッチャーのベストナインだぜ!?」 トシ「コンピューターの判断には、ポジション別の出場試合数とかそういう数字は入ってなかったらしくて。で、その結果がソレだよ」 マーク「いや、アホだろソレは(笑)」 トシ「当時は笑いごとじゃなかったけどね。せっかく楽しみにしてたのに、最悪だろアレは!」
――そもそも最近の『パワプロ』は、その点が直っているのか…。オレ達もサブポジ選手をあまり作らなくなったから、真相は判らないままだ(笑)
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