第四十話:このゲーム……理屈じゃない!

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【今回の登場人物】

オレ:『テニプリSH』シリーズの本キャラは宍戸で、プレイスタイルはディフェンス特化。カムとのダブルスは勝率9割を超えた。

カム:ゲームの本キャラは乾や柳生で、プレイスタイルはオフェンス特化。メンバー内で、カムのネットプレイに勝てるヤツはいない。

トシ:ゲームの本キャラはタッチー(橘)や石田。反射神経が鈍いため、ドロップを反応して取れないという致命的な欠点を持つ。

フクタ:ゲームの本キャラはバカ澤や室町、福士。ドロップやロブでセコセコ攻めていく戦法が得意。よくボールにぶつかる。

  ――― ■■■ ―――



オレ「そもそもオレ達って、相当プレイしてるじゃん。『スマッシュヒット』シリーズを」

カム「まぁ『1』が発売したときからハマり始めて、今でもけっこうプレイしてるもんな。『最強チーム』は」

フクタ「3作合わせたら1000時間はやってるだろ、絶対」

オレ「いや日記で調べたら、3作合わせりゃ2000時間らしい。ただそのうち、『3』だけで1000時間は超えてるが(笑)」

トシ「そもそも『最強チーム』って、一応『3』ではないんだよね? 名前的には」

カム「1,2作目は『スマッシュヒット』『スマッシュヒット2』だけど、次は『最強チームを結成せよ』だからな」

オレ「まぁそういう意味じゃ、《3》っていう数字は確かに入ってないが」

フクタ「でもアレはどう考えたって続編だろ。そもそも、見た目とかはほとんど変わってないし」

オレ「作った会社も同じだしな。要は《実質上の続編》ってことでしょ。あと今回は《チーム戦》を売りにしてるから、名前もそうなんだろうと思われる」

トシ「結局、俺達はチーム戦とか全然やってないけどね」

オレ「そりゃな。結局は『1』『2』と同じで、ひたすらダブルスやり続けただけだもん。オレ達は」

カム「そういう意味だったら、やっぱり俺達にとっては《ただの続編》だよね。面白いからいいんだけど」

フクタ「1000試合は確実にやってるよな。『3』だけで」

オレ「いや、何言ってるんだフクタ。さっき言っただろ、『3』だけで1000時間プレイしたって」

トシ「ああ。1試合に1時間かかるわけないもんね」

オレ「1000時間のうち、育成モードとかボーリングとかやった時間も100時間はあるだろうから、対戦に費やしたのは900だとして…」

トシ「1試合平均ってどれくらいだ? 10分くらい?」

カム「10分は早すぎだろ。6-6でデュースになったりしたら、30分くらいはかかってるんじゃ?」

フクタ「デュースになること自体があんまりないけどね」

オレ「まぁ、それじゃ平均20分として……1時間に3回だから……900時間で2700回か? 暫定対戦回数は」

カム「それくらいかもね。そもそもコンピューター相手のダブルスだって、300回くらいはやってるハズでしょ?」

オレ「ああ、それこそ記録に残ってるからな。主要なダブルスペアに対して《道場破り企画》なんかもやったし(笑)」

トシ「でもナツキは『スマデラ』とかだとコンピューター戦を嫌がるクセに、『テニス』は良いんだな。俺はやっぱり嫌だったよ」

オレ「『テニプリ』の場合は、一応人間とのダブルスを組んでコンピューターと戦うわけだからな。『スマデラ』でも、ダブルスならまだ疲れないし」

カム「結局《道場破り》をやってたのは、90パーセントくらいが俺とナツキのペアだったけどね」

オレ「でもさ…あのゲームって、もともとのキャラバランスは絶対に崩壊してるよな」

フクタ「真田とかヤバイほど強いからね。原作通りだけど」

オレ「まぁ基本はキャラゲーなんだから、そこはまだ良いんだよ。福士が100回挑んでも、真田は絶対倒せない…っていうバランスは」

カム「そこは、自分達で能力調整すればどうにでもなるしね。真田とかは無理だけど」

フクタ「アビリティ《威光》はヤバすぎだろ。誰も勝てねぇじゃん!!」

オレ「というかソコが一番痛いよな。ステータスは調整できるし、卑怯技は取り外し可能だけど、卑怯アビリティだけは付け替え不可ってのが(笑)」

トシ「おかげで、どんなに能力調整を頑張っても、実戦投入不可能なヤツが大量に出てきたからね」

オレ「やっぱ一番辛いのは《視野》か。持ってるヤツが多いのに、クソ能力って意味では」

カム「乾の《解析》はデータ捨てれば無くなるけど、《視野》は永遠だからな」

トシ「あのゲームでスマッシュコースが判るとか、メチャクチャ有利すぎるからね。相手のフットワークによっては決めるコースが皆無になるじゃん」

オレ「《視野》のおかげで、地味ーズの東方まで禁止キャラ指定だからな(笑)」

フクタ「でも東方なんて誰も使わないからいいだろ。それより、アレのせいでハゲまで使えないじゃん。使いたいのに」

カム「ジャッカルもだけど、観月も使えないのが最悪だよ。俺好きなのに。しかも声は石田さんなのに」

オレ「オレはサエさんが使えないのが痛かった」

トシ「サエさんは《視野》以外にも卑怯アビリティ付いてるのがマズイだろ。《けん制》とか」

フクタ「あとべ〜のインサイトもヤバイね。一瞬でスタミナ削られてなくなるし」

オレ「仁王の《謀略》なんかも、最初は卑怯扱いだったからな。今はもう、それくらい許すかってことになってるけど」

トシ「禁止しすぎたらしすぎたで、使うキャラがいなくなっちゃうからね」

カム「とりあえず真田の《威光》とサエさんの《けん制》、あとは《視野》と《後衛》くらいかな。本当に酷いのは」

オレ「だね。《インサイト》とか《謀略》はまだ許せるし…まぁ《謀略》は、相手によっては禁止技だけど。乾とか」

フクタ「《謀略》があるとデータ捨てられなくなるからな」



  ―― ◆ ――



オレ「ただアビリティと違って禁止指定にしたり、付け替えられるからまだいいけど…。でもあのゲームは、技にもヤバイの多いよな」

トシ「そのせいで、原作じゃ全然地味なヤツが超強かったりするからね」

フクタ「一番ヤバイのは大石だろ」

トシ「アイツは最悪すぎるよ。普通に使ったら、超卑怯キャラじゃん!」

オレ「立海メンバーなんかよりも、場合によっては全然強いからね(笑)」

フクタ「ムーンボレーとショートクロスが、どっちもメチャクチャ強いからな。おかしいだろアレ! どんな大石だよ!」

オレ「原作じゃサポート役だったハズなのに、ゲームのアイツは凄まじい得点王だから(笑)」

トシ「しかも一発二発だったら許せるのに、アビリティのおかげでいつでも乱射できるのがタチ悪すぎだろ」

カム「あとは宍戸でしょ。『1』『2』の頃の」

オレ「宍戸のディープライジングはヤバすぎるよ。『3』で改善されて本当に良かった。オレが本キャラとして使えないところだった(笑)」

トシ「画面の左端に宍戸がいて、右端にボールが飛んできても、ディープライジングで拾えたりするからね」

フクタ「むしろコート全体が技の判定っていうのがおかしすぎるだろ! 『マリオテニス』の防御技と同じじゃん!」

オレ「キャプテン級は、当然のごとく全員が卑怯技だらけだしね」

カム「手塚の《零式》にタッチーの《サイレント》、あとべ〜の《ロンド》もヤバイな」

オレ「いや、あとべ〜の一番ヤバイ技は《ロンド》よりむしろ《プレリュード》だろ。あの藤木サーブ!」

トシ「卑怯すぎて《藤木サーブ》って呼ばれてる時点でマズイだろアレは、ゲームオリジナル技のクセに」

カム「あと忍足がヤバイね。《雲雀返し》と《黒鯱》が」

オレ「むしろ意味不明なのは、不二のトリプルカウンターが全部ショボくて、忍足のパチモンカウンターの方が強いってことだよ(笑)」

カム「《羆》と《月の輪》だったら不二の方がちょっとだけ使えるけど、他の2つは完全に忍足のが強いからね」

フクタ「むしろトリプルカウンターが全部弱すぎだろアレ。《つばめ返し》は決まる要素がないし、《白鯨》なんてスマッシュで返されるし」

カム「あと日吉の技もほとんどが卑怯だし…それに赤也もヤバイね」

オレ「アレは切原がどうのっていうより、立海メンバーが全員ヤバイんだろ(笑)」

フクタ「全員が、何かしらの卑怯技持ってるからねアイツら」

オレ「ジャッカルの《ディフェンスX》とか、卑怯以前につまらなすぎるからね」

フクタ「あとは《鉄柱当て》に《レーザー》、仁王の《ダーティートリック》とか柳の《結び花》とか……」

カム「《結び花》も、卑怯というよりふざけすぎてるだろ」

オレ「むしろ技だけで考えれば、真田と幸村が一番マトモとさえ思えてくる」

トシ「2人とも、それなりにヤバイことはヤバイけどね」

フクタ「でも他のヤツらよりはマシだろ。真田も《臥龍》くらいしか危険なのはないし」

オレ「その《臥龍》は相当ヤバイけどな。むしろ《絶対返せません》ってのが技の説明だろ、アレは(笑)」

カム「というか《アビリティ・グリップがあれば返せます》とか書いてあるクセに、グリップ持ってても返せないのが謎だろ。誤植か?」

オレ「まぁどっちにしろ…あのゲームをマトモに遊ぶためには自分達でハウスルールを整備することと、選手の能力調整は必須だろうな」



  ―― ◆ ――



カム「むしろ完全に初期能力のままだったら、強いキャラとか弱いキャラがマンガと全然一致してないよな」

オレ「ああ。唯一合ってるのは《立海は全員強い》ってことくらいか(笑)」

フクタ「青学の3強が、手塚と桃ちゃんと大石って時点で何か間違ってるだろ」

オレ「そんで最弱が不二だからな(笑)」

トシ「あと初期能力だと、タッチーの弱さが半端じゃないだろ。どこが全国区だよアレ!」

フクタ「《サイレント》は強いのに、なんでタッチーだけあんなに鈍足なんだろうね? 他のキャプテン級は全員フットワークBはあるだろ。最低でも」

カム「タッチーだけが、なぜかフットワークDだからな。あれは不動峰の呪いだろ」

トシ「きっと原作で宍戸に《そろそろ前出てもいいかぁ?》って言ってたけど、アレは足が遅いことへの言い訳だったんだね」

オレ「ちょっとごめん、そろそろ前に出させてください……って意味か(笑)」

フクタ「あと初期能力だけなら、バカ澤がかなり強いよね。《DBABE》だっけ? さすがはキャプテン!」

カム「キャプテンの中ではそれでも最弱だけど(笑) あ、もっと弱いヤツは南がいたか」

トシ「あそこのキャプテン級は、千石さんか亜久津ってことでしょ」

オレ「むしろ亜久津がヤバすぎるだろ。そりゃ原作でもヤバいのは解るけどさ、能力的には幸村とかに匹敵してるじゃん! やり過ぎだろ!」

トシ「そういう意味じゃ、千石さんも能力インフレ起こしてるだろ。オマケで入ったJr.選抜のクセに、あとべ〜とほとんど変わらないし」

カム「少なくとも、タッチーよりは圧倒的に強いよね」

フクタ「むしろタッチーの能力はホントに見くびられすぎだろ! それこそバカ澤とタメ張ってるじゃん!」

カム「初期だと日吉もヤバイよ。《CCCAC》だけど、《下克上》が発動すると全部1段階上がって《BBBSB》になる」

オレ「あとべ〜が《BABAA》だよね? ほとんど同じじゃんソレ!」

トシ「しかも《下克上》って、相手のダブルスに1人でも3年がいれば発動するから、ほぼ絶対発動してるんだよね。2人のうち1人は3年使うだろ」

フクタ「あと六角だとキャプテンのマルコメより、むしろダビデとかバネさんの方が強いよね」

トシ「それは原作でも、なんとなくそんな感じだった気もするけど」

オレ「というか、能力値だけなら樹もヤバイよ。《EACCB》だろ? これまた、タッチーのちょっと下くらいじゃん(笑)」

トシ「だからタッチーはバカにされすぎだろ!」



  ―― ◆ ――



カム「でもさ…そもそも『3』って、やってることが既にテニスじゃないよね?」

オレ「それこそ、原作を再現してみたんじゃない? 《テ、テニスじゃねぇ…!》ってのを(笑)」

フクタ「でも相手の体力ゼロにしたあとボールぶつければK.O.できるってのは、もはや格ゲーだろ!」

トシ「5-0でボロ負けしてたって、相手を殺せばこっちの勝ちだからね」

オレ「郭海皇も言ってたぞ。《相手が死すれば勝負なし!》って(笑)」

フクタ「でも『テニス』の場合は勝負アリだろ。普通に殺した方の勝ちじゃん」

トシ「さすがに今は、ソレはクソゲーすぎるから《不戦条約》を結んだけど、殺し合いの全盛期は本当にヤバかったね」

フクタ「スタミナ低いヤツは、下手すると1ゲーム目で殺されたりするからね。そんでスコアは《0-D》だろ」

オレ「でも今だって、わざとじゃなくても、たまたまボールぶつかって事故死することもあるじゃん。やっぱそれが問題だよ」

フクタ「せめて、ノックアウトのオンオフが設定できればね」

トシ「つーか、なんでテニスゲームで事故死とかノックアウトって単語が使われるんだよ! それが一番おかしいだろ!!」




――もちろん、どんな悪口を言ったとて、結局のところオレ達全員がこのゲームの大ファンだ…ってのは言うまでもないが(笑)

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