第四十六話:マンガ担当は、金と場所を一番必要とする

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【今回の登場人物】

カム:大の声優ファンであると共に、相当なマンガファンでもある。所持マンガ数が1000冊を突破したのは、どれだけ昔のことだったか…。

オレ:カムとの付き合いは小学校から。長年の付き合いの中で、カムからは相当数のマンガを借りており、オレがマンガファンになった一因もカム。

プッチ:カムとの付き合いは同じく小学生から。マンガよりアニメ派なので、プッチの場合はカムとアニメDVDの貸し借りが多い。

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オレ「そもそも、カムはいつから声優ファンになったんだっけ?」

カム「というか一番最初は、ナツキの影響だったと思うよ」

オレ「オレか? オレが何かやったっけ?」

カム「いや、特に何かしたわけじゃないけどさ。それでも昔は、ナツキの方が全然詳しかったじゃん。声優に」

オレ「そりゃオレが詳しかったというより、カムが声優に興味なかったからな」

プッチ「カムちゃんだけじゃなくて、ナツキ以外の全員が詳しくなかったよね。あの頃は」

オレ「そりゃまぁ、小学生の頃だしな。まだオレ以外のみんなは、ゲームとかアニメに偏ってない時期でしょ。趣味が」

プッチ「だけど、ゲームに詳しいとかはあんまり関係なくない? 声優に関しては」

オレ「と、いうと?」

プッチ「だっておれなんかは、今でも声優に詳しくないしさ。トシとかフクタもそうでしょ?」

カム「まぁ確かに。結局、今のところ声優について色々語れるのは、俺とナツキくらいだからね」

オレ「オレは語れるっていっても、声優ファンのレベルじゃないけどな(笑)」

プッチ「でも、おれとか声優を全然知らないヤツから見ると、十分知ってるように感じるよ」

オレ「だから、要するにオレは《中間層》なんだろ。プッチが《マムル》でカムが《洞窟マムル》だったら、オレは《あなぐらマムル》ってトコか」

プッチ「いや、《マムル》と《あなぐらマムル》はほとんど同じじゃん!」

オレ「そこは言葉のアヤだ、気にするな。それなら『ドラゴンボール』で例えてみるか?」

カム「どうやって?」

オレ「つまりカムが悟空だったら、オレはピッコロあたり。そんでプッチがヤムチャ…いや、戦闘力5で《ゴミめ》って言われた一般人ってトコか」

プッチ「いや、それならヤムチャでいいじゃん! そこで言い直す必要あんのかよ!!」

オレ「いいじゃないか、コレも言葉のアヤだよ。ゴミプッチ」

プッチ「もうゴミで確定なの!?」

オレ「まぁ冗談はともかく…なるほどな。カムが声優に詳しくなり始めたのは、もとはといえばオレが原因だったか」

カム「というか、ナツキはけっこう昔から『テイルズ』のファンじゃん」

オレ「ああ。まぁ本格的なファンになり始めたのは『デスティニー2』以降だと思うが」

カム「でも昔の『ファンタジア』とか『デスティニー』をナツキがプレイしてて、それを見たり自分もやったりしてるうちに、いつの間にか…ね」

プッチ「いつの間にか、声優にも詳しくなってたって?」

オレ「むしろあの頃は、《ボイスが入ってるゲーム》ってだけで珍しかったじゃん。それが大きかったんじゃないか?」

プッチ「どういうこと?」

オレ「つまり《声優さんを起用してるゲームが珍しい》ってことは、そういう特定のゲームに関しちゃ声優さんのインパクトも大きくなるだろ」

カム「確かに。だから昔のゲームほど、一瞬で声優名が覚えられた…ってのはあるかもしれない」

オレ「クレスは草尾さんで、スタンが関さんとか…そういう基本的な部分から入ったからな。当時は躍起になって調べたりもしたし」

プッチ「でもやっぱ、みんなゲームとかアニメとか好きって部分は同じなのに、その得意分野はそれぞれ違ってくるモノなんだな」

オレ「それが人だよ、キラくん。要はカムが声優方面に特化し始めたのも、自然な流れだったってことだろう。オレはキッカケみたいなモンでさ」



  ―― ◆ ――



カム「でも俺が声優得意っていったって、正直ナツキとあんまり変わらないと思うんだけど」

オレ「いやいや、何言ってんの。十分変わるでしょ!」

カム「だけど俺だって、声優さん個人の情報はほとんど知らないよ。声優さんの名前と声と、その人がやってるキャラは一致するけど」

オレ「その話は前にもした気がするけど…。要するにさ、《声優ファン》にも2通りがいるってことでしょ」

プッチ「2通りってのは?」

オレ「カムみたいに《声優さんは、その声が重要》ってタイプと、《声優さんは、その個人が重要》ってタイプ。まぁ、その比率にも拠るけど」

カム「さすがに、声優好きなのに《声は全く重要じゃない》なんて人はいないだろ」

オレ「まぁな(笑) だから要するに《どちらを重視するのか》って話なんだと思う。《声》なのか《人となり》なのかっていう」

プッチ「なるほど」

オレ「オレもカムも《声派》だからな。そういう意味じゃ、あんまり変わらない…ってカムの話も解るけど」

カム「でしょ?」

オレ「いやでも、カムとオレとでは記憶量が違うから! 声優さんの名前にしろ、彼・彼女が演じてるキャラ名にしろ」

プッチ「そんなに差があんの?」

オレ「あるある! 例えばオレが《きちんと名前を知ってる声優さん》なんて、せいぜいが200とか300人だぜ?」

プッチ「十分多いでしょ!」

オレ「いや、そうじゃないんだって。そもそもひとつの作品に絞っても、主要キャラだけで30人くらいは余裕でいるわけじゃん。声優さんが」

プッチ「まぁ、そりゃそうだけどさ…」

オレ「だから仮に《一目見ただけで名前を記憶できる》ような能力があったら、アニメを10作観ただけで300人くらい余裕で覚えられるハズなんだぜ?」

プッチ「それは、理屈だったらそうだろうけど」

オレ「オレはアニメだけでも100作以上観てるんだから、それなら3000人くらいの声優さんと触れててもおかしくないハズだろ。理論上は」

プッチ「まぁ…理論上はね」

オレ「にも関わらず300人しか覚えてなくて、声を判別できる人はもっと少ないんだから、結局オレの《声優ファンレベル》はその程度ってこった」

プッチ「で、それに比べてカムちゃんはもっと凄いって?」

オレ「それはもう! なぁカム?」

カム「いや、だからそこまでじゃないって!」

オレ「というか、そりゃ《判り易い声の人》だったら、オレだって余裕で判別はできるんだよ。若本さんとか」

カム「あの人は判り易すぎでしょ!」

オレ「だけどカムの場合、判別の難しい女性声優さんとか、地味な男性声優さんの声をきちんと判別できるのがオレとは違うトコロだよ」

プッチ「なるほどね。そこが《声優力》の差ってことか」

オレ「オレが凄いと思ったのは、カムが『シャナ』で出てきたガイコツの《シロ》を判別したときだね」

プッチ「なんで凄いの?」

オレ「いや、アイツって《叫び声》くらいしか台詞ないからさ(笑) ダミープラグの声を聴いて、めぐさんだと判別するようなモンで」

プッチ「なるほど」

オレ「しかも、ソレが小西さんだからもっと凄いと思った。オレ的には」

プッチ「小西さんって誰?」

オレ「『シンフォニア』でロイドやってる人。ただシロは、声の出し方も全然違ったし……」

カム「それに小西さんは、俺達の中では相当な《地味声優》だからね」

プッチ「ん? 地味声優って、どういうこと?」

オレ「ああ。もちろんコレは、オレとカムの2人で勝手に決めたんだけどさ」

プッチ「うん」

カム「俺達2人で《声優さんとしては無名じゃないけど、声が地味な声優さんっていったら誰だろう?》って話をしてたんだよね」

オレ「そりゃ真面目に議論したわけじゃなくて、その場のノリでテキトーに何人か挙げてみたんだけど」

カム「とりあえずそのとき、2人ともが《あの人はなんか地味だよね》って言ったのが小西さんだった」

オレ「別に好き嫌いの話じゃないんだけどな(笑) でも、とりあえず地味って感じでさ。無性に」

プッチ「なるほど…でも《地味な声》って、具体的にどんな声なのかよく判んないね(笑)」

カム「まぁ、俺達だって判んないし」

オレ「ただ少なくとも言えることは…オレは突発で聴いた小西さんの声を判別する自信はねぇってことだ!」

プッチ「そんでカムちゃんは判別できるってことか(笑)」

カム「いや…でも小西さんを判別できるかどうかが《凄さの基準》とか、もはや意味が解らないだろ!」



  ―― ◆ ――



オレ「話は変わるけどさ…オレってゲーマーじゃん。そんで、カムもプッチもゲーマーだろ?」

プッチ「その言葉の基準が何なのかは判らないけどね」

カム「ゲームが好きで、いっぱいやってるって意味じゃ、全員ゲーマーでしょ」

オレ「まぁ、それなら《ゲームファン》でいいや。ともかくオレもカムもプッチも《ゲームファン》で《アニメファン》で《マンガファン》じゃん」

プッチ「それだったら、間違いないかもね」

オレ「その3個がどれも好き…って意味ならみんな一緒だけど、メンバー内でもオレ達3人は特に《得意分野》が違うよな」

プッチ「確かに。おれは《アニメ》が一番で、そこから《マンガ》と《ゲーム》って感じだし」

カム「俺は《マンガ》が一番で、《ゲーム》と《アニメ》がちょっと下だね」

オレ「そんでオレが《ゲーム》で、下が《アニメ》《マンガ》だ。まぁ3人とも似たり寄ったりといえばそれまでだが(笑)」

プッチ「ただ全員の《一番》が違うのは面白いよね。おれがアニメでカムちゃんがマンガ、ナツキがゲームか」

オレ「というか、カムはこれだけ声優ファンなのに《マンガ》が一番ってのが面白いと思う」

カム「それだけマンガは好きってことだよ。それに、そこまで大きな差は無いし」

オレ「まぁ、他にもトシとかフクタとかマークもいるが…。少なくとも言えるのは、《それぞれの分野》が最低一人ずつ揃ってて良かったってことだな」

カム「良かったって?」

オレ「いやオレ自身、カムとかプッチに相当お世話になってるもん(笑)」

プッチ「ああ、なるほど。マンガとかアニメを貸してもらえるって意味ね(笑)」

オレ「正直言って、オレ一人だったらゲームだけで限界…というより、ゲームだってここまでのレベルにゃならなかっただろ。絶対」

プッチ「それはナツキだけじゃなくて、全員に言えるよね」

カム「そもそも一人だったら、『スマブラ』とかの多人数ゲームが上手くなるわけないし」

オレ「それもあるけど…そもそもソフトとかゲーム機本体とかも、オレ達同士で貸し借りしまくってるわけじゃん(笑)」

プッチ「それはそうだね。今現在ナツキんちにあるソフトだけで数えても、100本くらいはあるでしょ? 人のソフトが」

オレ「ああ。しかも《借りたまま、お前らが持って帰るの面倒で置いてある》ってソフトだけでも100本だぜ? 合計したらもう、どれだけ借りたのやら」

カム「逆にナツキからも、いっぱい借りてるわけだしね」

オレ「そういう意味じゃオレは《ゲームの係》だから、貸してる量も相当多いだろうが」

プッチ「それにソフト以外にも、ナツキんちに置きっぱにしてるゲーム機は大量にあるしね」

カム「初代プレステが5,6個なかったっけ」

プッチ「ああ、それなら全部《本体入れ》にしまってあるよ(笑)」

オレ「つーかそれは、プレステ2を買ったから昔のプレステを持ち帰る必要がなくなった…ってのが大きいんだろ」

プッチ「今はトシがプレステ3買ったから、プレステ2さえ置きっぱなし状態だしな」

オレ「だからオレが自分で持ってるヤツも含めて、結局プレステ2の本体も5個くらい置いてあるからな。合計すれば(笑)」

プッチ「でも普通なら、本体だけがいっぱいあっても意味ないけど…。テレビも3台あるから便利だよね」

オレ「そもそも、そのテレビの1台でさえ貰った物だからな。ハトから(笑)」

カム「ハトが新しいテレビ買ったとき、古いのを貰ってきたんだっけ?」

プッチ「そうだね。まぁ普通は、2台もテレビあったって役に立たないし」

オレ「いや、そもそもハトがテレビを買い換えたのは《前のが壊れた》からじゃん。普通のテレビチャンネルが映らなくなって」

プッチ「そっか。そしたらもう、捨てるしかないもんね」

オレ「でも《捨てるくらいなら、ちょうだい》ってことで、貰ってきたんだよな。なんせテレビは映らなくても、ゲームは映るんだから(笑)」

カム「むしろこの部屋にあるテレビ3台って、どれも《普通のチャンネル》は映らないからね」

オレ「壊れた壊れてない以前に、そもそもアンテナと繋がってないから、どのチャンネルでも砂嵐だしな(笑)」

プッチ「完全なビデオとゲーム専用機でしょ」

オレ「まぁ、おかげでゲームに没頭できるという点では最高だ。他の番組とかに気を取られることもないし」

プッチ「たまに3人が3個のテレビで、それぞれ一人用のゲームを別々にやってる状況は凄まじく厨っぽいけどな。自分達ながら(笑)」

オレ「まぁ、なんか話が逸れまくったけど…。とりあえずオレは《ゲーム役》だとして、その代わりカムとプッチからもかなり色々借りてるからな」

カム「俺は本当にかなり貸してるね。マンガが多いけど、アニメのDVDもそこそこあるか」

プッチ「おれは基本的にアニメのビデオとDVDだけか。ナツキに貸してるのは」

オレ「そうだな。でも正直…カムから借りてるマンガの数は異常だぜ(笑)」

プッチ「そんなに借りてるの?」

オレ「もちろん、そのことに感謝はしまくりなんだけどね。ただ、とにかく数がヤバイ」

カム「今現在連載してて、俺が集めてて、その中でナツキにも貸してるマンガ…ってだけでも相当あるよね」

オレ「ジャンプだったら『アイシールド』に『銀魂』に、あとは『ナルト』『ブリーチ』『ワンピ』くらいか?」

カム「ジャンプ以外が多いよ。『NHKにようこそ』『GANTZ』『カレ食』『クロサギ』『スクラン』『ツバサ』『ディアボーイズ』『のだめ』とか」

オレ「マンガ版の『シャナ』とか『フルメタ』、『ハガレン』『エンジェルハート』『フェアリーテイル』…あとは『マジック怪斗』もカムから借りてるか」

カム「少女マンガも何個かあるよ。『ZIG・ZAG』とか『ホスト部』とか。ちょっと前は『カレカノ』も貸してたよな」

オレ「ともかく…こんな状態だから、オレが《読んだマンガの数》と《持ってるマンガの数》が全然一致しないんだよね(笑)」

プッチ「今のを聞いただけでも、かなり差がありそうだね…。それって、今借りてるヤツだけなんでしょ?」

カム「そうだよ。これまで十何年もずっと、色々貸してたし」

オレ「だからオレが《自分で持ってるマンガ》って、実際《4コマ》とかを含めてさえ800冊程度しかないんだよな」

プッチ「なるほどね。読んだマンガなら確実に1000冊とか超えてるのに…か」

オレ「第一、マンガを借りてるのはカム一人でもないからな(笑)」



  ―― ◆ ――



オレ「ただ、貸してくれるのはもちろん嬉しいんだけど…」

プッチ「何か不満があるの?」

オレ「いや…カムは自分がマンガマニアだから、きちんと自分が貸した本を持ち帰るじゃん。オレが読み終わったら」

カム「まぁ、それが普通でしょ」

オレ「ただ他のヤツら…トシとかマークとかは、貸したまま《持って帰るの面倒で放置》が多過ぎだろ!」

プッチ「でもソレは、ゲームも同じでしょ(笑)」

オレ「それはそうだが…ゲームソフトはマンガと違ってかさばらないからな。そもそも放置マンガだけで絶対100冊以上あるだろ、オレの部屋は!!」




――まぁ、読み返したいとき好きなだけ読み返せるという点では、放置も便利ではあるが(笑)

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