第四十八話:激運装備は、上達してから着るべし!

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【今回の登場人物】

オレ:『MHP2』のプレイ時間は約800時間で、好きな武器は大剣。現在は武器コンプリートと、金冠収集に心血を注いでいる。

トシ:プレイ時間は約500時間で、好きな武器はヘビィボウガン。『MHP』時代からの、年季の入ったガンナーである。

プッチ:プレイ時間は約700時間で、好きな武器は太刀。オレと一番長くオンラインプレイをしているのがプッチで、互いの個別相性は400に近い。

マーク:プレイ時間は約600時間で、好きな武器はハンマー。最も古い『MHP』プレイヤーのため、昔は頼りまくっていた。

  ――― ■■■ ―――



マーク「ナツキ〜、入るぞ〜」

オレ「………」

トシ「………」

プッチ「………」

マーク「って、なんだお前ら! というか、なんだよこの厨の巣窟は!!」

オレ「心外だなぁ、マーク。何が厨の巣窟なんだよ?」

マーク「いや、どう見ても厨だろ! なんでひとつの部屋に3人も集まってるのに、全員がバラバラの姿勢で、無言でPSPやってんだよ!!」

プッチ「バラバラっていっても、同じゲームやってんだからいいじゃん」

マーク「そういう問題じゃねぇって!」

トシ「ともかく、マークが来たからやっと4人になったか」

プッチ「これで面倒なヤツも狩りに行けるね」

オレ「というか最近オレさ、こうやって4人揃わないと、デカイヤツ倒しに行くのがダルくなってきたんだが」

プッチ「古龍とか?」

オレ「ああ。アカムとかミラボレアスも含めて」

マーク「別に1人でだって倒せるだろうが!」

オレ「そりゃ倒せるが、それでも面倒だって話だよ。アカムも古龍も、1人でやったら15分とか20分掛かるだろ?」

プッチ「でも4人なら、5分で終わったりもするからね」

オレ「むしろ『モンハン』にハマり始めの頃は、逆にアカムなんかも1人で行った方が面白かったんだよ。腕が上がるのも実感できたしさ」

マーク「まぁ…その気持ちは解る。初めて古龍を1人で倒せるようになったときは、やっぱ感動したし」

オレ「だからプレイ時間が100程度の頃は、1人で延々と古龍に挑むのも苦じゃなかったんだが…。なんか最近は、ちょっと倦怠期に入ってきた(笑)」

プッチ「俺もその気持ちは解るわ。最近は時間が掛かるヤツほど、人数集まったとき一気に狩っちゃおうって思うようになったし」

オレ「特にオレなんかは、相当最近になってから『モンハン』を始めたクチじゃん」

トシ「まぁ俺達3人が『モンハン2』を買って、かなりハマってた頃になって初めて、マークから初代『モンハン』を借りてたんだもんな」

オレ「つーか『P2』の発売されたのが、確か今年の2月だろ? オレはその頃に『1』を初体験したんだし…『2』を買ったのは8月くらいだったか?」

プッチ「確か、そのくらいだったね」

オレ「だからお前らとの差は、腕にしろ装備にしろ相当にあったわけだし…特に一番やってたマークなんかは、既に400時間くらいはやってただろ?」

マーク「ナツキが『P2』を買ったときに…ってことか? 覚えてないけど、まぁそれくらいだったかもしれないね」

オレ「つまりオレとしては、一刻も早くお前らとの差を詰めたかったんだよ。いつまでも、4人プレイで足手まといになるのもイヤだったし」

トシ「だから、あんなに躍起になってプレイしてたのか」

オレ「むしろ最悪な未来は、オレが上級者になる頃に、お前らが全員《既に『モンハン』に飽きてる》って状態だと思ってたからな」

プッチ「ソレを防ぐために、短期間でおれ達のプレイ時間に追いつこうとしたわけね」

オレ「まぁ、そういうこった」

マーク「でもお前…今じゃ追いついたどころか、おれ達4人の中で一番プレイ時間多くなってるじゃねーか!!」

トシ「マジかよ! ってことはつまり、マークとの400時間の差を詰めたってこと? それはやり過ぎだろ!!」

マーク「おれも最近は、ペースが落ちまくってはいるけど…」

オレ「仕方ねぇだろ、程度が判らなかったんだから(笑) でも4ヶ月で800時間ってのも、なかなかいいペースだな」

トシ「1日平均で……7時間くらい?」

オレ「それくらいか? まぁその数字だけなら大したことないけど、『モンハン』以外のゲームもやりながらだしな。そこそこのモンだろ」



  ―― ◆ ――



オレ「さて…それじゃ、ナニ狩りに行く?」

プッチ「じゃあ、いつもの通りジャンケンで、勝ったヤツから時計回りね」

トシ「ジャンケンポン! …ああ、俺が勝ったな。じゃあ、テオでいいや」

オレ「ジャンプテオ?」

トシ「いや、普通のテオでいい」

マーク「じゃあ装備とか準備してくるか。3分以内にやれよ!」

オレ「へいへい。んじゃとりあえず、オレはシルバーソルに超滅でいいか…」

プッチ「おっと、テオは危ないからな…。秘薬持ってくか、一応」

マーク「おれは面倒だからいいや。どうせ死なないし。おれは上手いから」

オレ「お前は調子乗りすぎだろ!」

トシ「そんなこと言って死んだら、どうする気だよ」

マーク「はぁ? もしおれが……いや、もしワイが死ぬようなことあったらな、切腹したるわ」

トシ「お前は亀田を馬鹿にし過ぎだから!!」

プッチ「とにかく、準備できたならさっさとクエスト行こうぜ」

ロード中……

オレ「さて、スタートだな。まぁこっちは4人だし……考えてみれば、マークが言うことも間違ってはいないだろうが」

プッチ「切腹が?」

オレ「いや切腹というより、どうせすぐ倒しちゃうから死ぬこともないってこと」

トシ「でも俺は、アイツ嫌いなんだけど。すぐ倒しちゃうっていっても、こっちも1,2発で殺されたりするじゃん」

オレ「いやソレは、慣れてないからだって。正直、テオはかなり楽。クシャルやナズチのがまだ面倒だよ」

マーク「テオはパターン一定だからね」

トシ「お前らそんなこと言って、一発でも喰らったら厨って呼ぶからな!」

オレ「いや、そりゃ一発くらい喰らうから! …でもまぁ、すぐ倒せるならノーダメージも難しくはないか? ガードと炎ダメージはOKなら」

マーク「まぁ、慎重にやれば大丈夫でしょ」

オレ「例えば、まず相手のタックルを右側に避けて……って、ちょっ…ぐはっ!!」

トシ「オイ、なに一発目で喰らってんだよ! この厨が!!」

オレ「よ、予想外デス……」

プッチ「ソフトバンク来た(笑)」

トシ「はぁ〜、これだから口先だけは困るぜ」

オレ「いや待て、今のは違うぞ! 例の《ワープ》されたんだよ、オンライン時によくあるアレ!!」

トシ「やれやれ…厨はすぐそういう言い訳をするからなぁ……」

オレ「お前も見てただろ! 今の動きはどう見ても、真正面にテオがいる場合の回避だったろ!? それがいきなり右に現れたんだぞ!?」

トシ「ハァ? 俺の画面では、ナツキがテオに自分からタックルしに行ったたようにしか見えなかったんだけど」

オレ「だからソレは、オンラインワープのせいだっつってんだろ! クソボケが!!」

マーク「ホラ、お前らがそんなこと言ってるウチに、そろそろ角折れるぞ。喋ってないで戦えよ!」


クエスト終了。

オレ「まったく…結局誰も死ななかったとはいえ、ヒデェ目に遭ったぜ」

プッチ「次はおれの番か。それじゃあ……ラージャンで」

トシ「なんかプッチって、こういうときラージャンを求めること多くない?」

オレ「ああ、それはプッチがラージャン苦手だからだよ(笑)」

マーク「そうだったの?」

オレ「だって、これだけプレイした今でも、村クエのラージャン2頭をクリアしてないくらいなんだぜ?」

トシ「マジかよ! いやさすがにもう、上位の装備が揃ってるんだから強引にでも倒せるだろ。あれくらい」

プッチ「そりゃおれも、やろうと思えばできるかもしれないけど…。でも、ラージャンに1人で挑もうという気がしない。苦手意識があり過ぎて」

オレ「だからこうやって、皆がいるときに《倒してもらう》わけだ。そんで報酬を楽々ゲッチューと(笑)」

マーク「うわぁ〜、そういうのを世間じゃ《寄生》って言うらしいぜ?」

プッチ「うるせぇし! ホラ、とっととクエスト行くぞ!」

ロード中……

オレ「よし、スタートだ」

トシ「って、うわっ! 目の前にラージャンがいる!!」

マーク「ホントだ、トシに目玉マークが付いたな。まぁ、しばらく1人で戦ってろ」

トシ「いやちょっと待ってよ、俺ガンナーなんだよ! ラージャンとタイマンはキツイって!」

オレ「別に、ガンナーだろうとどうにかなるだろ! 怖いならテキトーに避けてりゃいいじゃん、反撃しなくていいから」

トシ「ちょっ…ぐわっ! いや今回俺、お前らに任せて後ろから安全に戦う予定だったから! 防御力弱い防具なんだって…ぐああ!」

プッチ「あ…トシがやられました…報酬が減りました…」

オレ「何をいきなり死んでんだ! この厨が!!」

トシ「おいおい、死んだだけで厨とかないよ〜。なんでも厨って呼べばいいってモンじゃないんだぜ?」

オレ「違ぇよ! 欲の皮が突っ張って、防御弱い激運装備で来て……そんであっと言う間に死ぬってのはねぇ!」

プッチ「むしろトシって、おれと同じくらいラージャン苦手なんじゃないの?」

マーク「苦手なのに激運で来たのか? それは厨だわ〜」

トシ「うるせぇ、お前らは厨厨言い過ぎなんだよ! ピカチュウかよ!!」

オレ「ピカチュウはチューチュー言わねぇだろ!!」


クエスト終了。

オレ「じゃあ、次はグラビかな。黒グラビで」

トシ「オイ〜、グラビは苦手だよ〜」

オレ「だったら、きちんとした装備で来いや!」

プッチ「ホラ、行くぞ」

ロード中……

オレ「スタートだな。…ありゃ、そこにいるのはマークか」

マーク「おれ達2人だけ、かなり離れてるな。そんで、トシとプッチがいるのは……」

トシ「ギャアーー!」

プッチ「うお、目の前にグラビが!」

オレ「ヤベェ! グラビに弱い2人がいきなり敵の目前かよ!!」

マーク「よし、急ぐぞナツキ!」

トシ「は、早く来い! 助けろ! 松田ぁぁーーー!! 何をやってる、ふざけるなーーー!!」

プッチ「混乱しすぎだろお前は!」

マーク「ナツキ……なんか、こうやってトシのトコロに向かってると、『ドラゴンボール』の心境になるね」

オレ「何が?」

マーク「つまり、界王星からクリリン達のもとへ急いでる悟空の気持ち」

オレ「ああ、なるほど(笑)」

トシ「そんなくだらないこと言ってるヒマがあったら、早く来い! この俺を助けろ、クズどもが!!」

プッチ「おいトシ! ちゃんと敵を見ろ、薙ぎ払いビームが来るぞ!!」

トシ「あっ……ぐわああ!」

マーク「あ、トシの気が消えた…」

オレ「ふっ、チャオズはキャンプに置いてきた。正直、ヤツはこの戦闘に付いていけない」

トシ「この野郎…! 俺がチャオズなら、お前らはヤムチャだ!」

プッチ「なんでヤムチャが大量にいるんだよ!」

マーク「というか、チャオズとヤムチャじゃどっちがマシか判んねぇよ!」

オレ「ふっ、トシ…オレ達がヤムチャだと言うか? 言っていいのは、言われる覚悟のあるヤツだけだ!!」

プッチ「どんなノリだよ、そのルルーシュは!!」



  ―― ◆ ――



オレ「ふぅ…だけどトシ、お前はグラビも不得意なのか? まぁアイツはオレも嫌いだが」

トシ「とりあえず、ドスガレオスなら得意だよ」

オレ「いやアレは、得意不得意とか関係ないだろ!」




――やはり『MHP』は、多人数プレイが何よりの肝だと常に思う。

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