第六話:本部を「ほんぶ」と読むべからず

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【今回の登場人物】

オレ:オレ達の中で唯一、『刃牙』『餓狼伝』を単行本で購入している。特に『刃牙』は長寿なので、本棚のスペースが奪われているが。

トシ:『刃牙』ではユリーのファン。負けてもヘタれないところが好きらしい。

フクタ:『刃牙』では加藤や本部のファン。『パワプロ』で、「加藤」という名前の選手を「キャオラッ」に改名させていた。

  ――― ■■■ ―――



オレ「なぁ、『刃牙』っつったらどのキャラが思い浮かぶ?」

トシ「は? いきなり何その質問」

オレ「いや、なんでもない。ただホームページのネタとして使うだけ」

トシ「なんでもなくねぇじゃん!」

オレ「まぁいいだろ。で、誰?」

トシ「…『刃牙』って、全部含めて?」

オレ「そうだな…だったら初代『グラ刃牙』で」

トシ「じゃあ本部かな」

オレ「フクタは?」

フクタ「いや、おれも最初に思い浮かんだのが本部だよ」

オレ「同じかよ! ネタになんねぇ!」

トシ「本部っていう意見が被っただけでも、ネタになるだろ!」

オレ「いや本部はむしろ、ネタになって普通みたいな感じじゃん。特にファンの間とかじゃ」

フクタ「本部はヤムチャだしね」

オレ「そういうこと。ヤムチャをネタにしても、もはやネタになんねぇだろ?」

トシ「わかるようでわからん理屈だな…」

オレ「つーか今となっては、ヤムチャネタに対して本気で笑ってる人のが少ないと思う」

トシ「ネットとかで?」

オレ「うん。《カッコ笑い》とか付けてても、絶対に顔は笑ってねぇから!」

フクタ「もう飽きた、って顔してるんだろ?」

トシ「でもさ、ヤムチャっていう言葉が既に固有名詞じゃん?」

オレ「雑魚キャラの代名詞でしょ」

トシ「そう。それは普通に凄いと思うんだけど」

オレ「確かに、そういう意味じゃヤムチャは凄い(笑)」

フクタ「いや違うよ。凄いのは『ドラゴンボール』だよ。ヤムチャはヤムチャでしかない」

オレ「なんだその名言(笑)」

トシ「でもアイツはヤムチャキャラだ…って言われただけで、知らなくてもどんなキャラか大体わかるじゃん」

オレ「まぁな。例えばフクタがヤムチャキャラってことだろ?」

トシ「そうそう」

フクタ「おい、おれかよ!」

オレ「だけどそういう意味じゃ、チャオズだって固有名詞だけどね」

トシ「ベジータもそうでしょ」

フクタ「あとピッコロ」

オレ「固有名詞だらけじゃねーか!」

トシ「ん? でもさ、ピッコロとベジータって同じ意味じゃね?」

オレ「どっちもライバルキャラの代名詞ってこと?」

トシ「じゃねーの?」

オレ「いや違うだろ。ベジータはツンデレの代名詞だ」



  ―― ◆ ――



オレ「話を戻すけどさ、じゃあ2個目の『バキ』だったら誰が思い浮かぶよ?」

トシ「むしろ考えてみれば、俺の中で本部の株はソレ読んで上がったのかも」

オレ「『グラ刃牙』じゃなくて『バキ』でって?」

トシ「いや、『グラ刃牙』の頃から本部は好きだったけどね。でもあの頃はユリーがいたし」

オレ「お前のエースピッチャーだろ。『パワプロ』の」

トシ「むしろ最優秀中継ぎ取ったから」

フクタ「でも誰だって、『バキ』の本部を見たらアイツのファンになるだろ!」

トシ「誰だっては無いだろ(笑)」

オレ「まぁ少なくとも、ここにいる3人は全員ファンになったわけだが」

フクタ「ファンなのは元からだけどね」

オレ「そりゃそうだ(笑) …じゃあ、フクタも『バキ』で一番インパクトあったのは本部か?」

フクタ「いや、迷うね。カトーもいるし。それに寂海王」

オレ「完璧にオレと思考が被ってるな…」

トシ「それじゃ、ナツキは誰なんだよ?」

オレ「オレ? オレも迷うけど…一番は多分アイツだ。アライだ(笑)」

トシ「アライかよ!」

フクタ「いや忘れてた、『バキ』にはアライがいたよ! おれも一番はアライかもしれねぇ」

オレ「だよなぁ?」

フクタ「展開が神だから。さすが神の拳!」

トシ「意味が違うだろ!」

オレ「でも神なのは間違いない。展開が」

フクタ「殺られずに、殺る!」

オレ「その台詞だって、今でも使ってるしな。日常生活で(笑)」

フクタ「ヤバイよアイツは! っていうか、なんのために出てきたんだろうね?

トシ「おい、そんな暴言吐いといて好きなのかよ!」

フクタ「いや、だってアライだから」

オレ「オレはこれから一生、『ドラクエ』の主人公にはアライって名前しか付けないよ」

フクタ「『8』の主人公に付けたらメチャクチャ似合ってたからね。名前が」

トシ「え? ナツキがこの前『8』やってたとき、主人公の名前がアライだったのって……」

オレ「もちろん、『バキ』のアライから取ったに決まってんじゃん」

トシ「なんでアライなんだよ!」

オレ「いや、だってアライだから。ブーメラン投げさせたら、敵はいないから」

フクタ「格闘じゃなくてブーメランってのが、またアライっぽくていい」

トシ「ワケわかんねぇよ!」

オレ「それ範海王のマネ?」

トシ「いや違うから!!」



  ―― ◆ ――



フクタ「ところで『範馬刃牙』に入ってからの刃牙はヤバイね。性格が」

トシ「元からヤバかっただろ?」

フクタ「いや、それに輪をかけてヤバイだろ。むしろ主人公っぽい台詞を吐いた記憶がない」

オレ「なんかさ、台詞もそうだけど…。ヤな顔するようになったよな(笑)」

フクタ「あと行動が変。昔の巻を読み返して思うけど、刃牙ってあんな台詞とか行動してたか?」

オレ「少なくとも、少年時代はもっと純粋だったよ」

フクタ「最近はなんか、1巻ごとに主人公らしくなったり、ならなかったりしてるねアイツ」

オレ「隔巻の主人公ってか(笑) ああ…でもなんかわかる気がする。つーか、なぜか急にイイヤツになったりしてる」

フクタ「ちょっと前まで性格悪かったのに、次の巻だと《必ず助ける!》とか言ってるし」

オレ「自分で突き落としたクセにな」

フクタ「それも、別に殺すのがイヤじゃないと思うんだけど。シコルスキーのときもアレだったし」

オレ「受け止めきれるかな? とかオリバに言われてたけど…」

フクタ「どうしたよそれが! とか言ってたよな。でもそれが、必ず助ける! だぜ?」

オレ「でもそんなこと言ったら、『餓狼伝』の丹波はどうなるんだよ」

フクタ「どうなるって?」

オレ「いや、アイツこそ主人公っぽいことしてるか? って」

フクタ「丹波はまだマシだね。だってアイツは、出番が無いだけじゃん」

オレ「その言い草が酷ぇよ(笑)」

フクタ「だって、最近はもう完璧に観客じゃん! 『るろ剣』の斎藤みたいになってるし」

オレ「なんで斎藤?」

フクタ「いやアイツ、剣心と縁との勝負を後ろから見てたじゃん? 他のヤツらと一緒に」

オレ「うん、だけどそれが?」

フクタ「おれにはその姿が、日曜日に野球観戦をしに来た観客に見えた」

オレ「いや、それは共感できねぇから!」



  ―― ◆ ――



オレ「そういえば丹波も、最近ちょっと出てきたよな。試合前に襲うっていうアドバイスをしに」

フクタ「でもそのアドバイスを無視されるあたりが、さすが丹波だよ」




――類は友を呼ぶとは言うが、フクタとオレとは妙に趣向が合ったりもする。

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