第九話:戦場で、背後から撃たれたと騒ぐヤツがどこにいる!

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【今回の登場人物】

オレ:昔はタンク使いだったが、PS2以後の『AC』からは二脚に転向。そこから『AC』の面白さが段々と解ってきた。

トシ:昔は四脚使いだったが、最近は二脚も良く使う。でも四脚への未練はまだあるらしい。

フクタ:オレ達の中では一番の『AC』マニア。基本は二脚だが何でも使う。オレとトシの操作技術師匠でもある。

マーク:基本的には二脚使い。ネタ武器や近接武器を使いたがる傾向にある。

  ――― ■■■ ―――



オレ「『AC』っつったら、やっぱ『サイレントライン』だよな」

トシ「でもそれは、ずっと4人でやってたからでしょ?」

オレ「まぁな。でも、オレ達にとっちゃソレが一番重要だろ?」

トシ「確かに。いくら面白くても、1対1だとちょっとね」

マーク「待ち時間があるから?」

トシ「うん。特に『AC』なんて、大人数じゃ無理でしょ。いちいち機体組み替えたりとか、しんどい」

オレ「だよな。大体オレ達は、『スマブラ』やってたって待ち時間が出てくるんだから」

マーク「前は、2人が『パワプロ』で対戦してる間、残りの4人で『スマブラ』やったりしてたよね」

フクタ「そんで、その後ろで更に余り者になったおれとトシが、《マジック》で対戦したりデッキ作ったりしてた」

オレ「お前ら、そんなことしてたのかよ(笑)」

トシ「やってたよ。メッチャ狭いトコでな!」

オレ「地味すぎて気付かなかったぜ」

トシ「その点、『AC』やってた頃は待ち時間無くて良かったな」

オレ「それに、『AC』はできるヤツも少ないしね」

マーク「今いる4人くらいか?」

オレ「あと、一応プッチでしょ」

マーク「そういえばアクション好きなのに、カムちゃんはやらないよね」

オレ「カムの場合、カスタマイズ系のは苦手なんじゃん? 『連ザ』なんかは、同じロボ系だけど好きだし」

トシ「じゃあ『カスタムロボ』も駄目かな」

オレ「オレは『カスタムロボ』を知らねぇ。アレもやっぱりカスタマイズが重要なのか?」

トシ「いや、俺も知らね。ただ名前的にそうじゃねぇ?」

オレ「テメェはいっぺん死んで来い!」

トシ「でも、『AC』を4人でやるためにけっこう苦労したよね」

オレ「まぁな。プレステ2本体とテレビなら2台あるけど、まずソフトが必要だったし」

トシ「いや、ソフトは俺とフクタが持ってたから、すぐに集まったじゃん。それよりもiLinkケーブルが大変だった」

オレ「そういえば、あのときケーブルが無かったのか」

フクタ「でも前に、『タイムスプリッター』やってたときは持ってなかったか」

オレ「そういやそうだな。確か『タイムスプリッター』のが前だよな?」

トシ「まぁ…でも『タイムスプリッター』といえばタコッチのソフトだからね」

マーク「タコッチだから何なの?」

トシ「いや、アイツがいたらケーブルの一本くらい消滅してもおかしくないだろ」

フクタ「まぁタコッチだしね」

マーク「タコッチそんなキャラか(笑)」

オレ「だってヤバイもん、アイツの物の扱い方は」

トシ「前にアイツの家行ったときなんか、プレステのソフトが裸で床に放置してあったし。しかもディスク面が下で」

フクタ「つーか、それ踏むだろ!」

トシ「というか、既に何枚か踏んで捨ててるんじゃねーの?」

オレ「アイツは、いらないCDをフリスビーにして遊ぶタイプだね」

マーク「すげぇブルジョワな遊びだな(笑)」

トシ「だからiLinkケーブルも、タコッチの家に紛れ込んでゴミとなって消えたと思う」

オレ「そんで、また新しいのを店で探すハメになったんだよな。オレとトシの2人で手分けして」

トシ「でも、そのときはなんか知らんけど、どこ行っても売ってなかった。近所のゲーム屋全部探したのに」

オレ「オレも、学校行くたびに周りのゲーム屋通ってたからな」

トシ「結局どこで見つけたんだっけ?」

フクタ「おれは知らねぇ」

オレ「アレはなんだっけな…忘れちまった」

マーク「ゴホン、ゴホン!」

オレ「なんだよマーク? あ…そっか(笑)」

トシ「なに? マークが見つけてきたの?」

オレ「あれ、あの話はしてなかったっけ」

トシ「多分聞いてない」

オレ「そうか。おいマーク、アレは話していいのか?(笑)」

マーク「しょうがねぇなぁ。特別に許してやるぜ」

オレ「はぁ〜? …まぁいいや。オレの誕生日って10月でしょ?」

トシ「うん。それが?」

オレ「まぁ誕生日はともかく、そんときは11月だったんだよ。オレ達がケーブル探し回ってた頃は」

マーク「あれは11月の寒さが肌に染み入る頃だったかなぁ…」

オレ「テメェは黙ってろ。…とにかく、オレが一人で家にいたら、なんか外でガサガサ音がしたんだよ」

トシ「泥棒じゃん」

オレ「まぁ、似たようなモンだ。で、気になって外に出てみたら、なんかドアノブのところに黄色い袋が垂れ下がってるわけよ」

マーク「へぇ、中には何が入ってたんだろう?」

オレ「黙ってろ! …まぁそんで、中にiLinkケーブルと、手書きのメモが入ってたのね」

トシ「うん」

オレ「《代金はいらないぜ、1ヶ月遅れのバースディプレゼントだ Byマーク》って書いてあった(笑)」

トシ「なんだソレ(笑)」

フクタ「すげぇ。マンガみたいな展開だな」

オレ「まぁ、あのときはけっこう感動したけどね」

マーク「あ、そうだった?」

オレ「オレの誕生日がどうとかってことより、ああいうアホなネタを思いつくお前に感動したんだよ!」



  ―― ◆ ――



マーク「でも『AC』の4人対戦も、かなりバランス悪いよね」

フクタ「アレは仕方ねぇよ。タイマンみたいに腕を競えねぇから、4人っていうノリを楽しむしかない」

オレ「オレなんかは、やっぱフクタとタイマンで闘っても勝てねぇし、4人の方が断然面白かったけどな」

トシ「俺も。『AC』は機体の構築も重要だけどさ、結局は腕がかなり大きいからね」

マーク「まぁ、4人対戦を真面目にやろうなんて考えると、チンみたいなことになるしな」

オレ「チンが何かやったんだっけ?」

マーク「ナツキんちじゃないトコで、4人対戦のバトルロイヤルやったんだよ。おれとフクタとチンと、あと1人で」

オレ「それで?」

マーク「そんで、パイルバンカーってあるでしょ?」

トシ「ネタ武器だろ」

マーク「いや、ネタだから4人対戦くらいでしか使えないじゃん? だからおれが機体にそれ付けて、ずっと様子を伺ってたのね」

オレ「うん」

マーク「で、フクタとチンが向かい合って戦ってたから、気付かれないようにチンの後ろに回り込んだわけ」

トシ「そんでパイルバンカーかましたってこと?」

フクタ「いや、アレはもっとカッコ良かったよ」

マーク「かなり距離あったとこから、オーバードブーストで一気に近付いて、タイミング良くバンカー撃った。そしたら直撃した(笑)」

オレ「なにそれ、メチャクチャカッコイイじゃん!」

トシ「どこのアルトアイゼンだよ(笑)」

フクタ「そしたら、チンが切れた」

オレ「は? なんで?」

マーク「今せっかく、いい戦いしてたのによォ! 邪魔すんじゃねぇよ!! …とか言って」

トシ「それは、さすがチンだな…」

オレ「ソレ、絶対4人対戦で吐く台詞じゃねーから! 厨理論じゃねーか!!」



  ―― ◆ ――



オレ「そういえばフクタは、色んなアニメの機体を『AC』で再現するのにハマってたよな」

トシ「というかフクタのやつって、職人芸みたいになってなかった?」

オレ「うん、ヤバかったねアレは。1台のテレビにアニメを一時停止させといて、そこでパーツとかカラーリング調べながら作ってたもん(笑)」

トシ「何が一番上手くできたの?」

オレ「多分、ファイヤーバルキリーだよな? フクタ」

フクタ「少なくとも、再現した中で一番強かったのはアレだな」

オレ「というか最初は、アレが強かったことに驚いた。だって武装はスピーカーだぜ!?」

トシ「スピーカーって?」

オレ「バサラは、スピーカーを敵に打ち込んで歌を聴かせるんだよ」

フクタ「そんで、それを再現するために弾数がメチャ多くて画面全体にバラけるマシンガンを装備させた」

トシ「それが強いの?」

フクタ「『サイレントライン』だと、あのマシンガンがかなり強い」

オレ「で、俺の歌を聴けぇ〜〜! って叫びながら敵を堕としてた(笑)」

マーク「堕とす時点で原作通りじゃないだろ!」

オレ「あとフクタが作ったヤツだと、バスターがかなり似てたな」

トシ「ああ、カラーリングがメチャクチャ完璧だったやつね(笑)」

フクタ「武器も似てるのあったし。だけどアレ、地味なんだよね。肩はミサイルランチャーだし」

オレ「そういえばグゥレイトライフルも、結局見た目重視にしたから攻撃は地味だったよな」

フクタ「でもバスターは、マトモに戦えるだけまだマシな方だった」

トシ「エヴァとかも作ってなかったっけ?」

フクタ「初号機は作ったけど、すぐ解体した。アレは使っててつまらねぇ」

オレ「プログナイフのために、ナイフ型の短距離ブレード装備して、あとはポジトロンの代わりにただのエネルギーライフル積んだだけだし」

フクタ「弱くないけど、普通すぎ」

オレ「むしろフクタが作ったヤツだと、失敗作のが見てて面白かった(笑)」

マーク「どんなのがあったの?」

フクタ「ゼオライマーはヤバかったね」

オレ「ああ(笑) むしろ次元連結砲を無理に再現しようとしたのが間違いだよアレは」

トシ「何装備したの?」

オレ「要するに、武器持ってるんじゃなく、手からビーム撃ってるように見せたかったわけね」

フクタ「だから格納型のパルスライフル積んだ」

トシ「メイオウ攻撃は?」

フクタ「そんなの無い。だから設定は、美久がいない状態のゼオライマー」

トシ「めちゃくちゃショボいじゃねぇか!」

オレ「だって格納パルスガンだぜ? ゼオライマーのクセに、火力が全然ねぇのよ(笑) 似てるのはカラーだけっていう」

フクタ「まぁ、一番の不良品はイデオンだけどね」

マーク「イデオンも作ったのかよ。イデオンガンとかどうしたんだ? カラサワとか?」

フクタ「いや、イデオンガンは再現不可能だと思って諦めた。その代わり、全方位ミサイルを再現しようとした」

オレ「だから両手両肩に、ただ同時発射数が多いだけのミサイル積んで、FCSにロック数多いのつけて、そんだけで出撃させたんだよ」

フクタ「そしたら重量過多で動かなかった」

トシ「それは不良品以前の問題だろうが!」

マーク「それくらい確認しとけよ!!」



  ―― ◆ ――



オレ「結局、スーパー系でマトモに戦えたのってひとつも無いっけ?」

フクタ「しいて言うなら、ストライクフリーダム」

オレ「いや、気持ちは解るがアレは一応リアル系だから(笑)」




――でもこれは、ネタ機体でも勝てるフクタの技量があってこその遊びだと思う。

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