5位:NOIR (A)
「ノワール。其は古よりの定めの名。死を司る二人の乙女……」って、そんな前口上はいらないか(笑)。
ともかくベスト5のトップバッターは、この『ノワール』からスタートだ。
総合順位では5位とはいえ、全26話で完結となる短編アニメ作品としては堂々のトップ。同じく2クール作品の『エヴァ』に対しても、4位もの差をつけた形になった。
『ノワール』のグッドなポイントといったら、そりゃいっぱいあるんだが……。とりあえず「一番」を挙げるとすれば、それはやっぱり「キャラクターの良さ」ということになるだろう。
しかし「キャラクター」が最大の魅力と言っておきながら、主要と言える登場人物がたった4人しかいないというのもこの作品の凄いところだろう。
霧香、ミレイユ、クロエ、そしてアルテナさん。なんせOPアニメにもこの4人しか登場しないくらいだし、やっぱり「主要キャラ」といったら彼女らのことを指すんだと思う。
ただ、「4人しかいないからこそ」というべきか……。その4人の作り込みが、ホントに素晴らしいのがこの『ノワール』なんだよ!!
更にオレが凄いと思うのは、4人のキャラクターを深めていくために、この作品が「心理描写」を多用していないところだ。
キャラクター個々の内面を掘り下げていくために、『ノワール』が用いているのは決して心理描写ではない。この作品が用いるのは、例えばちょっとした「言動」や「仕草」、あるいは動作間の「間」などといった現実に目で見える事象なのである。
『ノワール』という作品は、そういった細かな要素の使い方が本当に上手いと思う。基本的には「バトル」が主軸となってるアニメのはずなのにさ。
バトルといえば……そうだ。『ノワール』、この作品の「キャラ魅力」と同等に素晴らしい部分といったら、やはりバトルシーンの描き方だろう。
銃を使っても殺陣、って言うのか? 言わねえか。ともかくこの作品におけるバトルシーンといえば、どれもこれもが感動的なほど「綺麗」で「カッコイイ」と。
オレは、心の底からそう思ってるワケよ。ん〜、ひとつの単語で言い表すならまさしく「スタイリッシュ」ってヤツかな。
なんといっても霧香のカッコ良さ、霧香の凛々しさ、霧香の強さが光って光って輝いて……! って、んあ? ミレイユさんはどうしたって?
ん〜……そこはノーコメントで(笑)。
でもホラ、下手なフォローを入れるようで悪いけどさ! 「バトルシーン」なんていう、普通ならアクションとテンポばかりが際立つ場面を有効に用いて、ああまで顕著に「霧香とミレイユさんの腕の違い」ってのを無言で表現しているのはかなり凄いと思いますよ!?
……って、こりゃアニメ制作の手法を褒めてるだけで、結局ミレイユさんに対するフォローにはなってないか(笑)。
キャラ、バトルと来たら、最後はやっぱり「音楽」だ。OPテーマであるコッペリアの良さも特筆に価するのだが、それと同じくらい、いやそれ以上に素晴らしいのがこの作品のBGMだ。
たとえば有名処の「canta」や「salva」。あの辺りは本当に素敵なんだよなァ……。