「もっとゆっくり歩いてよ、見えないじゃない」
「ぐず!」
「全部消して。この村も、あいつらも、全部」
永遠のヒロイン・美耶子。恭也が生き続け、闘い続ける限り、彼女の想いも決して消えない。
肉体を失い、精神だけの存在となっても恭也を導いた美耶子。
最終戦で幻視をすることにより映り込む美耶子の姿は、『サイレン』というこの物語の縮図だという印象さえ受ける。
具体的なイメージではなく、感覚的な話になるんだけどな。
ゲームだけでなく、マンガでも何でもあるひとつの作品には大抵一人の「ヒロイン」がいる。
そんな数多くのヒロインたちの中にあって、『サイレン』における美耶子の「ヒロイン度」は相当なレベルであるとオレは思っている。
出会ってから2日と経ってはいないものの、恭也と心を通い合わせた美耶子は真にヒロインだった。
ところで、わかっていたことながら彼女が14歳だということはけっこうな驚きだ。
その現実離れした存在から、ひとえに「大人びている」と言っていいのかはわからないのだが……。
いずれにせよ、恭也も感じていた通り「不思議な子」であることは間違いないわな。