『TOA』の元ネタ特集!


序文

オレは今まで、自分の書きたいことを勝手気ままに書いてきたわけだが……ちょっと、世情というものを考えてみた。
自己紹介を見てくれた人はわかるかもしれないが、オレの趣味のひとつには「絵の上手い人による版権絵を眺める」というものがある。 だからオレはホームページを巡り、その結果目を留めた素敵なイラストサイト様・ならびにその管理人様たちには多大な感謝をしている。 またいくつかのサイト様からは、キリリク等としてイラストを頂くこともできた。これは、筆舌に尽くしがたいほどの幸せである。

でもオレは、そんな皆様に何のお礼もできない。お返しとしてイラストを描くこともできないオレに、一体何ができるのか……。 それを必死に考えた結果、思いついたのがこの企画だ。

そもそもオレがお世話になっているサイト様は、そのほとんどが『テイルズ』関連のイラストサイトだ。そして最新作ということで、皆さん『アビス』を取り扱っている。
こんなモノが何かのお礼になるかどうかはわからないが……。
これがゲーマーとして、テイルズファンとして、また絵でなく文でしか感謝の気持ちを表せないオレとしての精一杯だ。
とりあえず雑学としてでも、『アビス』好きの方々に少しでも「へぇ〜」と言ってもらえる元ネタ特集。それを目指して頑張るぜ!!
(2006.2.22 Written by ナツキ)

元ネタってどういうこと?

『テイルズ』シリーズを何作かプレイした人ならわかるだろうが、このゲームには毎度のように「過去作品からのパロディ」が登場する。
要するに、それが「元ネタ」だ。
アイテム・技・敵・台詞……。そのパロディは随所に散りばめられ、全ての作品をプレイしていないと……いや、全ての作品をプレイしていてさえ見逃してしまうものも多い。 ここではそんな中で、オレが発見することのできたモノを発表していくことにする。
つーか、知っている人にとっては「そんなの言われずともわかるわ!!」ってなモノばっかなのだが、そこは勘弁してくれ。
また『アビス』ばかりでなく、元ネタとなっている『P』〜『L』の各ソフトに関するネタバレも多分に含むので注意!!
少なくとも、『アビス』に関してはクリア後に読んだ方がいいでしょう。

キャラ

アニスちゃんがパーティー最年少の女の子ながらHP・攻撃力ともにトップなのは、プレセアちゃん(S)のリフレインという気がしなくもない。
プレセアちゃんも、パーティー最年少の女の子(ツッコミ禁止)ながらHP・攻撃力ともにほぼトップ。ちなみに髪型はツインテールだ(笑)。

ありじごくにん→シリーズおなじみの「○○にん」。今回は、歴代でもトップというほど味のあるキャラに仕上がっている。
ちなみに今まで出てきた「○○にん」は、『D』で初登場のねこにんと、『R』のうさにん。そこからいきなり「ありじごく」とは、随分なギャップがあるなぁ。

漆黒の翼→コイツらもシリーズおなじみ。ヘッポコだけど、なぜか憎めない3人組だ。
これまで『D』『E』『D2』『R』の4作品に出没。それぞれおいしかったりおいしくなかったりと地味な活躍(?)を続けながら、なんとかこれまで頑張ってきた。 昔はグリッド・ジョン・ミリーという名前までも固定だったが、『R』からは踏襲されなくなったらしい。ただし毎回男2、女1というメンツは変わっていない。
今回、そんな漆黒の翼に初の女性リーダーが誕生!! さすがノワール、ファンクラブを持つ身は伊達じゃない。

ADスキル

クリティカルガード→「+→」で、前進しながら敵の攻撃をガードするクリティカルガード。これは『D2』の「プレスガード」を踏襲している。 当時は戦闘における基本操作の1つという位置付けだったが、今回はめでたくADスキル化。ただ、以前にも増して使われなくなったというのは間違いない。むしろ一度も使わずゲームを終えた人もいるのでは?

スキルガード,マジックガード→「+↓」で粋護陣を出すという「スキルガード」は、『S』からの継承。 『S』においても同様のコマンドで同名の防御技を出すことができたが、それはイベントによって習得する特殊な技であった。
また「マジックガード」は、『D2』において同コマンド・同名の防御技が存在する。こちらは基本テクニックという位置付けだ。

ピコハンリベンジ→ダメージを受けたときにピコハンが飛び出すというこのふざけたスキルにも元ネタが存在する。 『E』において同名の装飾品が存在し、それを装備することにより同様の効果を得られたのだ。
ちなみに、その専用装備キャラは「チャット」。アニスの「大海賊の人形」の元ネタとなっているキャラである。

ローバーアイテム→元々は『D』のルーティ、『E』のチャット、『S』のコレットといった歴代のぬすっとキャラが習得していたアイテム強奪技の名前。 今回はシステム的に「盗む」のは単一の技ではなくFSチャンバーの役目となったため、この名称は「盗む率を上げる効果」としてADスキルに収録となったようだ。

コンボプラスほか→コンボプラスやスピードスペル、グローリーなどといった有用なADスキルの多くは、『S』の「EXスキル」から受け継いだもの。 当時はレベルUPによるスキル習得ではなく、「EXジェム」という特殊なアイテムを装備することにより様々なスキルを覚えることができた。

特技・奥義・術

この分類にはシリーズ常連の技など数多くの再録組が存在するので、特筆すべきものだけを挙げていく。

絶破烈氷撃ぜっぱれっひょうげき→ルーク&アッシュのFOF技(烈破掌+水)だが、これには気付きにくい元ネタがある。
それは『D2』におけるカイルの秘奥義・絶破滅焼撃ぜっぱめっしょうげきだ。 技名はもちろんのこと、前者は氷の力で敵を吹き飛ばす技で、後者は炎の力で敵を吹き飛ばす技だと共通点が多い(むしろポーズが同じ)。ちなみにルークたちの徒手空拳に対し、カイルは剣を使ってこの技を放つ。

魔神拳ほか→通常技には、シリーズ歴代の技がほとんど無いルーク。しかしルークの奥義イベントで覚える5つの技は、反対にどれも歴代技になっている。 ちなみに、その技を使う代表的な歴代キャラは以下の通り。
魔神拳→『L』のセネル。瞬迅剣→『S』のロイド。雷神剣→『E』のリッド。岩斬滅砕陣・空破絶風撃→『D2』のカイル。
すなわち、全て主人公の技だということです。

ロスト・フォン・ドライブ→HPがピンチのときに×の同時押しという発動条件は、歴代主人公のお馴染み奥義コマンドだ。
歴代では『P』『E』『S』の3人がこのコマンドによる最終奥義を所持。特に、『S』のロイドは「HP15%以下」というところまで一致している。

ティアの譜歌→ティアが覚える6つの譜歌。そのうち「ホーリーソング」「ジャッジメント」「グランドクロス」の3つは、『S』でコレットちゃんが習得する「天使術」とレパートリーが同じ。
6つしかない譜歌。そして天使術も全部で5つしかない。そのうちの各3つがかぶったのだからこれは大きいだろう。いずれもただの術ではなく、物語的に重要な意味を持っているという共通点がある。

ぐるぐるぐんぐにる→実にアニス節が満開なこの技にも、元ネタはある。それは『S』のユニゾン・アタックである「グングニル」だ。
技発動時のアニスちゃんの台詞は、「神槍の一撃!」 だが、グングニルもキャラの組み合わせによって「喰らえ、神の一撃!」(ゼロスver.)ってなモンがあったりする。

ガイの技→特技と特技の複合奥義(魔神月詠華など)を除いて、ガイはそのほとんど全ての技(FOF技含む)が歴代技のリフレインだ。
具体的には、秋沙雨のFOF技である「烈震千衝破」と最終奥義「絶破十字衝」、更にそのFOF技の「絶衝氷牙陣」……この3つを除いた全ての技がリフレイン。ただし中には色々とわかりにくい元ネタがあったりもするので、ここではそれを書き連ねる。
まずは氷月翔閃ひょうげつしょうせん。これは「孤月閃」の昇華技ということを鑑みるに、プレセアちゃん(S)の翔月双閃しょうげつそうせんが元だろう。(翔月双閃は孤月閃の進化技)
次に龍爪旋空破りゅうそうせんくうは。ただ、こればっかりは元ネタに自信がない……というかほとんどこじつけだ。ただ名前的に『P』の襲爪閃空破しゅうそうせんくうはが思い浮かぶ。
「獅吼爆雷陣」は、『D』初出典の「獅吼爆炎陣」が元だと思いがちだが、実は『P』(PS版)にまったく同じ名前の技が登場する。 闘技場に登場するリリスちゃんが使ってくるのだ。
最後に秘奥義の鳳凰天翔駆ほうおうてんしょうく。これは色々考えられるが、まあ恐らく『D』の皇王天翔翼こうおうてんしょうよくからインスパイアされたのだろう。

エンブレスブルー→ナタリアの台詞は、「輝ける青よ!」 『L』をやった人なら、コレにニヤッとくるハズだ。当然ながら第7章タイトルの「輝ける青」が元。ちなみにその英題は「Shining Blue」である。 もっとも、これが元ネタだという保障はどこにも無いが。

詠唱台詞の相似

※量が多いので全てを記してはいませんが、わかりにくい相似を集めました。

ティア:エクレールラルム「仇成す者に、聖なる刻印を刻め」
ヒルダ(R):フラッシュティア「仇成す者よ、聖なる刻印を刻め」

ティア:ホーリーソング「壮麗たる天使の歌声……(♪譜歌部分♪)」
コレット(S):ホーリーソング「(前略)響け、壮麗たる歌声よ……」

ジェイド・アッシュ:エクスプロード「全てを灰塵かいじんと化せ!」
ジーニアス(S):エクスプロードほむら御志みしよ、災いを灰塵と化せ!」

ジェイド:プリズムソード「断罪の剣よ、七色の裁きを持ちて降り注げ!」
ジーニアス(S):プリズムソード「剣に秘められし、七色の裁きを受けよ!」

インディグネイション

ジェイド:「天光満つる所我は在り。黄泉の門開く所汝在り。出でよ、神の雷! これで終わりです! インディグネイション!!」
モリスン(P):「天光満つる所我は在り。黄泉の門開く所汝在り。出でよ、神の雷! これで最後だ! インディグニション!!」
キール(E):「天光満つる所我は在り。黄泉の門開く所汝在り。出でよ、神の雷! これで最後だ! インディグネイション!!」
メルディ(E):「天光満つる所我は在り。黄泉の門開く所汝在り。出でよ、神の雷! これで最後だ! インディグネイション!!」
ジーニアス(S):「天光満つる所我は在り。黄泉の門開く所汝在り。出でよ、神の雷! インディグネイション!!」

違いは、詠唱完了台詞のみ(あとイントネーション)。ジェイドが「これで終わりです!」 3人が「これで最後だ!」 ジーニアスが無し。
また、『P』の頃はインディグネイションじゃなくてインディグニションでした。でも発音は「ネイ」と言ってる気がするのだが……。

アイテム

ソーサラーリング→「ソーサラーリング」というアイテム自体はシリーズ常連(アビスを含め5作登場)だが、主人公以外(ミュウ)がそれを使うのは今作が初めて。 今までは主人公がリングを指にはめ、そこから炎などを放っていた。ちなみに、ミュウアタック・ミュウウィングに該当するものは特に無い。

セルシウスキャリバー→『R』に登場の、同名の秘奥義がモチーフとなった剣。

フランベルジュ&ヴォーパルソード→『S』に登場した炎と氷の双剣「マテリアルブレード」がモチーフ。

ラストフェンサー→『P』のクレスが取得する最強称号がモチーフ。後に『E』にて剣名として再録された。

SD→ソーディアン・ディムロスの略。『D』に登場した、炎の力を宿す意思を持った剣。

ジーニアスワンド→『S』に登場した少年魔術士、ジーニアスをモチーフにしている……が、武器自体は『A』のオリジナル。
だってジーニアスの武器は杖じゃなくてケンダマだから(笑)!

デッキブラシ→テイルズ名物の弱小武器……だが、どの作品においても凄まじい珍重がされている謎の掃除用具。初出展は『D』。

デュナミス→「ある兄弟の兄」が使ったとされる武器。もちろん、『D2』における主人公カイルの兄貴分「ロニ・デュナミス」が元ネタ。

ユーティス→風の3姉妹、その次女が用いた弓。『S』に登場した精霊・シルフ3姉妹の次女がモチーフ。

アイフリードハット→シリーズにたびたび登場の大海賊・アイフリードの帽子がモチーフ……というかそのまんま。

ふゆトマト→『E』に登場するとても珍しいトマト。

リンカの実→『S』で登場。精霊との契約に必要な貴重品。

リヴァヴィウス鉱石→『E』で登場。究極の剣・ラストフェンサーの原料となるすごい鉱石。

アニスの人形

テイルズ関連のモノだけに注目すると……。

時をかける少年の人形→時をかける少年とは、時空を超えて冒険する『P』の主人公クレスのこと。赤いバンダナがトレードマーク。
装備するとアニスの勝利台詞が「ぼ〜くら〜の勝〜ちだぁ〜!」に変化するが、本物はあんなに崩れてませんのであしからず。普通に「僕らの勝ちだ!」ですよ。

神官の人形→神官で緑の三つ編みといえば、『D』のフィリア。そもそも彼女から入手できるアイテムだし。
台詞変化は「お痛が過ぎますよ!」

大海賊の人形→元ネタは『E』のチャットに間違いないのだが、彼女は別に唇のデカさが印象的な子じゃなかった気もするが。
台詞変化は「機械って……崇高ですぅぅ!」

時をかける少女の人形→時をかける少女とは、時空を超える力を持つ『D2』の聖女様のこと。
台詞変化は「えへへ! 勝利勝利〜!!」

うつろな少女の人形→うつろな少女とは、心を失った少女プレセアちゃん(S)のこと。
台詞変化は「時間は戻ってこない……」。ロディル戦でプレセアちゃんが呟く台詞だ。

稀代の天才の人形→稀代の天才とは、『D2』の超天才科学者ハロルドのこと。
台詞変化は「で〜た採取か〜んりょ〜〜う!」だが、なぜにアニスはこんなに崩したがるのか!?
いくらハロルドといったって、せいぜい「データ採取かんりょ〜う!!」くらいなもんだぞ?

称号

モンコレレディ→『S』のリフィル先生にも同名の称号がありますが、ネコ耳にはなりませんよ!!

大人な子供(?)→同じく『S』のプレセアちゃんに、「大人な子供」という称号あり。が、2人で随分とその意味合いが違いますね(笑)。

ねこねここねこ→またまた『S』のジーニアスに同名の称号が。気ぐるみルックも同じですが、オレはジーニアスの方が好きだ!(聞いてねえ!!)

マブダチ→更に『S』より。恐らくジーニアスの「トモダチ」に掛かっている。

スケベ大魔王→『P』のチェスター、『S』のロイドと受け継がれてきた魅惑の称号。ただし今回のガイも含め、チェスター以外は誤解ですから!

サブイベント

ソードダンサーイベント→これは、完全に『S』のリフレインだな。計3回闘うというところはもちろん、その姿からしてほとんど「まんま」だ。

バチカルーン→『E』では、シャンバールという街にこれとほとんど同じミニゲームがあった。ちなみに名前は「シャンバルーン」。
シャンバールにあるからシャンバルーン! バチカルにあるからバチカルーン!!(笑)

ネビリムイベント→「魔剣ネビリム」を始めとした魔装備や、それを世界中から集めることで強敵と闘えるというのは『S』の同名イベントと共通。
しかし『S』にて闘えるのはあの人じゃなく、もうちょっとだけ変態レベルの高い人である。

闘技場エキシビジョンマッチ→毎度お馴染み、シリーズの歴代キャラたちが登場だ!
今回の闘技場ではリッド(E)、ナナリー(D2)、フィリア(D)、ミント(P)と初代4作品から各1人ずつが参戦! BGMも、4作品の戦闘テーマがMIXされた至極の一品である。
ちなみにフィリアさんの装備がクレメンテだとするならば、イラプションとレイズデッドは使えないハズです。まあ、別にそんなのどうでもいいんだが。
ついでに言うと、リッドの極光壁にも全体蘇生効果はありませんが……あれはもう、カッコイイから何でも許す!!!

戦闘勝利時掛け合い

ルーク「今の魔物、何て名前だ?」 ティア「わんたろー……」 ルーク「はぁ!?」 ティア「だって可愛いんだもん……」

この勝利台詞には、元ネタがあるぞ。『S』にて、犬タイプの敵を倒したときに……。
リフィル「今の敵……何というのかしら?」 コレット「えっと、わんたろーがいいです!」 リフィル「種族を……聞いたんだけど……」
……と、コレですね。では次へ。

ルーク「チョロいぜ!」 ガイ「甘いぜ!」 ジェイド「チョロあまですねぇ」

これの元ネタは当然、『R』の……
ティトレイ「チョロいぜ!」 マオ「甘いぜ!」 アニー「チョロあまですね!」
……コレだな。さてさて、3つめは……

ルーク「俺たちの武器は、地位と!」 ジェイド「謀略と」 アニス「騙し討ち!」

そして最後はコレ。これの元ネタは、『S』の……
コレット「私たちの武器は、愛と!」 ジーニアス「勇気と!」 クラトス「き……希望……」
……とまあ、コレだ。いやはや、上と下とでまさに天と地だな……。



それでは、唐突なようだがオレの手持ちもここまでだ! ここまで読んでくれた人、ありがとう!!
飛ばし飛ばしでも、ここまで来た人ありがとう!!
ヴァン先生……! ありがとうございましたッ!!! 完!

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