オレも記憶があやふやなのではっきりとしたことは言えない……。
言えないものの、恐らくこのマンガはオレにとって「記念すべきマンガ」なのだと思う。
生まれて初めてプレイしたゲームが『マリオブラザーズ』だったように……
オレにとっての『幽白』は、自分が生まれて初めて読んだマンガであるハズなのだ。
遥か昔のことゆえ、記憶さえもはっきりしないのだが……。
確かに、「初めてやった」「初めて読んだ」から何だというのだという意見もあるだろう。
その通り。別にそこには純然たる意味が存在するわけではない。
しかし考えてみて欲しい。
「生まれて初めてやったなにか」というものは、その後一生変わることはない。
己が死ぬまで、絶対に、100%変わらない事実なのだ。
だからこそ、オレはこの作品に特別な想いを抱かずにはいられない。
記念すべきファースト・コミック。
それはオレの身体に刻まれた、「歴史」のひとつなのだから。 (2006.2.6)