試合会場生観戦記
3月31日 新日本キックボクシング(後楽園ホール)
○小笠原仁 判定 メッケンナー・ソー・キンスター●
○武田幸三 判定 ガオグライ・ゲーンノラシン●
室長:何だ、ラジャの王者の試合をまとめてでいいのか?
静刃:今回はいいですよ。二試合とも特筆すべきところはありませんでした。
室長:そんなものか。
静刃:悪い意味ではありましたよ。武田は1ラウンドに顎へハイキックを喰らって尻餅ダウンを喫したし、小笠原の試合で目立ったのはセコンドについた深津や伊原代表の大声くらいでした。
室長:武田がダウンだと?
静刃:弾みに近いものでしたが。その後相手がローの防御が下手なのがわかり、一度スリップ気味のダウンを取り返したんですが、それっきりでした。
室長:前回の試合が良すぎた反動だろうか。
静刃:そんなことあるんですか?

○菊地剛介 判定 飛見立久●
室長:飛見といえば、前回の試合で大逆転KO勝利の選手だな。
静刃:ええ、でも今回はそうはいきませんでした。スプリットデシジョンで微妙な判定では有りましたが、私の判定でも菊地の勝ちです。
室長:君の判定はあてにならんからな。
静刃:・・・。

 深津飛成 引分 サックニラン・サックテーワン
○ソンコム・ギアッヌクン 判定 石井宏樹●

静刃:石井は完敗、深津は惜敗です。
室長:深津は引分だろ?
静刃:その判定には深津本人も含め、誰も納得してませんでしたよ。実際ジャッジは一人、サックテーワンの勝ちとしていましたからね。
室長:そういえば最近、日本人王者はタイ人選手相手に冴えないな。
静刃:欲求不満が続きますよ。

○米田克盛 判定 庵谷鷹志●
室長:3−0で米田が新ウェルター級王者か。で、君の採点はどうだった?
静刃:・・・庵谷の勝ちでした。
室長:ほう、それで、君はどうすべきなのかな。
静刃:観る目をもっと養います。
室長:うむ、お互いにな。
3月16日 全日本キックボクシング(後楽園ホール)
○サッダム・ギャットユンヨット 判定 小林 聡●
静刃:小林が敗れてしまいました。しかも完敗です。
室長:相手は酒井をKOした奴なんだって?
静刃:そうです。悪魔王子が負けたのは怪我のせいだとも思っていたんですが、強いですよ、この選手は。
室長:ほう。
静刃:1Rに少しカット、2Rにその傷がやや開いてチェックを受けたんですが、そこから攻撃の回転がやたらと速くなりまして。、
室長:ブラディ・ファイターか、そいつは。
静刃:そういう部分があるかもしれません。で、そこから先はサッダムが圧倒的に押しまくりで、ダウンを奪い、顔を腫らせたりで、何か小林の表情が弱気にも見えてしまいました。
室長:小林の勝機は無かったのか?
静刃:時折カウンターを突破口に反撃を試みていましたが、続けさせてもらえませんでした。
室長:酒井、小林を連破したとなると、次は・・・。
静刃:金沢ですね。この試合をその目で観てましたから。4月に浜川を倒して、その勢いで行ってほしいですね。
室長:ケチな事言わないで、金沢−浜川の勝者がサッダムと対戦する、とすればいいんじゃないか。
静刃:それもいいですね。

○ランバー・ソムデート・M16 KO(1R) 安川 賢●
静刃:こちらも厳しい結果です。日本人トップ選手がまたランバーに1RのKO負け。パンチと肘のコンビネーションで3回のダウンを喫し、完敗です。
室長:ランバーの前回の試合は不評だったと聞くが。
静刃:ネット上でそんな意見が目立っていましたが、あれは相手のシルバがかなりの実力者なせいですよ。
室長:練習不足をパフォーマンスで誤魔化してたと言うのは。
静刃:シルバの実力がわからない人がKOを観れなかった欲求不満を見当違いの方向にぶつけたってところじゃないですか。
室長:また大胆なことを。

○前田尚紀 KO(4R) ソウル・タイガー・ハン●
静刃:ハン選手は日本未勝利なんですが、もったいない感じがしますね。
室長:何がもったいないんだ。
静刃:蹴りに頼りすぎているきらいがあるんですよ。しかも上段とか後ろ回しとかの大技に。それを繰り出したところを間合いを詰められてパンチを喰らう、なんてパターンが多くありました。
室長:テコンドー出身だっけ?ハン選手は。
静刃:でも、パンチにも結構いいものがありますからね。そちらを主体としたコンビネーションにすれば、もっと幅のある攻撃ができると思うんですけど。
室長:そういう気持ちの切り換えって、難しいと思うぞ。
静刃:もちろん、前田選手も良かったですよ。ですからフェザー級は無理に王者を決めずに、1年ぐらいしてから決定戦を行えばよかったんですよ。
室長:まだ引きずるのか、君は。

○ジェット・デイビー 判定 金 統光●
室長:3回戦だろ、これ。
静刃:はい、面白い選手だったんで取り上げてみました。
室長:もちろん、勝者の方だろ?
静刃:ジェット・デイビー、イラン人で元テコンドー・ヨーロッパ王者。その下地を上手く生かした変則的な動きで相手を翻弄していました。
室長:テコンドーの動きか。
静刃:ええ、このスタイルのまま成長して、ミドル級だから新田選手とやれるまで上がってほしいですね。
3月2日 修斗 (後楽園ホール)
マモル − ジルド・リマ
静刃:王者の凱旋、ですね。
室長:ああ。だが少し危ない内容だった。フロントチョークが極まりかかったからな。
静刃:ブラジル人選手のフロントチョークは必殺として浸透しつつありますね。
室長:レフェリーがキャッチを入れてなかったから安心はしていたが。フィニッシュの腕拉ぎ従事固めは技術に裏打ちされた見事な展開だった。
静刃:終わってみれば完勝、と言ったところですか。

アンデウソン・シウバ − 加藤鉄史
室長:シウバは不気味な奴だったなぁ。長い手足に妙な構え。会場も変にどよめいてた。
静刃:スタイルは打撃ですか?
室長:そうだ。コンビネーションはあまり使わずに一発を確実に入れてくる。加藤のフットワークを巧みにコントロールして常にコーナーに詰めて喰らわせてきた。
静刃:懐に入ることはできなかったんですか?
室長:簡単に言うけどな、あのパンチを観れば「打撃をかいくぐって懐に入る」のにいかに勇気が必要かというのが理解できるぞ。加藤に勇気が無いと言う訳じゃないが。
静刃:それ程ですか。
室長:さっそく池本との対戦が観たくなってきた。

ライアン・ボウ − 八隅孝平
静刃:ボウは最近よく出てきますね。
室長:テイクダウンでもそうだったが、常に有利な体勢をボウが取っていたと言う印象が強い。
静刃:八隅はどうでした?
室長:結構良かったが、相手の方が一枚上手だったな。

室長:それにしても、KIDのデビュー戦は観ておきたかった・・・。
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