試合会場生観戦記
7月28日 新日本キックボクシング (後楽園ホール)
○チャオリワット・ジョッキージム 判定 小笠原仁●
室長:防衛は出来なかったのか。
静刃:はい、チャオリワット陣営の作戦に完全にしてやられました。
室長:「バトルステーション」で大江慎さんがよく言ってる「ムエタイ式採点」というヤツだな。
静刃:小笠原はパンチ主体ですからね。少なくとも1回はダウンを取らないと判定では苦しくなります。
室長:なるほど。
静刃:そこで相手が取ったのがヒット&アウエィ戦法です。ミドルやハイを出しつつ、相手の距離には決してならない。最初から判定狙いというのがわかりました。
室長:で、しっかりハマってしまったという訳か。
静刃:途中からセコンドについた伊原代表は攻め切れない小笠原に激昂してました。
室長:まさか、それで萎縮してしまったとか?
静刃:さすがにそれは無いと思いますが。

○井場洋貴 KO 鈴木洋見●
静刃:この井場という選手、前回は石井宏樹チャンプと対戦してて「彫の深い顔vs地味な顔」なんて好き勝手な事を考えながら見てたんですが・・・。
室長:相変わらず失礼な見方をしているなぁ、君は。
静刃:で、その時は判定負けだったんですが、中盤辺りは結構押してまして、印象に残ってたんですよ。
室長:ほう。
静刃:で、今回なんですが最初は鈴木の方が攻勢に見えたんですよ。一発の当たりの強さも上回って見えたし。
室長:君の見た目があてにならないのはわかっているが・・・。
静刃:・・・ですが、井場はジワジワとパンチで攻め返し、最後にはKOですよ。
室長:要するに強さを見抜けなかったわけだな。
静刃:ええっと、今後は井場の試合は意識してよく見るようにしますよ。今年は無理でも、来年末にラジャナンダムに行くのは彼かもしれませんから。
室長:気も早いし、極端が過ぎるぞ。

7月22日 全日本キックボクシング (後楽園ホール)
○小林聡 KO マーシャル・エリザベス●
静刃:小林が貫禄勝ちでした。
室長:本当に強い王者、となってきたか。
静刃:でも完勝すぎて、少し物足りない気もしますが。
室長:君、それはゼイタクを通り越して失礼だぞ!強い選手がその力を存分に見せてくれたのだから、感謝こそすれ不満を言う筋合いではないだろう。そんなことだから君の判定は実際のジャッジと離れるんだ。
静刃:それはちょっと関係ない気が。でもやっぱり林亜欧は少なくても1ポイントは・・・。
室長:違う試合のことを話してどうする。

○大野崇 KO 新田明臣●
室長:番狂わせ、と言え・・・
静刃:大番狂わせです(断言)。大野は4月大会で組まれては転がされるの繰り返しでヘロヘロになってた印象が強いので、まさかの思いですよ。新田は休み明けだから、KOは無理にしても判定で勝つと予想してたんですが。
室長:苦い経験を糧にするとは、いい選手じゃないか。
静刃:2Rまでは新田が押してたんですよ。ローを上手く散らして確実にダメージを与えていたし。
室長:転機は3Rだっけ?
静刃:はい、アッパーカットを喰らってのダウンです。新田のダウンなんて、信じられませんでした。そして4R、再度のダウンの後にヒザをモロに顔に入れられて・・・。
室長:ヒザは最近、PRIDEなどでも注目されてるが。
静刃:やはり打撃の専門家は違いますよ。この後も触れますが。
室長:それで10カウント、と。
静刃:いえ、レフェリーがカウント途中で止めました。やばい倒れ方だったんで妥当とは思います。それでも最後の瞬間まで新田は立ち上がってくれると信じてました。
室長:思い込みが激しいな。そんな見方は少し危ないぞ。もっと冷静にならないと。

○安川賢 KO YUTAKA●
静刃:いやぁ、「首相撲」を堪能させてもらいました。
室長:ほう、安川は1Rに二度のダウンか、危なかったじゃないか。
静刃:YUTAKAの思い切りのいいパンチが決まりました・・・って、また何を読んでるんです。
室長:まぁいいじゃないか。
静刃:それで2R、崖っぷちと思われた安川がYUTAKAに組み付いてのヒザ蹴り連発。無数のヒザをYUTAKAの腹に突き刺してダウンを奪取。実況の矢野アナも思わずのけぞる鮮やかなKO劇でした。
室長:妙なとこばかり見てるな。しかし腹に喰らってのKOじゃ、やられた方はかなりキツイだろうな。
静刃:しばらく動けないままでいました。
室長:YUTAKAはこれが初黒星なのか。おや?名前が加藤豊になってるぞ。
静刃:だから、別のサイト見ながら相手しないで下さい。

7月17日 J−NETWORK (後楽園ホール)
 増田博正 引分 ソンハーン・ナチャイ
静刃:フェザー級日本最強とも言われる増田の試合を初めて生観戦したんですが・・・
室長:歯切れが悪いと言うことは、期待外れだったんだな。
静刃:そこまでは言いませんよ。それまで出てきた選手とは明らかに違う雰囲気を持ってたし、テクニックは一味も二味も違ってました。まぁ、今イチの試合だったのは確かですが。
室長:相手が強かったから引き分けた、ならまだ良いが。
静刃:いい選手とは思いましたけど、強かった・・・のかなぁ?
室長:・・・わかった、つまり他の選手がそれ程じゃないから良く見えるだけで、最強と言える程じゃない、とこういうことだな。
静刃:勝手に解釈しないで下さい。3ラウンドにコーナーに追い込まれたのを左一発で押し返したのは見事だったし・・・。
室長:続かないようなら、次に行こう。

○蔵満誠 判定 ノントウム・パリンヤー・WINDY●
室長:パリンヤーって、まだやってたんだな。
静刃:これこそ「外れ」の試合ですね。期待なんかしてなかったから、ただの外れ。蔵満もさっさとKOしてあげればいいのに攻め切れないもんだから、少し呆れました。
室長:相手はもはや「男」じゃないんだから、それなりに加減したんだろ?
静刃:試合後のインタビューでは「全力で倒しにいった」なんて言ってましたよ。あれで全力なら、君は誰にもKO勝ち出来ないって。

○グリラウスカス・ダリウス KO 長谷川康也●
静刃:今回一番衝撃的だったのはこの試合ですよ。
室長:1ラウンド36秒?
静刃:ロープに詰めたダリウスが右ヒザを頬に突き刺して、一撃でKOです。
室長:ふむふむ、掣圏道の選手なのか。
静刃:何を読んでるんです?
室長:そんなことはいいじゃないか。で、掣圏道も研究対象にするつもりなのか?
静刃:主な会場が有明ですからね。迷うところですよ。

7月6日 修斗 (後楽園ホール)
○戸井田カツヤ 判定 バレット・ヨシダ●
室長:今回は何と言っても戸井田だよ。
静刃:このカードはコンテンダーズでもありましたよね。
室長:ああ。コンテンダーズでもだが、修斗ルールでも実に素晴らしい内容だった。特にグラウンドの攻防は互いに膠着を嫌った目まぐるしい動きを見せて、一瞬たりとも目が離せなかった。
静刃:動きが多いのは、階級が軽いせいでしょうか。
室長:それもあるだろうが、やはりこの二人だからだろうな。
静刃:決め手は何だったんでしょう。
室長:総体的に見て、戸井田の方が攻勢と見たんだろうな。ヨシダは1ラウンドにフロントチョークでキャッチが入ったが、それを外されてからは攻めきれなかったように思える。
静刃:へぇ。
室長:マウント/ガードポジションの攻防や脚関節の取り合いは互角と言うか、やや戸井田寄りで進めていた。その辺が決め手とも言えるかもしれない。
静刃:修斗もライト級が激戦区になってきましたね。
室長:そのうちKIDも上がって来るだろうからな。実に楽しみだ。

○山本"KID"徳郁 KO 亀田雅史●
静刃:で、そのKIDですが。
室長:終始打撃にこだわってのKO勝利だ。
静刃:彼はレスリング出身だったんじゃないですか。
室長:修斗ではまだ、打撃しか見せていない。
静刃:隠してるんですかね。
室長:まだ打撃と組み技の連係が出来ないとも考えられる。
静刃:ふーん。「『やらない』のは『出来ない』のも同然」というわけですか。
室長:まあ、年内のクラスA昇格は確実だろうから、本当の楽しみはそれからだ。

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