試合会場生観戦記
11月30日 全日本キックボクシング(後楽園ホール)
○小林聡 1RKO オスマン・イギン●
静刃:ビックリしましたよ。1R早々に小林が左ハイキックでダウンを喰らってしまいました。しかも勢いと言うより完全にダメージを受けてのですから。
室長:小林にしては不覚だな。
静刃:更にイギンはパンチで畳み込んで来て2度目のダウン奪取です。この時点で1R残り2分余り。
室長:KOは時間の問題、ってパターンだな。
静刃:会場は騒然としましたよ。私も混乱して「300万円マッチは延期?中止?」なんて考えてしまいました。
室長:君は全日本の関係者か。
静刃:でも、そこからが凄かったんですよ。スリップしてヒザをついたイギンの胸板に強烈なキックを一発入れて・・・。
室長:ちょっと待て、それは反則だろう。
静刃:打ち合いに持ち込んでから顎に首を捩じ切らんばかりの強烈な右フックを炸裂させてマットに打ち伏せ、大逆転のKO勝利です。
室長:だから反則が・・・。
静刃:本当に信じられないものを観ましたよ。そう言えば小林は最近の試合は、まず相手の強さを誇示させてから次に自分がそれ以上の強さで勝つ、というのが続いてますからね。まさに「元気があれば・・・」の人を踏襲してますよ。しかもキックの舞台でやるんですから。
室長:人の話を聞けっての!相手のイギンにしてみれば九分九厘手中にしていた勝利を反則でもって奪われた形じゃないか。
静刃:そう言えば本人はともかく、セコンドは結構怒ってました。
室長:遺恨試合になるんじゃないのか。イギンの地元で再戦とか。
静刃:そのときは返り討ちですよ。今の小林は無敵ですから。
室長:お気楽でいいな、君は全く。

11月25日 修斗 (ディファ有明)
○大石真丈 三角固め マモル●
室長:今回は判定ばかりだったんだが、最後に素晴らしい技でもって大石が極めてくれたよ。
静刃:判定が多いとダレますもんね。
室長:マモルの打撃をかいくぐってテイクダウン、そしてパスガードから三角だ。うむ、本当に見事な連係だった。
静刃:「三角固め」と「三角締め」って、何が違うんですか?
室長:・・・。
静刃:・・・。
室長:まぁ、それは今度SAMURAI!や雑誌で検証する事としよう。
静刃:いいですけど。
室長:それはともかく、試合後にKzファクトリーの選手、関係者が大挙してリングに上がって大石を祝福したのは感動モノだったな。皆、本当に嬉しそうにしていた。
静刃:そういうのって、なんか羨ましいですね。

○今泉健太郎 判定 廣野剛康●
室長:試合後に「21世紀になって負けてばかりです」と関係者に自嘲していた廣野だが、現状のままだと厳しいだろうな。
静刃:実力的にですか?それとも年齢?
室長:いや、体格だよ。廣野は元々フェザー級としても小さい上、階級別の体重制限が改正されたせいで以前ならライト級の選手とも闘わざるを得なくなった。今回もテイクダウンしながらも結局はグラウンドで不利な体勢に持ち込まれる、なんて場面が目立ったしな。
静刃:そういえば新王者の大石選手もライト級からの転向ですね。
室長:だからSAMURAI!でも言われてるけれど、彼はバンタム級に転向すべきなんだ。だんだん選手層も厚くなりつつあるし、廣野が引っ張っていって、そして初代バンタム級王者となる。
静刃:理想ですか?
室長:盛り上げるには牽引車が必要なんだよ。ウェルター級のルミナやミドル級のマッハみたいにな。廣野なら適任だと思うんだが。

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