試合会場生観戦記
1月27日 新日本キックボクシング (後楽園ホール)
○鷹山真吾 判定 庵谷鷹志●
静刃:いやぁー、何とも凄絶な打ち合いでした。両者とも顔を晴らすは目の周りを切るはで、フルラウンドよく戦い抜いたもんです。
室長:ほほう。
静刃:1Rは庵谷が殴り殴り殴りまくるのを鷹山が凌ぎきり、反撃に回った鷹山が今度は止む事無く殴りまくって遂にはスタンディングダウンまで奪いました。
室長:それじゃ初回KOを期待したんじゃないのか。
静刃:ほんの僅か、そう言う気持ちも過ぎりましたがそれより遥かに「もっとこの殴り合いを見ていたい」って気持ちの方が大きかったですね。
室長:よく理解できないが。
静刃:何より当人たちが本当に気持ち良さそうに殴り合ってるようだったんで、私もつい「もっとだ!もっと!」などと盛り上がった気分になってしまいました。
室長:・・・ますます理解できん。
静刃:私もそれまで「気持ちで闘うタイプ」なんて聞いても全く理解できなかったんですが、この試合を観たおかげで少しわかってきましたよ。
室長:まぁ、見聞が広がるのは悪くはないが。
静刃:で、1Rに続き2R、3Rとスタンディングダウンを奪った鷹山が後半追い上げられながらも判定勝利を収めました。本部席から急遽「敢闘賞」が贈られる程で、それだけ観客の心を動かしたんですよ。
室長:そこまで言うのなら、「バトルステーション」でチェックしておこう。
静刃:・・・ちょっとそれは危ういですね。このカードは全11試合中の第7試合で、その後も5試合中3試合がフルラウンドの判定ですから。
室長:しかし盛り上がったのならダイジェストぐらい流してくれるんじゃないか。
静刃:うーん、だといいんですけどね。

1月26日 NJKF (後楽園ホール)
○チャンプアック・ウィラサクレック KO HIROSHI●
静刃:久々に登場の青葉繁改めHIROSHIですが、タイの現役ランカーに殆どパンチのみで血塗れにされてしまいました。
室長:タイの現役ランカーとはどんな選手なんだ。
静刃:チャンプアックの印象はズバリ「ゴツイ」ですね。
室長:ゴツイ?ムエタイなら技の速さとか鋭さとか・・・。
静刃:ムエタイと言うより、K−1のイメージが近いような感じです。
室長:なるほど、大きな体でパンチ主体だとそうなるのか。
静刃:そのパンチも、見た目よりダメージ重視の「ゴウ打」と言ったところですね。
室長:何だその表現は、はっきり変換しろ。
静刃:「剛」「轟」「豪」どれも当てはまるような、外れのような気がして。
室長:いっそのこと、「傲」なんかどうだ。
静刃:あっ、それいただきます。チャンプアックの「傲打」が炸裂してのKO劇でした。

○ナロンサック・ショーシュティラップ KO 中島稔倫●
静刃:中島の試合を生で観るのは初めてなんで、期待してたんですが・・・。
室長:KO負け。
静刃:1Rにナロンサックのしなやかーなハイキックを避けて、逆にハイキックでダウンを奪った時には期待したんですけど。
室長:気持ち悪い言い方だな。「しなやかー」だと。
静刃:ナロンサックの蹴りがそんな感じなんですよ。で、そのナロンサックが2Rにヒジで額をカットした上ミドルでダウン奪取。そして3Rに「しなやかー」ハイキックをミドル連発の後にフェイントを見せながら決めてまたダウンを奪いました。
室長:ある意味、ベタなやり方だな。
静刃:決まる時は決まるんですよ。そして続けざまにミドルで2度目のダウンを取った後、またまたヒジを額に叩き込んでマットに打ち伏せ、文字通りリングに血の花を咲かせました。
室長:君の表現もベタベタになってきてるぞ。

○デッナロン・ショーシュティラップ 判定 川津真一●
静刃:この試合、2Rまでは友好的な攻防を繰り広げていたんですけど。
室長:格闘技で友好的な攻防と言うのも妙だが。
静刃:2R終了のゴング直後にデッナロンがヒジを川津の顎に食らわしてしまいまして。
室長:うーむ、微妙なところだ。
静刃:結局それが響いちゃったみたいですね。デッナロンは減点1となったんですが、それをものともせずに判定勝利しました。
室長:KOはされなかったんだ。
静刃:終盤は国際式を思わせるようなパンチの打ち合いで迫力がありました。川津の対ムエタイはまだこれからですね。

○藤原国崇 KO 増倉敦士●
静刃:藤原がローで崩してから得意の飛びヒザ蹴りで見事なKO勝ちをみせました。
室長:ほほう、「真空飛びヒザ蹴り」か。
静刃:そんな事を書いた応援の横幕がありましたよ。藤原はNKBトーナメントで名前が売れてきてるようです。有名無名を一緒くたにしたトーナメントの功の部分ですね。
室長:罪の方は・・・まだ問わずにおこうか。

1月12日 修斗 (後楽園ホール)
○須田匡昇 判定 ランス・ギブソン●
 *須田が第3代ライトヘビー級王者に
○池田久雄 判定 吉岡広明●
○竹内 出 判定 ロナルド・ジューン●
○松根良太 判定 高橋大児●
○廣野剛康 判定 端 智弘●
○石田光洋 判定 倉持昌和●

室長:そういうわけで、今年初の修斗観戦だ。
静刃:全試合判定ですか、どうもお疲れさまでした。
室長:須田の王座戴冠は実に目出度いが、個人的には廣野の勝利だな。
静刃:ようやく勝ちましたね。
室長:ああ、バンタムに階級を下げての初戦だったが完勝で飾っれくれた。
静刃:そうですか。
室長:1Rは差し合いとテイクダウンの攻防に終始して、若干劣勢だったが・・・。
静刃:下げてもそうなんですか。前途多難ですね。
室長:そうでもない。2R、テイクダウンに成功してグラウンドに移行してからは全く一方的な展開だ。常に優位な態勢を保ち、裸締め、腕拉ぎ十字とつないだところで試合終了となったが、文句無しの判定勝利だ。
静刃:あれ?廣野はクラスAじゃなかったんですか。なんで2Rで終わりなんですか。
室長:バンタムは選手がまだ少ないからな。対戦相手の端に合わせたんだろう。
静刃:なるほど。
室長:これから充実してくるんだよ、バンタム級も廣野も。

1月4日 全日本キックボクシング (後楽園ホール)
○小林聡 判定 金沢久幸●
静刃:「300万円プライスマッチ」と銘うたれたこの試合ですが、内容的にはイマイチでした。
室長:まぁ、トップ同士の対戦ともなるとありがちなことだが。
静刃:2Rに小林が「よし、これで終わり」と思えるほどのダウンを奪ったのですが、結局ダウンシーンはそれだけでした。
室長:金沢の方に勝機はあったのか?
静刃:いいえ。とにかく実力差が歴然と示されましたね。金沢のバックハンドブローや飛び蹴りなどは全て見切られていましたし、逆に小林はボディーブローやローキックを的確に当ててました。勢いだのアドレナリンなど全く関係無いですね。
室長:最後のはよくわからんが、それで内容イマイチだって?
静刃:ええ、特に小林の方が乗り切れてなかったというか・・・あぁ、そういえば、両選手とも11月30日の大会に出場しているんですよね。
室長:11月30日と言うと、小林の大逆転KOで大騒ぎした時か。
静刃:はい、その日は金沢は5Rフルの判定勝ちで、小林は1Rに2度のダウンを経てのKO勝利でした。それが少なからず影響したかもしれませんね。
室長:両者とも完調なら、もっといい内容だった、てか。
静刃:それはわかりませんが・・・。ともあれ、これで「小林−金沢」は完結ですね。小林はこれから打倒ムエタイへ本格的に始動する筈ですよ。
室長:達成を見届けたいものだな。

○林亜欧 判定 浜川憲一●
静刃:試合前は「柔の林」と「剛の浜川」なんて図式を想像してたんですが。
室長:君の予想なんて外れるに決まってる。
静刃:悪かったですね。展開としては林が終始前に出て攻勢に廻り、浜川は下がりつつも一発を狙うといった形でした。
室長:つまりは、林のペースということか。
静刃:そうですね。浜川も流れを変えようと3Rあたりにパンチで倒そうとしてたようですが、それも林の上手さにかわされてしまいました。
室長:同じ様ですまないが、浜川に勝機は?
静刃:パンチが当たって林が仰け反る場面も何度かありましたが、追撃を許しませんでした。5Rも浜川が逆転を狙ってのラッシュをかけたんですが、林は巧みに受け流して、逆に攻勢に転じるほどでしたよ。
室長:うーむ、それでは判定もはっきりしたものだろうな。
静刃:そうですね。試合後の両者はまさに対照的でした。放送席から新田、試合を終えたばかりの安川が駆けつける中で勝利の歓喜に咽ぶ林と、ツキや運で片付けられない完全な実力負けに無念さを隠そうとしない浜川。
室長:勝負の厳しさだ。勝者がいれば必ず敗者がいる。
静刃:我々は楽な場所に居ますね。
室長:わかってる。改めて言う事もないだろ。

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