試合会場生観戦記
3月30日 MA日本キックボクシング (後楽園ホール)
"KING「COMBAT-2002」KICK BOXING 60kg TOURNAMENT
 決勝
○花戸忍 判定 ラビット関●
*花戸忍が優勝
 準決勝
○花戸忍 3RKO 梅下湧暉●
○ラビット関 4RTKO 小石原勝●
*関は大月の負傷欠場によるリザーブ出場
 一回戦
○花戸忍 判定 大宮司進●
○梅下湧暉 判定 ファイティング前沢●
○大月晴明 1RKO 増田博正●
○小石原勝 判定 及川知浩●
静刃:MA、全日本、J−NET、シュートボクシングと4団体から選手が集まった60kgトーナメントは以前より期待していた花戸忍が優勝しました。
室長:おいおい、君のイチオシは大月だったんじゃないか。
静刃:いや、決勝で花戸−大月戦を密かに望んでたんですけど。
室長:また怪我したのか。
静刃:なんか5回戦に上がってから試合を終える度に何らかの形で怪我しているような・・・。
室長:それはともかく、MAとJ−NETの王者が揃って一回戦負けとは。
静刃:そうそう、特に大月はジャブ、ローの探りあいから一気に増田をコーナーに詰めての強力な右フック一閃!見事なKOでした。
室長:増田の調子はどうだった?
静刃:いやぁー1分も経たないうちのKOだったんでよくはわかりませんでした。ただ増田のセコンドの一人が試合前に妙にニヤついてたんで「舐めきってるな」って不快に思いましたよ。しっかり溜飲を下げさせてもらいましたけどね。
室長:相変わらず変なところを見ている奴だ。
静刃:それから梅沢に敗れた前沢に少し元気が無いように見えたのが気になりますね。接近戦になったらすぐに組み付いて、拳でも痛めてるのかと思いました。
室長:で、優勝の花戸は。
静刃:素晴らしかったですね。多彩な攻撃はバリエーションが増えてました。踵落しを見せ技ではなくダウンを奪うまで磨き上げたし、右ハイから左後ろ回し蹴りの連係やローの打ち分けなども良かったです。それから今回3試合・9Rこなしてスタミナが無尽蔵である事も見せつけました。
室長:ワンナイトトーナメントではダメージの蓄積が心配だが。
静刃:花戸についてなら全く感じませんでしたね。もう1試合位出来そうな感じでした。
室長:それはそれは、本当に凄いな。
静刃:今回の優勝で一気にトップにのし上がりますよ。次大会では前沢の王座に挑戦が決まってますが奪取は間違いないですね。
室長:言い切るか。
静刃:そして今回惜しくも実現しなかった花戸−大月。両者が好調時に組んでください。
室長:誰に頼んでるんだ。
静刃:花戸がMA、大月が全日本のそれぞれ王者という状況なら最高なんですけどね。

3月24日 新日本キックボクシング (後楽園ホール)
○武田幸三 KO ビックベン・ノッパラットファーム●
静刃:タイのランカー相手でしたが、武田が圧倒的な実力差を見せつけました。
室長:何々、2Rに2度のダウン。3Rに3度のダウンでKO、と。
静刃:もうパンチとローだけで倒してしまいましたからね。
室長:タイでは中量級以上は選手が少ないとも聞くが。
静刃:そうかもしれませんね。このビッグベンもメインで試合を控えているというのに3試合前の石井−サーイヤン戦でセコンドの手伝いや写真撮影なんかもしてましたから、ひょっとしたら今大会のタイ人選手の中では一番格下なのかもしれません。
室長:とは言え、次はいよいよラジャの2階級制覇だ。
静刃:十分いけると思います。5月の後楽園ホールでまた「歴史の証人」になりますよ。

○深津飛成 KO モンチーエシマ●
静刃:深津が全てにおいて相手を上回る完勝でした。
室長:タイトルマッチだったんだろ?そこまで言うほど差があったのか。
静刃:打撃の重さがまるで違ってましたね。深津のパンチ、キックは当たる度にエシマの体の芯までダメージが染みているのが見て取れました。
室長:うーむ、それ程か。
静刃:エシマは実績を挙げてタイトル挑戦の資格を得たものの、まだ役者不足でした。
室長:いい経験にはなった事だろう。
静刃:ここ最近の深津はタイ人相手にスッキリしない試合が多かったんですが、久々に強さを証明する試合でした。
室長:国内無敵、ってか。
静刃:日本人で相手になるのは建石智成だけですね。
室長:そのカードは確か昨年、一昨年と組まれてたっけ?
静刃:昨年のはまさに「極上の一品」でした。また観たいものです。もちろんタイ人選手を倒す場面も観たいですけど。

3月17日 全日本キックボクシング (後楽園ホール)
○ナムサックノーイ・ユッタガーンガムトーン TKO 小林 聡●
静刃:今大会は久々の満員札止めだそうで。
室長:結構な事だ。そんな中で、小林がルンピニーの王者と戦ったわけか。
静刃:第1試合から観客も入れ込んでました。
室長:で、メインの・・・。
静刃:選手もその雰囲気に乗せられたのか、白熱した試合が続きましたよ。
室長:まぁ、それもいいことだが、小林の・・・。
静刃:2試合も流れたのは残念ですけど、それを・・・。
室長:もういい。小林の試合だ。
静刃:・・・ご承知の通り、2Rにヒジで額をザックリと斬られてのTKO負けです。
室長:ナムサックノーイとはどんな選手だったんだ?
静刃:これこそムエタイの強豪、って感じですか。特にヒジの使い方が絶妙と言うか、それを通り越したものがありました。
室長:ムエタイはパンチよりヒジ・ヒザ、か。
静刃:左ヒジで1Rに目尻、2Rに額を斬られたんですが、それがまた上手いと言うか。ジャブと全く同じ動きから繰り出してくるんですよ。
室長:そんな馬鹿な。同じなわけないだろ。
静刃:確かに実際は違うんでしょうけど、同じに見えるんですよ。ジャブからそのままヒジが伸びてくるような。
室長:にわかには信じ難いが。
静刃:2Rには見てる側がヒジを脅威に感じてしまいました。
室長:小林の攻撃の方は?
静刃:パンチがボディにいくつか入ってましたが、効果的なのを出す前にやられたというところですね。
室長:とにかく残念だ。
静刃:また出直しですね。また小林が豪快に勝つ姿を見ないと気が晴れませんよ。

3月15日 修斗 (後楽園ホール)
○雷暗 暴 判定 マーシオ・クロマド●
 阿部裕幸 引分 バレット・ヨシダ
○山下志功 判定 北川 純●
○石川 真 判定 南部陽平●
○端 智弘 判定 塙 真一●
○横山宜行 判定 小塚誠司●

静刃:今大会もまた全試合判定とは、本当にお疲れさまでした。
室長:あぁ、本当に疲れたよ。ストレスが堪った。
静刃:メインの試合はどうしたんですか。
室長:山本"KID"徳郁の相手が分けのわからん理由で来日しないで中止になった。
静刃:分けのわからんって・・・。
室長:その話はいい。問題は今大会の各出場選手の意識だ。全く誰も彼も膠着ばかりで。インサイドガードでは全くパスガードを試みず、コツコツ当てるだけし。
静刃:以前はそのやり方を支持してませんでしたっけ?
室長:KO狙いで殴るのならいい。それこそKIDみたいに。そうじゃなくグラウンドで上になったら点数稼ぎ程度の打撃しかしない出判定勝ちを拾う。良くない傾向だ。
静刃:テイクダウンで上を取るのも技術でしょう。
室長:だから倒れないようにコーナーに尻を預けて踏ん張り、テコでも動こうとしない。今回はそんなのが続出した。大昔に朝日昇が自嘲した展開じゃないか。
静刃:・・・。
室長:一本はおろか、1回のキャッチすら無い。観客としてはストレスがたまる一方だ。
静刃:見る側の立場だけで言うのは・・・。
室長:わかってる。勝負にこだわるのは当然だが、もっとプロとしての技量を見せてくれと言いたいのだ。
静刃:それならわかります。
室長:修斗のファンは優しいといわれてるが、静かに離れていく事も考えられる。この日は花粉症のせいか大きいマスクをして観戦していたラビーが「格通」でやんわりとでも諭してくれればいいのだが。
静刃:何の話ですか。

3月3日 NJKF (後楽園ホール)
○桜井 洋平 判定 孫悟空 丸山●
○山本 恭太 延長判定 佐々木 功輔●
○野崎 勇治 延長判定 狩野 卓●
○笛吹 丈太郎 1RKO 高野 義章●
○AVIS SV01 延長判定 山中 貴仁●
○外山 繁幸 判定 立嶋篤史●
○岩井 伸洋 1RKO 大阪茂●
○高嶺 幸良 延長判定 浅野 泰輝●

室長:この「延長判定」ってのは何だ?
静刃:5Rまでの判定では引分ですが、トーナメントの上位進出者を決めるために延長ラウンドを行った、その結果です。
室長:なるほど。
静刃:でもその判定ですけど、今回は納得いかないのが目立ちましたね。
室長:何度も言ってるが、君の判定など・・・。
静刃:私だけじゃないですよ。ネット上でも批判的な意見を結構見ましたからね。
室長:ふむ、例えば?
静刃:狩野−野崎は2,3,4Rは明らかに野崎が取っていた筈です。狩野は5Rのみで。
室長:他には。
静刃:外山−立嶋は2Rにダウンを奪った外山が2ポイント取るのはいいとして、それ以降は立嶋がヒジとローで1ポイントずつとったと思うんですよ。
室長:引分が妥当、と。
静刃:あとAVIS−山中は本戦では山中の方が若干優勢だったんじゃないかと。
室長:まあまあ、それで判定基準はどうなっているんだ。
静刃:・・・よくわかりませんが。
室長:わからないで言うなよ。
静刃:でも日本では「ダメージ重視」が基本ですよね。打撃系でも総合系でも。
室長:確かに、SAMURAI!の中継ではよく聞くが。
静刃:それだったらやっぱり疑問に思わざるを得ないですよ。ムエタイみたいに攻撃手段によって違うのなら、その旨を明らかにして欲しいですね。

TOP観戦記資料庫掲示板リンク研究室紹介