試合会場生観戦記
6月29日 日本キックボクシング (後楽園ホール)
○石毛慎也 4RTKO 小野瀬邦英●
静刃:小野瀬の新しいベルト姿を観に行ったはずなんですが・・・。
室長:負けてるじゃないか。TKOってことは斬られたのか?
静刃:右の生え際あたりを斬られ、徐々に広げられてドクターストップです。
室長:立派な石毛の勝利だ。
静刃:小野瀬は本来の動きじゃなかったですね。半年以上も試合から離れていたのが影響したようですね。
室長:石毛が上手い作戦を立てて、小野瀬の動きを封じたんじゃないのか。
静刃:えっ・・・でも、それじゃまるで小野瀬が石毛にいいように翻弄されたみたいじゃないですか。
室長:だから、そんな考えもあるだろう。
静刃:考えたくないですね。
室長:思考停止は観戦眼の成長を妨げるぞ。
静刃:・・・そういう選手もいるんですよ。

○海老沢朋和 判定 獅子丸修平●
静刃:こちらは壮絶な試合となりました。何度もダウンを、しかも前のめりのダウンを喫した獅子丸が驚異的な粘りを見せてフルラウンド戦い抜きました。
室長:前の大会でも似たような事を聞かなかったっけ?
静刃:そうですね。全開は木浪シャーク・・・あぁ、同じジムの選手ですよ。小国ジム。
室長:ジムの方針というかカラーというか、そういうのがあるのかねぇ。
静刃:確かに、小国ジムの選手は圧倒的な劣勢に追い込まれた時に物凄いしぶとさと言っては悪いんですが、執念を剥き出しにしてきますね。
室長:観る方も
静刃:この試合でも「もう止めた方がいい」と思える瞬間が何度もあったんですが、その都度反撃してきて相手の海老沢をたじろがせ、観客を大いに湧かしてました。
室長:でも結局は負けか。
静刃:大逆転勝利、とでもなったら最高に面白いんですが。

6月16日 全日本キックボクシング (後楽園ホール)
○安川 賢 2RKO アンドレア・モロン●
静刃:見ていて疲れる判定試合が続いた今大会ですが、安川が決めてくれました。
室長:何だよ、いきなり批判か。
静刃:いえ、悪く言ったわけじゃないですよ。集中を必要とすると言う意味で。
室長:まぁそれはどうでもいいが。
静刃:1R前半で相手の力量を見極めた安川が後半から攻めたてました。ラウンド終了時、モロンはコーナーを間違えるほどでしたよ。
室長:そうなると当然、KOを期待したくなるだろ。
静刃:はい、上手い具合に首相撲に嵌めてダウンを奪いました。やっとの事で立ち上がったモロンですが、セコンドがタオルを投げて終わりです。
室長:とにかくメインがKOで終わるというのはいいことだ。
静刃:安川は試合後に調整の失敗を口にしてましたが、それなりの闘い方でKO出来たんだから大したものです。これで7月大会の防衛戦に弾みがつきました。
室長:ちょっと待て、王座防衛戦の一月前に国際戦だって?
静刃:・・・そうなりますね。
室長:ひょっとして、王座交代が望まれているのか?
静刃:妙な邪推をしないで下さい。
室長:いや、そうとしか思えないが。
静刃:変な先入観は見る目を歪めさせますよ。
室長:大丈夫、どうせその試合を見るのは君だ。

○花戸 忍 判定 砂田将祈●
静刃:華々しく全日本に登場して勝利を収めた花戸ですが、内容的には若干不満が残る試合でした。
室長:ふむ、具体的にはどんなところがだ?
静刃:蹴りの鋭さは相変わらずだし、階級を上げてもスピードは落ちてない。バックブローを交えた新しいコンビネーションを披露していたし、首相撲の攻防もヒザ、ヒジともある程度のレベルまで出来ていたと思うんですが・・・
室長:褒めてるじゃないか。首相撲が不満なのか。
静刃:いや全体的にパワーと言うか、技に力強さが不足している印象を受けるんですよ。
室長:階級を上げたと言ったな。それの影響じゃないのか。
静刃:あるいは砂田が上手く間合いを外していたのかもしれません。ハイキックからバックスピンの連係なんかは結構見切っていたように見えましたからね。
室長:それで、念願の小林聡戦は実現しそうなのか。
静刃:すぐにとは無理ですね。少なくとも年内は他の選手との試合で経験を積むべきだと思います。ただ・・・。
室長:ん?
静刃:最近、全日本キックは大胆なマッチメイクをしますからね。思いもかけないタイミングで組むかもしれません。
室長:ほう、それは油断ならない。
静刃:受け入れ態勢を整えておきます。

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