試合会場生観戦記
7月27日 新日本キックボクシング (後楽園ホール)
○ブーヌン・サックホームシン 3RTKO 武田幸三●
静刃:出直しの筈が、またしてもタイ人に苦杯を嘗めさせられてしまいました。
室長:今度はヒジで斬られたのか。
静刃:斬られたというより抉られたって感じですね。それまではパンチとローで完全に圧していたんですが。
室長:確か去年のラジャダムナン王座防衛戦もヒジでやられたんだよな。
静刃:あの時は縦ヒジでした。
室長:こうなると「武田はヒジに弱い」とタイに広まるんじゃないか?
静刃:うーん、有りえそうですね。既に武田のファイトスタイルは知られてるようですし。
室長:再度の王座獲得は難しそうだな。
静刃:そうかもしれませんけど・・・でも、まだ私は見続けますよ。

○石井宏樹 1RKO 井場洋貴●
静刃:「テクニシャン対ハードパンチャー」「彫の深い顔対地味な顔」などと思いながら楽しみにしてた一戦でしたが。
室長:また失礼な事を言って。
静刃:失礼ついでに「石井はつまらん判定試合ばかりだから、ここらで試合内容が豪快な井場が新王者になって盛り上がればいいのに」とも考えてました。
室長:いい加減にしろ。怒られるぞ。
静刃:石井選手、大変申し訳ありませんでした。私の目は節穴でした。
室長:いきなりどうした?節穴は別に今始まった訳じゃあるまい。
静刃:ゴング直後からパンチで圧倒。2度のダウンを奪って失神KOとは・・・王座奪取の鷹山戦以来の衝撃ですよ。
室長:相手にも君にも真の実力を見せつけた訳だ。
静刃:強豪タイ人選手を相手にしている石井と、日本人選手を相手にしている井場の差というんでしょうか。とにかく石井は国内・・・少なくとも協会内に敵はいませんね。
室長:じゃ、どうする?
静刃:日本王座を返上して、タイ人相手に専念した方がいいと思いますよ。武田の次にラジャダムナン王座に近いのが石井ですから。
室長:で、君はその試合を見て「つまらん」と文句垂れるんだ。
静刃:もう許してください。反省してます。

7月21日 全日本キックボクシング (後楽園ホール)
○小林聡 3RKO ヨセフ・ブリーヂ●
静刃:ローキックの連打でKOを果たし、見事再起とWPKCの防衛を果たしたんですけど・・・。
室長:また不満かよ。
静刃:やっぱり小林はパンチでの豪快なKOというイメージじゃないですか。その点で物足りなかったですね。
室長:確かに、小林クラスとなると勝利の内容が問われて当然だ。
静刃:相手が露骨にローを嫌がってるのが見て取れたんで、一気に畳み込んだみたいですが、せめて一度くらいは立ち上がってきて欲しかったですよ。
室長:本当にゼイタクな奴だ。
静刃:実際、小林も試合内容には不満そうな表情でしたけどね。でも次はまたルンピニーの現役チャンピオンと対決ですよ。
室長:この前斬られたって相手か?
静刃:いえ、別の選手ですが・・・それでも楽しみです。

○佐藤嘉洋 2RTKO 江口真吾●
○安川賢 3RKO 割澤誠●
静刃:佐藤と安川。もう、この二人には全日本、MA、J−NETの日本人選手に敵はいませんね。
室長:ほほう、言い切ったか。
静刃:可能性があるとすれば佐藤の相手として内田康弘が帰ってくるか、加藤督朗くらいですか。
室長:確かに佐藤−加藤戦は面白そうな気もする。
静刃:この日も二人は磐石の強さを見せつけました。佐藤はヒジでバッサリ。安川は首相撲にハメてダウンを連取の上、右フックで止めを刺しました。
室長:強さを見せつけ、その上で勝利するのは立派なことだ。
静刃:とにかく、両者とも今後は国際戦に専念すべきですね。そう、小林と同等の扱いで。

○大月晴明 1RKO 林亜欧●
静刃:この日も大月は1Rから飛ばしまくってKOです。
室長:J−NET王者の次は全日本王者か。凄いな。
静刃:左右のフックと右アッパーのコンビネーションで立て続けに3度のダウンを奪いました。3度目はスタンディグダウンで、レフェリーが止めた途端に林は崩れ落ちましたからね。
室長:ほほう、ダウンすら許さぬ連打と言うわけだ。
静刃:大月はフェザー級の中でも背が低い方でしたからライトに上げて通用するのか心配でしたが、杞憂でした。
室長:王者にノンタイトル戦で勝ったのだから、次は当然タイトルマッチだな。
静刃:それよりも幻の「コンバット2002決勝」花戸忍戦ですよ。
室長:またその話か、本当に君もしつこいな。だが雑誌で花戸戦には乗気薄みたいなことを言ってなかったか?
静刃:だったら「見たい見たい」と私だけでも言い続けますよ。長期戦覚悟で、来年初頭辺りの実現を目指して。
室長:気の長い話だ。

7月19日 修斗 (後楽園ホール)
○阿部弘幸 1RKO アレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラ●
室長:信じられない光景を見てしまった。
静刃:へー、ノゲイラとうとう完敗ですか。
室長:スタンドでジャブの応酬を繰り返していたが、左のフックを喰らってダウン。立ち上がれずに10カウントを聞いてしまった。
静刃:調子でも悪かったんですか?
室長:何でも後の報道によると直前に右ヒザを負傷したそうだ。
静刃:でもそれは言い訳ですよね。
室長:その通り。しかしこれでチャンピオンシップとしての再戦が楽しみになったのも事実だ。
静刃:え?
室長:ノゲイラは勝利を逃した相手との再戦では、それこそ妥協無き攻撃性を如何なく発揮して、ギロチンチョークの餌食にしてきたからな。巽も勝田も。
静刃:・・・日本人選手を応援しようって気は無いんですか?
室長:私は「観戦に於いて私を楽しませてくれた選手」を支持してるだけだ。君だって基本姿勢は同じ筈だろうが。
静刃:確かにそうですが。
室長:例えば年末NK大会での再戦で阿部がまた見事なコンビネーションで勝利すれば、何の迷いも無く賞賛するぞ。
静刃:そう・・・それが当研究室の基本姿勢でした。

 勝田哲夫 引分 井上和浩
室長:勝田は実績は積んでるものの内容が私好みじゃないんで、この試合は少し冷めた目で観戦していたのだが。
静刃:と言う事は良い方向に裏切られたんですね。
室長:1Rは大きな動きは見られなかったんだが、2,3Rの展開、特にガードポジションからパスの攻防は実に面白かった。
静刃:ガードポジションの膠着はTVで見てても退屈ですからね。
室長:あとキャッチの一つでもお互い取り合っていれば尚良かった。
静刃:一本決まった方が良いでしょう。
室長:いくらなんでも勝田にそこまでは望まんよ。

○川尻達也 1R一本 椎木努●
室長:新人王トーナメントの試合なんだが、川尻はもう完全に別格だ。既にランカーでもあるし。
静刃:ううむ・・・。
室長:この日も堂々とした試合運びでテイクダウンからマウント、裸締めで危なげ無く勝利だ。
静刃:綺麗な流れですね。
室長:来年の今ごろはチャンピオンシップだ。間違いない。

7月14日 NJKF (後楽園ホール)
○川津真一 KO 唐沢たくみ●
静刃:いい試合でした。唐沢が小細工無しに自分の持てる力を出して来たのに対して、川津が真っ向から応酬。素晴らしい攻防を見せてくれましたよ。
室長:メインが好試合で終わるのはいい事だな。
静刃:2R終了間際に川津のヒジでアゴに決まって唐沢はダウン。そのまま大の字でKO負けを受け入れました。
室長:妙な表現をしているな。何か意味でもあるのか。
静刃:あくまでも主観なんですが、唐沢は体力的にはまだいけたと思うんですよ。ただ自分の現在の力量では川津に敵わないと痛感したんじゃないのかと。
室長:諦めたか。
静刃:諦めとは少し違うと思いますが・・・。とにかく自分の完敗を認めたという事じゃないでしょうか。

○小次郎 判定 オーローノー・ポームアンウボン●
静刃:この試合にはガッカリさせられました。
室長:日本人選手がタイの強豪に勝ったんだろう。喜ばしいじゃないか。
静刃:オーローノーは小野瀬と戦った時とはまるで別人でした。動きも悪かったし体も緩んでたし。
室長:そんなことを言ってたらきりが無い。
静刃:小次郎は日本人選手ともっとやらせるべきですよ。力の落ちたタイ人選手とばかりじゃ観客として不満が溜まるだけです。
室長:それじゃ、小野瀬はどうだ?確か体重は合ってるだろう。
静刃:えーっ!?カードとしては面白いですけど、小野瀬の最後の相手としてはハッキリ言って役不足ですよ。
室長:そうか?
静刃:初代NKBミドル級王者の中川裕也が名乗りを上げてますから、そっちを観たいですね。


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