試合会場生観戦記
10月17日 全日本キックボクシング (後楽園ホール)
〇佐藤嘉洋 判定 清水貴彦●
静刃:発表当時から個人的に違和感というか、疑問に思ってた「ヒジなし」ルールで行われたこの試合ですが、ハッキリいって大拙戦に終わりました。
室長:いきなり大きく出たな。
静刃:何で全日本のリングでK−1におもねった試合をせねばならぬのかと。
室長:その辺の不満はいいから、試合内容に行ってくれ。
静刃:「佐藤がリーチ差を生かした攻撃」「清水が組み付く→佐藤が首相撲」「清水がロープに押し込んで密着した上で佐藤越しにロープにしがみつく」この繰り返しですよ。もうえーかげんにせーよって思いましたね。
室長:首相撲は君の観戦研究テーマの一つだろ。もっと詳しく考察したまえ。
静刃:佐藤が上手くコントロール出来なかったのも一つの要因ですが、清水が首相撲の攻防を全くしなかったのが膠着地獄に陥った最大の元凶と思います。
室長:地獄だの元凶だの・・・相変わらず大げさな奴だ。
静刃:この首相撲膠着で「ヒジなし」が完全に裏目に出ましたね。本来ならここでヒジ撃ちの応酬・攻防が繰り広げられる筈だったんですが、ここで動きが止まってしまいました。
室長:確かにルールに沿った選手の対応というものは必要だ。
静刃:清水にしても首相撲対策がこの程度とは失望しましたね。付き合う気が無いのならサラリとかわせばいいんですよ。以前に内田康弘の首相撲を「僕はK−1選手だから首相撲なんかしないよ」とばかりに鮮やかに抜けた朴英樹みたいに。
室長:あるいはヒザで新田明臣をKOした大野崇のような反撃も?
静刃:・・・えーっと、そもそもK−1ではエライさんが首相撲を偏屈なまでに嫌ってるのに、それを両選手とも理解してるのか疑問ですね。
室長:エライさんに媚を売った試合をしろというのか?語るに落ちたな。
静刃:そうじゃなくて、どうせなら行き先を見据えた試合をしてくれと言う事ですよ。K−1志向ならそういう試合内容で、尚且つキックファンを唸らせて欲しいですね。
室長:勝手な事を言っている。
静刃:だってK−1出場のために全日本のリングとファンをジャンピングボードにしてるんですよ。観客としてはせめて良い内容を要求したくもなるじゃないですか?
室長:最後は愚痴か?ガタガタぬかしてからに。
静刃:何せ身銭切って観てますからね。

〇任治彬 2RKO 藤牧孝仁●
静刃:藤牧と言えばムエタイスタイルのテクニックで相手を翻弄し判定勝ちを得るという印象が強い選手で、倒されもしなければ倒しもしない、ハッキリ言って面白みに欠けると思ってたんですが。
室長:またまた本当にハッキリとエラそうに言ってるな。
静刃:今回は壮絶にやってくれましたよ。
室長:って、負けとるじゃないか。
静刃:はい、1Rは様子見だったのかそれ程目立った動きの無かった任でしたが、2Rにいきなり攻勢を掛けてきました。
室長:そんなタイプの選手は、よくいる。
静刃:で、任が攻勢のまま組みついてきたので思わず「藤牧!それはお前の領域だろ!!」と大きな頭で念じてしまいました。
室長:念じたって・・・野次くらい飛ばしてみろ。この小心者が。
静刃:その刹那、任が右ヒジを藤牧の鼻に撃ちつけて一瞬にして失神KOです。見事なものでした。
室長:鼻への打撃でKOとはあまり聞かないな。
静刃:初の敗戦を喫した藤牧ですが、KOの味を知った事でむしろ今後が楽しみになりました。
室長:KO「負け」の味じゃないか。
静刃:いや、今度は相手をこんな目にあわせてやろうと積極的にKOを狙ってくることを期待しますよ。

TOP観戦記資料庫掲示板リンク研究室紹介