試合会場生観戦記
8月17日 全日本キックボクシング (後楽園ホール)
○佐藤嘉洋 判定 ガオラン・カウイチット●
静刃:いやー、佐藤が現役のルンピニー王者を破ってWKA王座を防衛!物凄い快挙ですよ。
室長:ほう、大したものだ。
静刃:ガオランのヒジをほぼ完璧に封じ込んで、逆にヒジで額をカットさせましたからね。
室長:それもなかなか・・・。
静刃:ガオランの有効打はヒザくらいで、佐藤に自分の良さを出させてもらえませんでした。
室長:・・・なんか君の言葉は借り物のように感じられるんだが。
静刃:え?そそそそ、そんなことないですよ。
室長:どこぞのサイトのコラムに影響されてないと言い切れるか?
静刃:そりゃ、無いとは言い切れませんけど・・・でも今回の佐藤が素晴らしいことを成し遂げたのは厳然たる事実ですよ。
室長:試合自体は面白かったか?君の率直な感じで。
静刃:・・・とにかく大いに評価すべきなんですよ。この事実は。
室長:なーるほどね。

○平谷法之 判定 藤原あらし●
※平谷が第22代バンタム級新王者に
静刃:安川賢の引退・返上で空位になった王座にS.V.G.の後輩の藤原が就く、というストーリーを私だけではなく誰もが想像してたと思うんですが・・・。
室長:現実はそんなに甘くなかったか。
静刃:いや、決して甘い見解じゃなかったですよ。藤原は平谷に一度勝ってますし、今年になってからはラビット関にもKO勝ちしてますからね。
室長:いわゆる「波に乗ってる」と言うやつだ。
静刃:ですから1Rに平谷がパンチで2度のダウンを奪ったのには本当に驚きました。でもラウンド終了のゴングを聞いた時に、またまたストーリーを予想しちゃいました。
室長:予想しちゃった、って・・・。
静刃:かつて安川は王座防衛戦で1Rに2度ダウンしながらも凌いで、その後首相撲で逆転KO勝ちしたことがあるんですよ。
室長:なるほど、言いたい事は良くわかる。
静刃:4Rに藤原が左ハイでダウンを奪い返した時は「よーし!」とも「やったー!」とも思ったんですが。
室長:過去の記憶にダブらせるとは安易でありがちな考えだ。
静刃:ですが、その後に平谷がパンチでダウンを奪い返してしまいました。
室長:おやまぁ。
静刃:平谷サイドは藤原の事を相当研究していた様です。距離は常に平谷が制していた感がありました。
室長:なるほど、敵を知り己を知り・・・だ。
静刃:今回は平谷に凱歌があがりましたが、両者ともまだ若いですからね。これからいいライバル関係を築いていって欲しいですね。

○レームペット・13リアンリゾート 判定 前田尚紀●
静刃:全日本フェザー級王者に就いて以来、厳しい試合を強いられている前田ですが、今回またタイの実力者相手に苦杯を舐めてしまいました。
室長:タイ人の壁に当たるのは成長したキックボクサーの宿命とも言える。
静刃:今回のキーポイントは首相撲の攻防ですね。前田は今まで日本人相手に首相撲を挑まれた時はクリンチしてロープに押し付けると言う姑息且つ小手先のテクニックを用いていたんですが。
室長:おいおい、観戦しか能の無い君如きが選手の戦法にケチをつけられるのかよ。
静刃:レームペットはタイのランカークラスだけあって、組み付いてからのヒジ、ヒザ攻撃は素晴らしかったですね。ガードの甘いところを容赦なく蹴る、打つ、叩き込むとやってました。
室長:・・・そうなると、より高度な首相撲対策が必要となる。
静刃:前田自身ももっと首相撲からの攻撃をすべきと思いますよ。
室長:だから、そこまで行くと君が口出しすべきことじゃなくなるって。

○加藤督朗 2RKO 浜川憲一●
静刃:今大会のベストKOとも言えたこの試合。加藤が鮮烈な飛びヒザ蹴りでの勝利でした。
室長:派手なKOは最近、あまり見ないものな。
静刃:開始から一進一退に見えながらも、徐々に加藤が圧していくのがわかりました。
室長:君にわかるかは別にして、1Rの攻防で実力差が見えるというのは、たまにある。
静刃:そして2R、ブレイク後の再開のほんの僅かな隙をついた加藤の見事なジャンピングニー!
室長:ジャンピン・・・って。あのなぁ。
静刃:浜川の顔にモロに入って、見事なKOでした。
室長:顔か・・・キツそうだな。
静刃:試合後、加藤は浜川のセコンドに付いてたウェルター級チャンピオンの山内をマイクで挑発してましたよ。
室長:まぁ、プロだから少し位はパフォーマンスが必要な場合もある。加藤は自らを悪役としてアピールしたわけだ。
静刃:そして、その直後の写真撮影では浜川と仲良く並んでファイティングポーズをとって・・・。
室長:・・・折角のマイクアピールが台無しだ。
静刃:基本的に「いいひと」なんでしょうね。


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