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第2739号 2007年9月26日号  
高野区長、招集あいさつ
        第3回区議会定例会
 高野之夫豊島区長は21日開会した第3回区議会礼例会の初日、招集あいさつに立ち、@未来推進プランの推進について、A平成18年度決算について、B文化政策について、C新たな地域公共交通施策検討について、D環境まちづくりの推進について、E区立学校の改築計画と適正配置についてーなど所信を述べた。今回は、その中から「未来戦略プランの推進について」「新たな地域交通施策の検討について」「区立学校の改築計画と適正配置について」を掲載する。

未来戦略推進プランの推進について
【「安心して住める街」全国第2位としての評価】

 先月、ビジネス・経済専門誌の草分けである「週刊ダイヤモンド」が行っている都市ランキングにおいて、豊島区が、「安心して住める街」として、全国第2位に輝きました。
 この調査は、「安全」と「安心」をコンセプトに、老後・病気、教育、生命・財産、そして経済力の4つの要素について、15の統計指標を設定し、全国805都市を比較したものであります。そして、これらの要素について、バランスよく上位に位置する36都市がベストシティに選ばれ、豊島区が全国第2位との評価を得たのであります。
 もちろん、こうしたランキングは、指標選定や分析手法によって、自ずとその結果が異なり、統計だけで、都市全体の姿を捉えることは難しいことであると思います。
 しかし、今回の評価は、都市が提供する価値の基本である「安全」「安心」について、豊島区地域の優位性と実力が、客観的な統計により実証されたものであり、長い時をかけて先人が築いてきた、誇るべき“地域の力”を示すものであることに違いはありません。
 全国2位という好条件を最大限に活かし、26万区民が「住んでよかった」と実感できる豊島区を実現していくことこそが、私たちに課せられた使命であります。
 こうしたランキング結果に一喜一憂することなく、評価結果を冷静に分析し、“未来への改革”に向けた政策形成に活かしてまいります。

【“未来への改革”の本格化】
 さて、区の人口は、今年も着実に増加を続けています。昭和40年代以降最高を記録した昨年の3,481人に続き、今年も8月末までに2,583人増加しており、今後も増加が続く見通しであります。
 地価についても上昇傾向が一段と顕著になっております。8月に発表された路線価では、東池袋一丁目一番地のグリーン大通りが、港区・表参道に次ぐ、都内第2位の35.7%の上昇となりました。昨日発表された基準地価でも、都内商業地の上昇率ベスト10に、西池袋一丁目と東池袋一丁目の二か所が入っております。
 これは、池袋副都心における都市再生の成果を象徴する数字であり、街の価値や魅力の向上が、地価にも表れた結果であると考えております。
 また、平成18年度決算については、この後、詳しく申し上げますが、その状況を見ますと、経常収支比率が75.9%まで改善し、実質単年度収支が3年連続して黒字となるなど、財政健全化の姿が明確になり、“未来への改革”への揺るぎない足場固めができたことが確信できる内容であります。
 こうしていま、区政が力強く新たな一歩を踏み出すことができたのも、新たな発想をもって道を開き、区政の構造改革を着実に成し遂げることができたからであります。
 そして、これから先、「文化と品格を誇れる価値あるまち」の実現に向け、“未来への改革”を進めるうえでも、構造改革と同じように、従来の延長線上の修正にとどまらない、大胆な発想やプラス思考に立ち、新たな政策を生み出していくことが、何より重要であります。
 来年度の予算編成に向けては、今後4年間のなかで確実に成果を生み出すべき施策に重点を絞りつつ、そこに財源を集中しながら、積極的に新たな事業展開を図る姿勢を持って臨みたいと考えております。
 こうした意味から、「未来戦略推進プラン2007」では、文化、健康、都市再生、環境の『重点政策』について、今後4年間の重点事業として、32の「戦略プロジェクト」を設定し、財源を重点的に配分したところであります。
 そして、平成20年度に向けた「プラン2008」では、今年4月にお示しした私の「マニフェスト」の内容を盛り込むとともに、子育て・教育、福祉・医療、安心・安全、参加・協働からなる『基本政策』についても、「戦略プロジェクト」の選定を拡大すべく、この夏から、全庁を挙げて、検討作業を進めているところであります。
 その内容につきましては、12月を予定する「プラン2008」(素案)の中で、お示ししたいと考えております。

新たな地域公共交通施策の検討について
【コミュニティバスの導入】

 今後の本格的な高齢社会において、ユニバーサルデザインの考え方に基づく、快適な地域内移動手段を確保することは、「住みたいまち、訪れたいまち」を実現するうえで、重要な要素であると考えております。
 交通利便性の高い豊島区にとりまして、交通不便地域の解消という側面からは、導入が難しいと判断してきたコミュニティバスですが、最近では、高齢者や障害者等の外出支援や、病院や商店街等へのアクセス、そして公共施設や文化・観光施設を結ぶ回遊性の向上など、様々な面から、高齢社会に対応した地域内移動手段を確保する必要性が高まっております。
 また、コミュニティバスが、地域の中をきめ細かく動き回ることで、新たな移動ニーズが掘り起こされ、街の活性化やにぎわいの創出にも大きな効果が期待できます。
 この夏に実施いたしました「区民意識調査」のなかで、コミュニティバスの導入についても意向を調査したところ、約7割がコミュニティバスの必要性を感じているとの結果が出ており、区議会からのご要望も踏まえまして、導入に向けた調査を実施することといたしました。
 コンセプトの明確化、地域ニーズを踏まえた運行路線と停留所のあり方、事業採算性、そして環境に優しい魅力あるバス車両等について、十分に検討を進め、来年の5月には、「コミュニティバス導入方針」を策定したいと考えております。
 そして、その結果を見た上で、最終的に導入路線等を判断し、早ければ平成20年度中の運行開始を目指してまいります。

【LRT整備構想の策定】
 また、今回の“コミュニティバス”の検討と並行して、池袋副都心におけるLRTの導入についても、これまでの検討結果を踏まえ、区としての整備構想をとりまとめるべく、検討を進めたいと考えております。
 今月初め、富山市を訪問し、平成18年4月に、わが国初の本格的LRTとして整備された、富山ライトレール、愛称「ポートラム」を視察してまいりました。
 当日は、富山市の森 雅志(まさし)市長自らが市内を案内してくださいました。一緒にライトレールに乗車しながら、決定からわずか3年の短期間で実現に漕ぎ着けるまでのご苦労や、広く市民から賛同を得るための秘策など、貴重なお話をうかがうことができました。
 富山ライトレールは、地域の公共交通であると同時に、公共交通を軸とした“コンパクトシティ”を目指す都市再生のシンボルでもあります。
 市民や産業に将来への夢と活力をもたらし、富山の魅力を強くアピールするそのデザインのなかに、まさに私が目指す都市再生の姿を見る思いであり、大変有意義な視察となりました。
 このたび策定いたしました「池袋副都心交通ビジョン(案)」では、アクセス交通の質的充実を図るため、都電荒川線との連携を図った新たな軌道系システムの必要性を打ち出しています。
 また、環状5の1号線については、これから先、地下通過道路の構造や出入口の位置、グリーン大通りとの交差点の検討が本格化する時期を迎えることになります。
 こうしたことから、これまでの検討を踏まえ、「LRT整備構想」を策定することで、より具体的に関係機関との調整・協議を進め、実現の可能性を高めてまいりたいと考えております。

区立学校の改築計画と適正配置について
【改築計画の策定】

 区立小中学校については、これまで、計画的に耐震補強工事を実施し、全ての学校について、施設の安全性を確保してまいりました。しかし、新築した3校を除けば、残る28校が今後次々と築50年を迎えるなど、確実に老朽化が進んでおります。
 児童・生徒の学習、生活の場として、新たな教育ニーズに対応しつつ、安全で快適な環境を確保することはもちろんですが、多くの区民にとっても身近な存在である学校施設の改築整備は、防災機能の確保や周辺のまちづくりとも深くかかわる、重要な課題であると認識しております。
 しかし、学校の改築整備には、大きな財政負担を要し、同時に複数の改築工事を進めることには限界があります。このため校舎の状況や児童・生徒の推移、仮校舎確保の可能性、さらには「子どもスキップ」をはじめとする地域全体の施設再構築などとの関係を慎重に見極め、長期的な展望と計画をもって、可能なところから着実に進めていかなければならないと考えております。
 既に「プラン2007」において、西池袋中学校の建替え計画をお示ししたところですが、この計画を含めまして、今後10年間程度の「区立小中学校改築計画」を年度内に策定すべく、本格的な検討を進めているところであります。

【適正化第二次整備計画の策定】
 また、改築計画の検討と並行いたしまして、小中学校の適正化に関する第二次整備計画についても、検討に着手したところであります。
 区立小中学校の適正配置については、平成18年4月の長崎中学校と明豊中学校との統合をもって、第一次整備計画を終了したところであります。
 しかし、平成4年4月の「区立小中学校の適正規模及び適正配置」に関する答申において示された考え方に照らして、現在の学級数と児童・生徒数の状況をみますと、6つの小学校と2つの中学校において、適正規模に満たない学校があるのが実情であります。
 保護者や地元からの強い要望もあり、平成4年の答申の趣旨を実現するためには、もう一段の適正化を進める必要があると考えております。
 しかし、適正化を必要とする学校であっても、学校の位置や通学区域、通学距離などの問題から、現実的に統合が困難な地域があることも事実であります。
 従いまして、改築計画との整合性を図りながら、統合の実現性の高い地域を対象に慎重に検討を進め、年度内には、適正化に関する「第二次整備計画」を策定したいと考えております。
第2738号 2007年9月19日号  
明るい繁華街目指す
  
      池袋西口 都条例改正の署名活動
 池袋西口駅前環境浄化推進委員会(加藤竹司委員長)、池袋地区スカウト等排除推進協議会、池袋地区町会、商店街、豊島区、池袋警察署(幕孝信署長)が、9月14日午後8時より池袋駅西口で東京都条例の改正の署名活動を行なった=写真)。
 今回の条例改正は、業態内容に「ソープランド」はその対象になっているが、「キャバクラ」はその対象になっていないので、次回の都議会に合わせ署名活動を行なった。「迷惑なスカウト追放」、「カラス族はいらない」等の看板を持ち、家路に急いでいる住民に訴えた。年配者に限らず若い人も積極的に署名に協力する姿が見受けられた。
加藤竹司委員長は「池袋地区の環境浄化も日常的な活動によって段々よくなっています。ただ、若い女性に言葉巧みに声をかけ違法の金銭を取得する行為が見られ、近隣の住民より苦情がきています。先日、職業安定法違反で起訴事件がありましたが、最後のとどめとなるように、今回の東京都の条例改正を要望し、池袋を明るい街にするために努力します。」と話した。
第2737号 2007年9月12日号  
「あうるすぽっと」オープン
  
        開館記念に野村萬氏出演
 豊島区の舞台芸術の創造発信拠点として期待される区立舞台芸術交流センター「あうるすぽっと」が、9月10日オープン、午後1時半から開館記念式典が開催された。記念式典には、300人を超す区民や関係者が招待されたが、なかでも柿落とし公演4作品の主演女優、大方斐紗子氏、久世星佳氏、竹下景子氏、佐久間良子氏が来賓として招かれ、花を添えた。
 挨拶に立った高野之夫区長は「皆さんの支えで今日の開館が迎えられました。豊島区全体が文化の力で素敵な街になるように、文化都市の創造に向けて今後もお力添えをいただきたい」と。また芸術顧問の小田島雄志氏は「大人が楽しめる劇場ができてありがたい。これからも『あうるすぽっと』を可愛がってください」と述べた。
 式典に続いて、人間国宝で名誉区民である野村萬氏による「狂言・三番叟」、九代目野村万蔵氏による「狂言・梟山伏」が披露され、出席者を魅了した。「梟山伏」では、高野区長も出演し会場を沸かせた。
 「あうるすぽっと」のある東池袋四丁目地区市街地再開発事業で建設された複合ビル「ライズアリーナビル」は、平成16年2月に着工し今年1月に竣工した。ビル内に一足先に7月16日新中央図書館が開館し、この日301の客席を備えた劇場「あうるすぽっと」が開館した。今後、図書館と劇場が一体となって区の文化芸術創造・情報発信の拠点として活用される。
第2736号 2007年9月5日号  
新劇場「あうるすぽっと」  10日オープン
  
     グリーン大通りに案内板埋設
 豊島区の文化芸術創造の拠点として10日にオープンする新劇場「あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター・東池袋4―5―2)」の施設案内用路面標示板の設置工事が進められている。
 「あうるすぽっと」は東池袋四丁目地区市街地再開発事業で建設された複合ビル「ライズアリーナビル」に入っている区施設で、7月に「区立中央図書館」が一足先に開館している。
 標示板の設置場所は、JR池袋駅東口前のグリーン大通りで、豊島岡学園までの約500mの距離に、約30m間隔で両側の歩道に50か所埋め込まれる。
 標示板1枚の大きさは30p四方で、デザインは、「あうるすぽっと」ロゴマークを使用。ロゴの作成者は企業等の各種広告、デザイン、イラストを手がける長友啓典氏と黒田征太郎氏。
 この標示板のほかに、区施設の外壁に大型のぼりが、また地元の池袋東口美観商店会がPR用フラッグを掲出している。
 10日は開館記念式典が行われ、狂言師の人間国宝で名誉区民の野村萬氏、子息の9世万蔵氏によるおめでたい席の演目「三番叟」等が披露される。
 また柿落とし公演として、9月20日から12月16日にかけて俳優の佐久間良子、竹下景子、平田満等が出演する4公演が予定されている。幕開けは、国内初上演のミュージカル「ハロルド&モード」(9月20日から30日)。生ける屍のような青年ハロルドと老いて、なお生きる喜びに充ちた老婦人モードが繰り広げる、不思議なパフォーマンスとハプニングに満ちたユニークな恋の物語だ。全席指定、5千500円(区民割引5千200円・友の会5千円)前売発売中。チケット問合せは、としまみらいチケットセンター電話3590-5321(東池袋1―20―10/豊島区民センター2階)。

2007年9月