01.『シビトの群れ:迎撃編』
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水穂州のある村。
姫巫女の依頼を受けたサムライ達は早速、連ね鳥居を使ってその村へやってきた。
村を守るためにやってきたサムライ達は、たどり着くやいなや村人の説得や周囲の調査のために動きだした。
村人の説得に向かったのはセンシ族の鎧剣士・塩月(w2a599)達である。塩月は偉丈夫である事を生かして話をはじめる。
「安心してくれ。我らが来たからにはシビトの群れも恐れることは無い。だが、我らが万全に動けるように村人にも協力をお願いしたい」
そういう切り出しで塩月は村人達に状況説明を行い、理解と協力をしてもらうようにお願いした。
村人は出来る範囲で協力することを伝えると具体的なサムライ達は提案を始める。
一つはマドウ族の癒し手・笙鼓(w2a688)のものである。
「皆さんには一箇所に集まってもらい、そこを中心に守るようにしたい。村の中に村人が散らばっていては守る側も村中にちらばらなければならなくなるので出来るだけ一箇所に集まって欲しい」
村人はそういうことならとあっさり従うことになった。
もう一つはシノビ族の陰陽師・青菜(w2b959)達のものである。
「村の周囲を柵で覆い、シビトの侵入個所を減らし、そこで重点的に守りたい。そのため、村の周囲を柵で覆いたい」
と言うことであった。こちらのほうは新しく柵を作るのは時間が無いため難しいが、今村の周囲にある柵の補修なら行うことが出来るということであった。青菜は満足したわけではないが納得することにした。
村人達は話がつくと早速集まる準備と柵の補修に取り掛かることになった。
「俺等が来たからにゃ大船に乗った気でいな!」
とかいいながら柵の補修をがんばっているのはラセツの癒し手・孫の手(w2b894)。
孫の手が自ら進んで手伝うことで村人全体にがんばろうと言う雰囲気が出来、かなり速いペースで補修が進んでいく。
「ここはこんなもんだな」
ヒト族の剣匠・武雄(w2b266)はそういいながら周囲の地形についての情報をまとめながら歩く。
「そうですね。この辺は道に沿って水田があるのであんまり戦いたくは無いですね」
ヒト族の外法術師・緋鞘(w2a207)も武雄と共に周囲の様子をまとめながら歩いている。武雄は狩りの感覚で地形を見ながらどういう場所が良いかを調べ、緋鞘は水田などを戦場にしないように戦いや素場所を探しながら歩いている。
シノビ族の忍者・観夜(w2b957)は武雄や緋鞘とは逆に村の中を隅々まで調べシビトの入ってきそうなところや、村の中で戦闘可能な場所のチェックを怠り無く行っている。
3人の努力や、殱鬼を倒す為にきている者との情報交換によって夕方までには村の周囲と村の中についてはこまやかな様子までわかるようになっっていた。
そういった作業も日暮れまでには何とか終了することが出来た。
日暮れを迎えた村は静まり返り、村人は村の中心にある家に避難し、サムライ達も遊撃につくものは殱鬼を倒すためにきているもの達といっしょに村の周囲に、柵の出入り口の部分や、村人の集まった家の所にも万一に備えて待機している。あとは殱鬼を待つばかりという態勢になる。
そして日も変わろうとしている深夜、村の外で待機している遊撃組の中で声がする。
「符がシビトの群れを見つけたみたいだよ」
蛍が陰陽師の元へ戻ってくると周りへそう伝えた。
シビト達の位置確認のやり取りが行われるとすばやく皆身の回りをまとめ移動を始める。村を守るためのもの達のほかに、殱鬼を倒すものたちの中から陽動役の者達も共に行動し、シビトの群れのいる方向に向かって進む。
「うぉぉぉぉ!!」
シビトの姿を見つけるや否や、ラセツの狂剣士・練馬(w2b161)と殱鬼を倒す側の陽動組の一番手がともにがおたけびをあげながら先陣を切って突っ込んでいく。
その一撃を追うように召雷光や緋鞘の火炎弾がシビトを襲う。
シビト達はその動きに対応してサムライ達へ、応戦することを始める。
武雄は事前に調べていた地図を元に用水路へ幾体かのシビトを追い込み、戦いを進める。
練馬も切り込んだ状態からすぐに切り返し、また隙を見て飛び込むということを繰り返すことでシビトの注意を集めることで、仲間達が戦っているところに引き付ける役を果たしている。
「貴様らをすすませはしない」
ヒト族の天剣士・遊(w2a317)も練馬と共に身軽さを生かしてシビトの中を動き回りながら
「田畑へは絶対に行かせません!」
緋鞘の火炎弾は道を外れて動こうとするものを狙い撃ちすることで、シビトの足などを集中してねらい、シビトを削っていく。
傷を負った仲間にはヒト族の戦巫女・響子(w2b279)の月の輝きによって回復していく。シビトも回復しているが、そこはサムライ達の方が手数で押していく。
遊撃の者達の攻撃により、シビトの数は段々と減っていく。しかし、それでも完全にシビトの動きを止めることは出来ずにじりじりと村へ向かって押し込まれていく。
そしてかがり火で照らされた柵が見えてきたその時、柵の入り口の所で待ち受けていた青菜が鋭刃符による攻撃をシビト達の最前列へ叩き込む。
それにあわせてセンシ族の鬼道士・秋夜(w2a051)も飛び出していく。この時点で柵の出入口をに向かうシビトを完全に包み込むような10数人による包囲網が出来上がる。
そうなると後はサムライ達の独壇場であった。
傷ついたサムライには柵の所で待機していた笙鼓と孫の手の手により、癒しの手と護りの雫で回復し、更なる獲物を求めて包囲網に加わる。
そして包囲網はじりじりと範囲を狭め、ついには門の前でシビトを完全に倒すことに成功した。
「これで何とか村は守ることができたな」
青菜の呟きと共に、サムライ達はその達成感と、村を守ったことによる安堵感に包まれる。
夜が明けると村の周囲は倒されたシビトの山で覆い尽くされている。
サムライ達は村人と協力しながらその死体をかたずけ、火葬にしていく。殱鬼を倒しにいったものたちの話によれば殱鬼は後一歩と言うところで取り逃がしたという。
それでも村は何とか守ることが出来たと、サムライ達は安堵しながら作業に当たっていた。
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