39.『おとこ教室』

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「こんなので”おとこ”をはかるってのか? 冗談じゃねェぞ!」
 不良の象徴である理威喘頭(り〜ぜんと)を頭に被り、鬼面仏手・孫の手(w2b894)が試験を逃れ壁にむかってもたれ掛かる。
「‥‥お前が孫の手か。いい根性をしているな。わしが直々に指導をしてやろう」
 ハゲた頭を輝かせ、絶倫が髭をいじってニヤリと笑う。
「俺とやるのか? いいぜ! 相手になってやるよ」
 相手を挑発するようにして拳を構え、孫の手が絶倫にむかって拳を放つ。
「喝ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!」
 孫の手に全く動じる様子もなく、絶倫がカッと目を見開き雄たけびを上げる。
「見掛けだけじゃないって事か? だったら表に出ろ!」
 出口の扉を勢いよく蹴り飛ばし、孫の手が絶倫と一緒に部屋を出た。
「それじゃ、俺達も気合を入れていくかっ! やっぱ真のおとこを目指すのなら、褌いっちょで試験に挑まなきゃな!」
 真っ赤な褌姿で腕を組み、シノビ族の鬼道士・珠(w2f776)が豪快な笑み浮かべて試験にを臨む。
「漢の魂、それはハネモノ! 最近、若いモンの間で冥土服やら褌が流行っているようだが、そんなモノでハネモノを隠してるようじゃ真の漢とはいえねぇな。一糸纏わぬ姿で己の肉体美を極限まで晒してこそ、真の漢といえるんじゃあ!!!!!!!!!!」
 自慢のハネモノを必要以上に回転させ、絶倫覇王・紅ひげ(w2a930)が珠の事を威嚇する。
「てめぇ、人間じゃねぇな! つーか、ありえねー!」
 いまにも何かが飛び出しそうなハネモノを見つめ、センシ族の忍者・陸(w2f647)が珠を盾にしながら文句を言う。
「‥‥こんなところで、俺は何をしているんだ‥‥」
 そう言って神魔を護る白炎の刃・螺旋(w2c727)が疲れた様子で溜息をついた。
 なんだか嫌な予感がする。
「‥‥ん? 試験官と<絶倫>するために試験を受けるんじゃなくて、生徒になるために試験を受けるんだよね? ‥‥っていうか、そもそも<絶倫>って何???  試験内容自体が理解できてないのって問題外のような気がするな‥‥。試験官は女性ばかりだし何だかよく分からないけど、真の漢になるためには試験を受けなきゃ駄目だよね‥‥」
 熱心にハネモノを磨いている紅ひげに対して恐怖を感じ、星祈師・叶(w2d037)がお尻を隠して後ずさる。
「相変わらず元気だな。。ハネ具合も父親そっくりだ」
 紅ひげのハネモノにむかって嬉しそうに声をかけ、無敵英雄・雄眼牙(w2a296)が登録用紙に名前を書く。
「なんだか俺が触れちゃいけない領域のような気がするぜ。‥‥褌より全裸か。俺は隠している分、負けているって事か?」
 納得のいかない様子で紅ひげを見つめ、珠が褌の紐を締める。
「あの‥‥ここって‥‥おこと教室ですよね?」
 不安そうに教室を見つめ、少女が珠の袖を引く。
「おや、そこのお嬢ちゃん、ここはおとこ教室ぢゃから、そのおことは教えてもらえんぞい。なんならここに行くといい」
 優しく少女の頭を撫で、紅に染まりし悪鬼・讐我(w2c082)がおこと教室の地図を描く。
「ありがとうございます。ここに行けばおことを教えてもらえるんですね。さっそく今から言ってきます」
 そして少女は讐我にむかって頭を下げ、おこと教室へと向かうのだった。

「この教室に入るためには真の漢でなくてはなりません。よって軟派な男はすべてこの試験によって落とします。本当に教室に入りたいと思うなら、わたし達の誘惑を撥ね退け漢である事を貫きましょう」
 ちゃいな冥土服に身を包み春陽の黒曜姫・伽螺(w2a112)が大胆なスリットから見える生足を組み直し生徒達を誘惑する。
「ウ、ウチにも男教えてくれや。男を知って女を磨くんや」
 恥ずかしそうにニコリと笑い、商売人の菓子職人・華蓮(w2a289)が生足をさらす。
「うむ。試験官役を買って出るだけあって、みんなよいお尻をしておるのう」
 華蓮のお尻を撫でまわし、讐我が満足そうに頷き彼女から反撃を喰らう。
「なんや、ワレ! 勝手に人の尻を触るんやないっ!」
 そう言って華蓮が讐我を何度も踏みつける。
「わしが尻を触るのは相手を喜ばす為ではない! そこ尻がある。ただそれだけぢゃ! 神速の尻撫で師を嘗めるでないぞ!」
 血溜まりの中で答えを返し、讐我が熱い涙を流して気絶した。
「それじゃ、試験を始めましょうか? ‥‥わたくしが試験官である以上、簡単には合格させません事よ?」
 妖艶な笑みを浮かべて妖しく指を蠢かせ、冷艶なる鬼将・霧(w2c565)が生徒達の中から獲物を探す。
「畜生っ! 俺も生徒になるべきだった! いまにもハネモノが爆発しそうになってるぜ!」
 ハネモノを使って生徒達を跳ね飛ばし、紅ひげが羨ましそうに腰を振る。
「こらこら、生徒をイジめない。余裕があったら紅ひげクンにもしてあげるから」
 呆れた様子で酒を呑みラセツの狂剣士・麻宮(w2f711)が、紅ひげのハネモノを邪魔にならないように隅まで運ぶ。
「最近、ハネモノの散歩もさせていねーからな。触ると出るぜ。‥‥何かがよ」
 相変わらず危険な発言をしつつ、紅ひげがハネモノと一緒に部屋の隅に歩いていく。
「しばらくわらわ達の<絶倫>でも見て我慢せい。何か出したらチョン切るぞ」
 鋏両刀をジャキンジャキンとやりながら、極楽蝶・美女丸(w2a665)が紅ひげのハネモノを威嚇する。
「‥‥生殺しか。畜生、今晩は絶対に寝かさねぇ!」
 美女丸の鋏を何度か弾き、紅ひげがハネモノと一緒に<絶倫>を誓う。
「てめぇら‥‥なにやってんだ? まあいいや。俺は試験に参加するつもりねーからヨロシクな! たくっ! あの親父‥‥本気で殴ってきやがった」
 口に溜まった血を吐き捨て、孫の手がかったるそうに溜息を漏らす。
「そんなこと許しませんわ」
 孫の手のガクランを脱がし、霧が螺旋と一緒に試験をする。
「‥‥何をクネクネしているんだ? ‥‥背中でも痒いのか‥‥?」
 不思議そうに首を傾げ、螺旋がボソリと呟いた。
「さすがアニキ。すげぇ!」
 まったく動揺しない螺旋を見て、感激した様子で果てる生徒達。
「‥‥油断したようね。あなた達も試験中よ」
 自分の指を丁寧に舐めまわし、霧が生徒達にクスリと笑う。
「わたくしが手加減していたとはいえ‥‥なかなかね。孫の手さんも素敵だわ」
 そう言って霧がふたりの頬にキスをした。
「まさかこんな場所だったとはな。まっ‥‥いいか」
 観念した様子で床に座り、陸が生徒達の<絶倫>を見学する。
 部屋の隅では野獣と化した紅ひげが何やら獣じみた雄たけびを上げているが、色々な意味で危険なためなるべくそちらを見ないようにして視線をそらす。
「私とした事はあるかしら? なんでもいいわよ‥‥」
 陸の耳元に甘い吐息を吹きかけ、伽螺が彼の服を脱がしていく。
「マ、マジか? いや、別に嫌じゃないんだが‥‥」
 まわりの雰囲気に圧倒され、陸が彼女に身を任す。
「り、陸さんまで‥‥。このまま僕も襲われてしまうんでしょうか?」
 恥ずかしそうに空蝉の術を使って霧の<絶倫>をかわしまくり、叶が彼女から必死で逃げる。
「ずっと逃げてばかりじゃ試験になりませんわ。わたくしが<絶倫>の何たるかをご教授して差し上げます」
 そう言って霧が叶の逃げ道にむかってネギを投げ、刀で彼の着物を引き裂いた。
「お願いです‥‥見逃してください‥‥」
 霧に下着を引っ張られ、叶がホロリと涙を流す。
「‥‥時には冒険も必要だぜ。ヤる時はとことん腰が抜けるぐれぇヤるべきだ」
 叶の首根っこを掴んでニヤリと笑い、昏き螢惑・連十郎(w2d097)が霧に彼を差し出した。
「‥‥仕方ねぇ。俺が助けてやっか」
 全身から妖しい燐粉を放ち、陸が霧達の事を幻惑する。
「幻惑蝶か。小ざかしい真似を‥‥」
 鬱陶しそうに燐粉を払いのけ、連十郎がいったん安全な場所へと避難した。
「武道の道に女は不要っ! やっぱ俺達には色仕掛けなんて通用しないよな? もとから興味だってないし‥‥」
 <絶倫>な光景から目を背け、珠が怯えた様子で尻尾を隠す。
「‥‥駄目じゃん」
 呆れた様子で溜息をつきながら、陸が黙って部屋を出る。
「あれ? どうしたの? まだ試験は終わってないはずだけど‥‥。まさかこのまま逃げ出すつもり?」
 陸の胸元に冗談っぽく指を這わせ、麻宮が珠に視線を移す。
「それに珠は試験を受けていないでしょ? なんなら試してみる?」
 ジリジリと珠にむかってにじり寄り、麻宮が彼の褌を奪い取る。
「ば、馬鹿野郎っ! 酔ってんじゃねーか、麻宮っ! こら、俺の褌を返せっ!」
 教室の窓から投げ捨てられた褌を追いかけ、珠が2階から飛び降りる。
「‥‥逝ったわね」
 ベシャッと潰れる音がして、褌が空しく宙を舞う。
「か、勝手に殺すな。この程度で死ぬか。‥‥うわっ!」
 何とか壁をよじ登り珠が麻宮にツッコミをいれて再び落ちる。
「やっぱり僕‥‥駄目かも‥‥霧さんが横目で僕を見てる‥‥‥」
 大粒の汗を額に浮かべ、叶が目の前の光景に凍りつく。
「お兄ちゃん、大好きだからご奉仕してあげる♪」
 甘えた様子で声を出し、霧がせぇらぁ服にぶるまを穿き、雄眼牙の事を誘惑する。
「‥‥甘いな。せぇらぁ服に臙脂のブルマで私が屈するとでも思ったかっ! その程度の事で私は堕ちんっ!」
 大気圏に突入しても何となく生きていそうな表情を浮かべ、雄眼牙が劇画調になりながら霧にむかって言い放つ。
「そんな事‥‥分かっているよ♪」
 そう言って霧がせぇらぁ服を脱ぎ捨て体操服になると、臙脂のブルマをスルリッと脱ぎ紺のブルマを疲労する。
「二枚穿きかっ! 私を油断させ、一気に心を掴むとはっ! 貴様っ! なかなかの策士だなっ!」
 ケダモノのように霧の事を押し倒し、雄眼牙が煙を吹いて暴走する。
「まったく困った人ですわね。これから珠さんを落とそうと思ったのに‥‥。でも、これで誰か殲鬼なのか分かったようですわ」
 困った様子でクスリッと笑い、霧が華蓮達にむかって合図を送る。
「ちょっと恥かしいけど、ウチ、あんたの為にこんな丈の短い服着てるんやで。あんたなら、触ってもええよ」
 霧にむかって合図を返し、華蓮が少年を捕まえ生足をさらす。
「ほ〜れ、いつまで我慢するつもりじゃ? そんなに顔をゆがませて‥‥可愛いのぉ」
 切なく声を漏らして身体を振るわせる少年のハネモノをいじり、美女丸が悪戯っぽく少年の耳を甘噛みする。
「やめ‥‥て‥‥くだ‥‥さいっんんっ! ‥‥はうっ!」
 美女丸の右手を必死で押さえ、少年が嫌々と首を振る。
「本当はもう我慢できないんやろ? ウチ、体でかい分、乳もでかいんや。な、感じるやろ。なんやったら、直接感じてみるか」
 少年の顔を胸の谷間に埋めて挟み、華蓮が何度も切なく声を漏らす。
「ん、まだ我慢しておるのか? ‥‥んふふっ、コレは意外と面白いぞよ。どれ、ちょっと手法を変えてみるかのぉ。ほれ、わらわのふぇろもんな所まで全開じゃ♪」
 自分の身体に巻かれていた包帯をいやらしく外し、美女丸がぷるんと胸を揺らして少年のハネモノをむにゃりと挟む。
「ひゃ‥‥ひゃあ‥‥んんっ!」
 身体を小刻みに震わせ、少年が恥ずかしそうに声をあげる。
「ウチな、あんたのこと気に入ったわ。ウチと、その、せえへんか。本当はもう我慢できないんやろ?」
 そう言って華蓮が少年の耳に息を吹きかけ、艶かしく彼の着ていた服を脱がす。
「やっぱりあんたが殲鬼なんか? 貧乳とは言え胸とハネモノのある人間なんておらへんでっ! まだ<絶倫>の最中やけど、このまま逝ってもらおうかっ!」
 そして華蓮は落ちていた服を拾い、講師達の名前を呼んだ。

「漢たるもの重傷如きで大人しくしていられるものかっ! 痛みや苦しみは一切表に出さず堂々たれっ! ‥‥痩せ我慢じゃねぇぜ? さぁ、かかってきやがれっ!」
 黒い軍服に身を包み、連十郎が勢いよく包帯を外す。
「僕は‥‥殲鬼なんか‥‥じゃない。僕は真の漢になりたいだけだ」
 恥ずかしそうに胸を隠し、殲鬼が絶倫に文句を言う。
「わしに刻まれた漢の歴史をとくと知るがいい! おぬしが真の漢なら、目を背ける事なく正視する事が出来るはずじゃっ!」
 そう言って讐我が法衣を脱ぎ捨て、身体中についた傷跡を見せる。
「やめてよっ! そんなの見たくないっ!」
 嫌々と何度も首を振り、殲鬼がその場にしゃがみ込む。
「てめぇも頑固な奴だな。だったら俺の出す試練を乗り越えろ! 本当の漢だったらそのくらい簡単な事だぜ!」
 そう言って紅ひげが漢の魂を注入するために必要な斬呂珍(ぎろちん)を殲鬼の前に用意した。
「無理だよ。こんなこと出来るわけないだろっ!」
 納得のいかない様子で斬呂珍を見つめ、殲鬼が激しく首を振る。
「だったらわしが手本を見せてやろう。‥‥安心しろ。もともとこの斬呂珍で首は落ちん」
 何の躊躇もせず斬呂珍に首をかけ、絶倫が力強く頷いた。
「いくぜっ!」
 絶倫の左右に大根を並べ、紅ひげがハネモノを使って素早く斬呂珍を作動させる。
「かかってこいっ!」
 スパァーンと勢いよく刃物が落下し、絶倫の左右にあった大根が床にむかってポトリと落ちた。
「この程度か。さぁ、どうするっ!!!!」
 気合の入った喝を入れ、絶倫が落ちた大根を殲鬼に投げる。
「先生、俺を漢にしてください!!!!」
 感動した様子で大根を拾い、珠が瞳を輝かす。
「よしっ! ビシビシ鍛えてやるっ!」
 珠と一緒に肩を組み、絶倫が豪快に笑って殲鬼を睨む。
「‥‥はっ! 今ちょっと乙女ちっくになってた!? ぼ、僕のばか〜っ!」
 ふたりの姿をウットリ見つめ、叶が黒板にむかって何度も頭を打ち付ける。
「漢を精神面と肉体面から強くするのが俺の役目だ。軟派な野郎は容赦しねぇ。‥‥分かっているなっ!」
 黒い鞭と軍靴で叶の事を嬲るフリをしながら、連十郎が突然殲鬼にむかって鞭を振るう。
「‥‥やっぱりな。いくら気弱な少年を装っても、本質だけは偽れねぇ! 俺の鞭を避けられたのがその証拠さ」
 ギリギリと唇をかみ締め、殲鬼が連十郎の鞭を掴む。
「本当にウルサイ人だなっ! 死んじゃえっ!」
 イラついた様子で鉤爪をのばし、殲鬼が連十郎に斬りかかる。
「そんな小細工が俺に通用するわけないだろ」
 それと同時に連十郎が吸魂掌を使って殲鬼の体力を奪い取り、鞭を振るって殲鬼の局部を攻撃した。
「やめ‥‥てよ‥‥」
 苦痛とも快楽ともいえない状態に陥りながら、殲鬼がヘナヘナと腰を落とす。
「いいか? 真の漢になりたいのなら、その生き様を学ぶがいいっ! 決して猿真似でなく、自分自身にしかないものをっ!」
 そして讐我は生徒達に向かって渋く笑い、殲鬼の身体を粉砕した。

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