今日のらくがき

05/31(水) 私の好きな作家(清水義範)
 知る人ぞ知る、パスティッシュ作家として一躍有名になった?作家である。なんだったかの文学賞も取っていたと思うし、いくつかの文学賞の候補には上がって、なれなかったりもしている。私はSF作家としての清水義範の時代からの読者なので、随分になるが、もう既にどんな作品を書いていたかも覚えていない。多分SF作家としてはあまり振るわなかったのかもしれない。パスティッシュだからかも知れないが、彼は推理小説も書くし、歴史物も青春物もなんでもありである。私が特に好きなのは、名古屋の方言を使った小説であろうか。『
やっとかめ探偵団』シリーズや『金鯱の夢』などだ。金鯱…なんかは、途中から終わりが2パターンあった。一般人用と、愛知県人用である(笑)。江戸が首都ではなく、名古屋が首都だったらという時代小説だ。何が面白いかといえば、端的にいってしまえば、文化の違いによる考え方の違いや「方言」だろう。元々私も東北出身だからかも知れないが、なんとなく方言というのが郷愁を誘って読んでいて楽しい。言葉も色々な雰囲気があって「好っきゃねん」と云われるよりは「好いとう」なんていわれる方がいい。東京弁は勿論標準語ではないし、よく大阪の漫才師が横浜に近い言葉を東京弁と称して喋ったり、東京の人がワザと大阪弁を喋ったりするが、言葉に愛着があるからだと思う。本当にイヤなら決して喋ったりしないだろう。まぁ、そんなことはどうでもいいんだけど、とにかく名古屋弁は好きです。「茶ぁー飲み行こみゃぁ」なんて雰囲気があって宜しいじゃないですか。
 そう云えば、去年の暮れに出た、料理に関する本(タイトル忘れ、マンションのある階の4家族が偶然その日の夕飯がカレーだけど、みんな作り方が違うなんていう様な短編物でした)があったけど、今日読み終わった本も、料理に関係している。『
クッキングママの事件簿』から始まるダイアン・デヴットソンの推理物のシリーズ物なんだけど、この本は途中にレシピ(料理の作り方ですよ)が出てくる。わざわざ断り書きで、1カップはアメリカサイズ(240cc)なんて書いてある。1冊目を読んだ時に、美味そうで簡単に作れそうなクッキーが載っていたので、作ってみた。判らないところなんかは女房に聞いたんだけど、女房殿はそのレシピを見て、美味しいかもしれないけど、これじゃアメリカ人好みだから、砂糖は少し減らした方がいいとかなんとか、結局レシピとは少し違うクッキーになってしまったけど、美味かった。(昔は外食して美味しいと、真似て作ったりしてくれたなぁ…)
 あぁ。清水義範の話がそれたけど、最近の彼のSFからは離れた作品も、特別感動する様なメチャクチャ面白い話はなくても、買って損をした気分にさせる本は見当たらない。ニンマリとした笑いを求めるには彼の作品はハズレがない。

05/29(月) 私の好きな作家(ドン・ウィンズロウ)
 文庫本の帯によくかいてある「このミスが面白い」とか「xx年BESTいくつ」とかの類の本が最初でした。結構ミーハーな私は、○○年BEST○なんてのには弱くて、欲しい本がないときには、買ってしまうことがあります。なんで、こんなのが一位なんだよ。金返せっていいたくなる小説もありますが、でもこの作家は当たりでした。『
ストリートキッズに始まるニールケアリーという孤児の探偵が主人公のこの話は、5部で完結らしいですが、私の知る限りでは日本では3部までしか出ていませんし、その3冊しか読んでいません。でも好きになってしまいました。ハードボイルド小説です。推理小説にはこういう分野もあったんですねぇ。盗みを働いて生活している主人公を見つけた探偵が親代わりになって、彼を探偵として訓練し、大学へまで行かせてくれる(とはいっても、探偵として育てた会社<<銀行>>が行かせてくれてるんですけどね)けれども、その銀行の仕事をするために、危険な目にあうというストーリーです。最近本屋さんで見かけたら、宮部みゆきが薦める帯に変わっていましたから、結構色んな人が読んでいるでしょう。中国で掴まってしまう『仏陀の鏡への道』と、カーボーイになる『高く孤独な道を行け』と続いてきますが、喧嘩は弱く(3作目からは少し強くなっています。2作目と3作目の間で修行してました)、静かにひっそりと、読書をして暮らしていけたら最高という思いの、手よりは口先だけで、なんとか世間を渡っていこうという主人公。ハードボイルド=強い主人公という図式が成立していないというのも、面白さの所以だと思います。少年の様なナイーブな主人公が少しづつ成長していく過程がうまく書かれていて、読者はきっと共感するでしょう。だからきっと読んだ後でも、これがハードボイルドって聞きたくなってしまうかも知れません。でも3作ともに生死の境をさ迷う様な、危ない目にあいますからねぇ。わくわくドキドキの内容です。きっとこの本は高くないと思います。もし、読んでいないとしたら、是非ともお薦めですね。(こんなところで、宣伝しても何も貰えないぞーい)
 なんか今回は作家というよりも、このお薦めの本って感じになってしまいました。

05/27(土) 私の好きな作家(菊地秀行)
 怪奇ものが好きだという菊地さんですが、私も怪奇物は大好きです。スプラッタ物はあんまり好きじゃないですが、ドラキュラとかは大好きですねぇ。(ちょっとエッチな感じがするからかなぁ)彼の作品にもドラキュラものがいくつかありますが、多分彼の作品に最初に出会ったのは、朝日ソノラマ文庫だったと思います。『
バンパイアハンターD』のシリーズです。彼の凄いところはなんといっても、『魔界都市(新宿)』からの、魔界と銘うって、ひとつの地域を隔離し別の世界を登場させてしまったことでしょう。魔震が起きて都市がひとつ変わってしまうっていうのは、凄いですよね。新宿を舞台にして、色々な人が主人公になって、色んな話があります。勿論新宿が舞台じゃない話も多くありますし、宝捜し系(といってもやっぱり凄い人達が出てくる)の話もあります。でも、登場してくる人達がみんな普通の人じゃない。(笑)超人ばっかりですよね。
 登場人物で好きな人を挙げろといわれたら、特にいません。みんな好きです(笑)好み的には、多分漫才の「のりお」さんがモデル?の工藤さんでしょうか。脈々と伝わる一子相伝らしい工藤念法。そういえば、時代物の話もありましたねぇ。
 だけど、彼の本のタイトルって中々出てきません。結構読んでるんですが、「妖」とか「淫」とか「魔」とかが必ずといっていいほどタイトルに付いているのも原因のひとつでしょう。同じ様なタイトルが多いです。そしてけっこうエッチです。後ろからとか、顔にかける(何を?)とか、電車で読んでると、廻りの視線が気になってしまいます。でも彼の作品は女性ファンが多いらしいですから面白い。異世界の魔物については、
ラブクラフトなんかが有名ですし、好きですが、(そういえば、クトゥルー神話は本当なのかなぁ)菊地さんも随分影響はされているんでしょう。もちろん菊地さんに影響を受けている作家も多いと思います。『超神伝説うろつき童子』の前田俊夫さんも、ビデオなんかを見ると絶対そうだ。と思ってしまいます。
 菊地さんを好きなのは、多分現実の世界とは違った世界に会えるからだと思います。そして自分には無い超人的な人間へのあこがれでしょうか。最後はやっぱり菊地さんっぽく、終わりましょう。
 平成12年5月某日
 ナイトメア・ビフォア・クリスマスを観ながら     太郎丸

05/25(木) 私の好きな作家(隆慶一郎)
 最近の落書きは、本当にらくがきになってきていて、好きな作家と銘うちながら、作家の事を書いていないじゃないですか。反省です。
 私が隆慶一郎の作品を始めて読んだのは、成田空港の第2期工事をしている時ですから、随分前になると思います。というのも、当時仕事で、空港公団の仕事をしており、通っておりました。スカイライナーで行き来しておりましたから、往復すると2時間近くの読書時間が(座って)取れます。なんと幸せなことでしょう。当時少年漫画雑誌で、『花の慶ニ』というタイトルだったと思いますが、隆慶一郎原作の話が載っていました。そのころ駅の売店で本を漁る毎日でしたから、彼の原作本の『
一夢庵風流記』を見つけた時は、ちょっと読んでみようかと興味半分で買ってからのファンです。
 それまで時代物というのは避けていました。というのも、好きになった作家の物は、結構読みつづけてしまうという悪癖から来ています。柴田練三郎しかり、池波正太郎しかり、山本周五郎に吉川英治。みーんな作品が多いじゃないですか。こんなの読み始めたら、金欠病になってしまいます。テレビ化なんかがされると、面白そうだと思っても、じっと我慢の子でいました。でも、毎日長い時間をかけて通勤していると、本でもなければやっていけません。好きな作家の新作が出ていなかったのも原因でしょう。買ってしまってからは、やっぱりはまってしまいました。結局文庫化された物はエッセイ以外は全て購入という結果になってしまいました。
 でも、買って正解です。大正解です。隆慶一郎は面白い。『
影武者徳川家康』『捨て童子松平忠輝』ちょっと超能力者の『花と火の帝』葉隠れの『死ぬことと見つけたり』『見知らぬ海へ』『吉原御免状』のシリーズ等など、どれも面白い。そして隆慶一郎の優しさが溢れている。弱い者へのいじめの嫌悪や、下積みの人達への暖かい眼差しがうれしい。半村良などの伝奇物とは違うが、多分本物であろう文献の多用による独自の世界観が、SFにも似た、大好きな冒険小説の様で、わくわくしてしまう。隆慶一郎は10年ほど前に他界してしまったので、残念ながら、これ以上彼の作品を読むことはできないが、まだ読んだことがない、あなたは幸せかも知れない。これからどっぷりと、彼の作品を鑑賞できるんですからね。もっとも読む本がない時には、彼の作品を読み返したりしていますがね。こんなことは他の作家では、あまりありません。もっとも、何度も同じ本を買った作家もいますけど(その話は又別の機会にでも)

05/24(水) 私の好きな作家(探偵物作家)
 はっきりいって、日本の推理小説ってあんまり読んでいないんですが、
江戸川乱歩には凝りました。ちょっとエッチで、耽美な世界は中々真似が出来ません。彼の作品に登場する探偵といえば、明智小五郎が有名ですが、明智さんも、たしかルパンと対決する『黄金仮面とかがありましたが、でも明智探偵の印象はあまり深くは残っていません。テレビでやっている明智さんの方がキャラクターとしては、俺が主人公だ。っていう自負があるせいか、印象に残ってしまいます。そういえば昔NHKでやっていた黒トカゲ役の吉行和子さんは、忘れられませんし、東京12チャンネルでやっていた乱歩シリーズの女性のハダカが満載の番組も、若かった私には忘れられません。
 金田一耕助で有名な、亡くなってしまった
横溝正史さんの作品は、テレビどころか随分映画化もされました。特にあの、頭をボリボリ掻いて、フケが沢山落ちてくる石坂浩二さんや、逆立ちの古谷一行さんのキャラクター作りが影響しているんでしょう。推理小説を読まなくても、金田一という辞書の編纂者を知らなくても探偵だというのは、知られていると思います。『八つ墓村』なんかは読んだ時は、確か埋蔵金を探す話だった様に記憶していますし、金田一探偵だってちょい役だったように思っていたんですが、おどろおどろしい復讐劇の方が主役になってしまっていて、あれぇ。なんて思ったものです。あの雰囲気を残しているというか、引き継いだなぁと思ったのが、島田荘司の御手洗潔シリーズだと思います。ただ彼の作品は回を追う毎に、段々ページ数が多くなっているんで、文庫本としては、分冊にして欲しいなどと思ってしまいます。それから現代的な若者が主人公で作家と同じ名前の栗本薫のぼくらシリーズや、伊集院大介シリーズの栗本薫でしょうか。あの頃は結構パチンコ屋で、単行本が出ると直ぐ購入していた?んで読んでいました。御手洗さんと同じ様に、伊集院さんも外国へいってしまいました(最近戻ってきて、薫くんを助けたりしてましたねぇ)
 なんか今考えると、探偵の印象が深いのは最近の作品の様な気がします。昔の作品には探偵は出てきても、謎の部分というか、推理の部分に重点が置かれていて、誰が探偵役をしてもいいんだけど、ついでだから特定の人を設定しておこう。ってな感じにさえ思えるほど、探偵役のキャラクターのインパクトは強く感じません。
 きっと、謎やストーリーに重点をあまり置かなくなった。というか人間を描くようになった?からでしょうか。そういえば以前に紹介した宮部みゆきさんの『
蒲生亭事件』は日本SF大賞を取っていました。まだ読んでませんけど。やっぱり彼女もSF作家でしたねぇ。

05/18(木) 私の好きな作家(ほんとーに推理作家)
 SFばかりだと、毛嫌いする人もいると思いますので本当に推理小説の話にしましょうかね。この間、推理SFなんて勝手に云ってしまいましたけど、最近の推理小説とかミステリーとか言われている物の中には、確かにSFじゃないの?っていう作品が多いです。もともとジャンル分けなんかする必要がないと思っていますから、どうでもいいんですけど、どっちにしろ大衆小説と昔いわれていた作品ですよね。今じゃエンターティナーなんて格好のいい言葉を使ってますけど、私は同じだと考えています。私は推理小説というと、やっぱり謎を解いていくというのが好きですから、ラストに探偵(誰でもいいんです)が、関係者を集めて、これこれこういう事だから、犯人は誰それです。というノーマルなものが好きです。推理小説も、もう新しいトリックは無いんじゃないかといわれる程、色んなトリックが考え出されましたから、今の作家達はどちらかというと、トリックよりも人間関係とか、ストーリーの面白さとかを追求している様です。
赤川次郎なんかはその部類でしょうか。彼もデビューしたての頃は良く読みましたけど、多作ですよねぇ。今の日本じゃ、オスの三毛猫は殆どいないそうですが(ちゃんと三色ある三毛は遺伝子の関係でメスが殆どらしい)あれに対抗してルパンなんていう犬の探偵?も出ましたねぇ。楽しかったのは、『名探偵が多過ぎる』などの、名探偵シリーズというか、十津川警部シリーズ、列車シリーズの西村京太郎ですね。メグレ、クイーン、ポワロ、明智の4人の探偵達を登場させて、結構マジな本格推理だったと思いました。列車シリーズはよくテレビでやっているから、殆ど本は読んでませんけど…。テレビといえば、内田康夫の浅見光彦シリーズの水谷豊バージョンが好きでした。あのシリーズも人気がありますよねぇ。なんといってもお母さんと光彦のやり取りが面白かった。
 それから、推理小説で好きなのは、結構いろんな事を知ることが出来るという事でしょうか。落語の好きな
都築道夫なんかの小説を読んでいると、雑学の勉強になったりします。彼のキリオンスレイシリーズもお薦めですねぇ。『猫の舌に釘を打て』だったかは、確かはじめに、犯人=探偵=被害者なんて書いてあったんですよね。これは完璧に読者に対する挑戦ですからねぇ。燃えてしまいます。
 そして、やっぱりSF好きな私ですから、どうしても
山田正紀は外せません。デビューはもちろんSFです。大好きなSF作家です。『神狩り』『弥勒戦争』『火神を盗め』等々デビュー当時の名作を挙げたらきりがありませんし、日本SF大賞だって取りました(ちょっと古い)が、最近は推理小説に凝り出していて、『妖鳥ハルピュイア』や風水火那子のシリーズの『仮面ペルソナ』など、今までの推理小説しか知らない人には、ハマルかも知れません。でもやっぱり山田正紀にはずーっとSFを続けて欲しいなぁ。
 推理小説もSF同様に好きですから、ちょっと長くなりそうです。今日はさわりという事で、この辺で終わりにしましょう。だって未だQ書房の1000字考えて無いんだもん。

05/17(水) 私の好きな作家(ハードSF作家)
 やっぱりSFになってしまいますが、SFといえばハードSFですかね。科学(自然科学等も含めた全般)の粋を集めて、もしもの世界を構成していく小説ですね。やっぱりこれが王道でしょう。
小松左京日本沈没』が出た時は、日本中大騒ぎでしたけど、あれも本当にあり得るからこその騒ぎでした。しかし先端科学を行っているのは、やはり日本じゃありませんから、どうしても海外物の方が面白いのは仕方がないと思います。最近日本で不動の人気を保っているのは、やはりジェイムズ・P・ホーガンでしょう。私も大好きです。最初に日本で紹介された、巨人たちの星シリーズ『星を継ぐもの』は感動的でした。ラストも洒落ていて、確か遺跡からデジタル時計が出てきて、誰かのいたずらだと思って捨ててしまうんですよね。ちゃんと検査をすれば遺跡のひとつだと解るのになんて、読者にストーリーの中に入り込ませるのが得意な人です。やっぱり売れるだけあって上手いんですよね。ただ最近の本というか途中の本で、彼の宗教感みたいなのが出ている作品があって、それは好きになれませんでした。(なんだったか忘れてしまった)そういえば、星雲賞受賞作でしたね。(星雲賞とは、日本SF大会において、参加者が一般投票で選ぶ、読者の好きな話だったと思いました…)ちなみに、ヒューゴー賞やネビュラ賞等のプロが選ぶ物とアマチュアが選ぶダブルクラウンなんていう本もありますねぇ。そういう本は確かに買いです。だけど結構こういうのって多いんですよね。
 しかしSFって話に付いて行けないことがあります。それは説明が下手どころか無いものさえあります。SFの読者の中では常識で、多分私の勉強不足なんでしょうが、まったく違う人の本を読んで、その時の意味がわかったりすることもあります。なんかそういうのって、読んでいて楽しい。まぁ、そういうのはハードSFにはあまりないですけどね。ただハードSFでも理論だけじゃ面白くないんですよね。ホーガンの最近読んだ『ミクロ・パーク』なんかも好きな作家だけあって、ロボットに小さなロボットを作らせ、どんどん小さくしていくという話なんですが、小さくなる事で普通の世界の常識が通用しなくなって、重さとかの概念まで違ってくる。などという小さくなる事で、どんなことが起こるのかが結構詳しく説明されていたりします。なんだそれだけなのって云ってしまえばそうなんですが、その開発に加わっている子供達だけで独自に研究をし、大人では想像出来ないような使い方を考えるなんていう、何回も何回もひねってあるストーリーの運びも、また魅力でしょう。

05/16(火) 私の好きな作家(推理SF作家)
 SFを2回連続でやってしまったので、今日は推理作家にしましょう。といってもSFが大好きな私は、推理小説というのは、SFの一ジャンルではないか、などと不遜にも思っておりますので、推理SFとしましょう。日本ではミステリーなんていわれていますが、探偵小説や犯罪小説またはスパイ小説など、いろいろな呼び方や種類があります。最近の推理小説界では、SFかと思える分野があります。例えば
宮部みゆき。当初の作品はすごい作家が出てきたぞと思い(でも、刑事コロンボに同じ様なトリックがあったなぁなんて思った作品もありましたけど)、一時期は傾倒していたんですが、文庫本が暫く出なくなった期間があって、随分長い間待ってから、以前から評判だった『火車』が文庫化されて読んでみますと、今までの作風からテンションが落ちたなと感じ、あまり読まなくなってしまいました。惰性では読んでいますがね。彼女の作品はどちらかというと、超能力者が出て来たり、時間を超えたりと完璧にSFの世界です。でも『火車』を読んでから、ちょっと覚めてしまいました。別の小説ですが、彼女の作品は映画化もされるようですがね。テレビ化は随分されていましてけど…。
 その点昔から読みつづけている
岡嶋 二人(おかじまふたり)というか、井上夢人さんは好きです。確かQ書房にも好きな方がいらっしゃってペンネームにも使用していましたねぇ。コンビを解消してからも井上さんの作品は、全然テンションが下がっていません。コンピュータに詳しい様で、インターネットでも小説をお書きになっていますが、やっぱり本で読んだ方が面白いでしょう。『クラインの壷』はNHKでもやりましたから、覚えている方もいると思いますが、あれは随分原作を変えて子供向けにしていましたから、原作の雰囲気が壊れていて残念な思いをしました。
 映像でしか出来ないこともありますが、小説だからこそ出来ること。また小説でなければ出来ない事(トリックや面白さ)が充分考えられているのが推理小説だと思います。推理小説がSF小説の一部だなどといってしまいましたが、きっと推理小説ファンには怒られてしまいそうです。しかしSFとはサイエンスフィクションだなどという事を誰がいったんでしょうか。Sはスーパーでもありますし、Fはファンタジーでもあります。昔言われていた空想科学小説の方が日本のSF界にはピッタリします。エログロ・伝奇・ハチャハチャ・勿論ハードと何でもありですからねぇ。第一日本SF大賞の受賞作には、井上ひさしの『キリキリ人』でさえ、入っていますから、日本SF界の懐の広さを感じます。
 日本SF界の話はこれくらいにして、『
ダレカガソコニイル…パワーオフ』などSFとも呼べる推理小説を世に出している井上氏(ひさしじゃないよ)は大好きですし、やっぱり彼もSF作家です。

05/14(日) 私の好きな作家(伝奇SF作家)
 昨日は何をトチ狂ったか、エログロなんかを書いてしまったんで、今日は正統派でいきましょうか。といっても伝奇SFなんてジャンルは日本だけです。そしてその創設者といったら
半村 良(はんむらりょう)ですねぇ。勿論みんな知ってるでしょうけど、私は大好きです。
 確か記憶によると、『収穫』という話(目が覚めると、人間がいなくなっていて、探し回ると宇宙人が食料として連れていってしまうという様な記憶が !?)がデビュー作だったと記憶しています。
 途中で投げ出したムーの歴史の話はまぁ置いておいて、彼の書くものには、吃驚させられます。『
妖星伝』なんか文庫本になる前に手にいれましたが、あれは読みにくかった。なんといっても、文字の色も紙の色も普通じゃなかったですからね。勿論金がそんなになかったですから、パチンコ屋の景品で取った奴ですけど(笑)。つい最近も再版されていた産霊山秘録』を出張ついでに読んでしまいました。随分前に読んだので、月へいったのは猿飛佐助だったと思い込んでいましたが、違ってましたねぇ。これは、ハヤカワ書房・角川文庫・ハルキ文庫と出版社が変わった記憶があります。始めのは1冊物で買いましたが、角川からは2冊組になって出て、それから又今回の出版で1冊物で出た経緯があります。考えて見ると文庫本も高くなったなぁ。昔は岩波文庫に☆のマークが付いてて、1個50円の意味でしたからねぇ。(何十年前じゃ!)
 で、半村良の好きなところは、虚実取り混ぜて、本当らしく書くという所ですね。歴史の影の部分で脈々と流れる血筋が、どう係わってきたのか…。実際に昔からその時代を生きてきて、当時の状況を話せる人なんかいないんだから、歴史なんて本当に学者達がいう通りとは限りませんからねぇ。徳川家康だって、影武者だったんだから…。(影武者徳川家康』隆慶一郎作)
 それと、時代を先取りしているという感覚があります。『…伝説』なんていうシリーズは、現代の風刺をしながら権力へ反発し、非現実的な事柄が少し現実味を覚えさせるという所でしょう。そんな事は無いよとは誰も否定しきれないところが怖い作家でもあります。

05/13(土) 私の好きな作家(エロ・グロSF作家)
 私が本屋で本を物色するときに、どうやって買う本を探すかというと。まずは、作家別に新刊は出ていないかをチェックします。というのも、私は気にいった本に出会うと、その作家のものを全て読んでみたいという傾向に駆られるからです。
 その作家の物が無くなるまで、読み続けしまいます。しかし最近は途中で気にいらないと思うと、その作家には見向きもしなくなるという、残酷なことをしてしまいます。ただ、これは日本の作家にのみ云えることで、外国の作家については、全作品が日本で出版されることが中々ないので、もっと読みたいなぁと思っても、読めない状況ではあります。
 以前引越しをした時に、持っていた書籍は殆どがゴミとして泣く泣く出されました。中には創刊号から全て揃っていた月刊誌(SFアドベンチャー:これはかのSFマガジンが休刊していた時期があったんですが、その頃に唯一出版されていたSF雑誌でした)も含まれていました。気に入った文庫本は義理の弟に預かってもらうという事で、初期の頃の外国のSFが100冊ほど女房の実家においてあります。勿論今では絶版になっていますから、手に入らない本も多いです。SFも勿論そうですが、私が好きな作家というのは、荒唐無稽な話を書く作家が多いようです。
 何故か家に残っている本の中に、
式 貴士(しきたかし)の本がありました。20年以上も前に出版された文庫本ですので、この作家を知っている方は少ないと思います。かの筒井康隆氏の『宇宙衛生博覧会』に出てくる有名な、カレーの話(植物を元に進化した宇宙人の所に、地球人が大使として派遣され、人間の排泄物を大変なご馳走だといって、みんなで取り合いながら食べるという話)に負けてない『カンタン刑』というのがありました。あれは傑作でした。近未来に、死刑執行をするのに、脳に刺激を与え夢を見させるという話なんですが、受刑者がどんな夢を見るかを描いています。体を床にあお向けに縛り付けられている中に、色々な種類のゴキブリが放たれ、体の穴という穴から色んな種類のゴキブリが入り込んでくる。なんていう場面は圧巻でした。そういう人間の意識下にある恐怖を、実際は短い時間ですが、受刑者には長い時間その刑に処せられているという体験をさせる刑罰でした。受刑者を外からみている人達は、見る見る受刑者の髪の毛が落ち、目は窪みといった風になっていきます。「肝胆を寒からしめる」から来たというのですが、「簡単」だからという理由もあって、カンタン刑という事でした。
 そういったグロの部分やちょっとエッチな気分にさせる話ばかりが文庫本には掲載されています。私は勿論エッチな方が好きですが、この作家は記憶によると4冊(文庫本)本を出しただけで、消えていってしまいました。(今も活躍されていたら申し訳ありません)
 好きな作家を書いていこうという第1回目から、エログロとは随分だなぁと思ってしまいましたが、気にしないでいきましょう。


05/09(火) 感想について
 今日はなんと、アイスクリームの日です。今日は暑かったですから、食べた人はさぞ美味しく感じたでしょう。感想もやっと15作品が終わって(一日5作品ならいいペースかもしれない)これをHPにアップするというのも、やってみると結構大変なんですねぇ。みんなの今までの苦労がわかります。
 さてメモとはいいながら、普段日記なんか三日坊主どころか、二日も持たない私ですから、何を書いていけばいいのか悩んでしまいます。このホームページも小説のHPですから、小説についての話をメインに書いていくべきなんでしょうねぇ。
 で、今日は、今やっている感想について述べてみたいと思います。感想を始めたきっかけは、Q書房の前身である、「勝ち抜き…」なんですが、そこで全感想や、特定の自分の好みの作品について感想をする人がいました。感想を始めて貰えた時は、嬉しくって何度もアクセスして見てしまいました。内容が変わるわけじゃないんですけどね。それがどんなにけなされていても、自分の書いた文章を読んで他の人が意見を言ってくれるというのが、今までにない経験だったからでしょう。嬉しかったです。けなされれば悔しいし、俺の言いたい事が、こいつは理解出来ていないんだと思いもしました。よくよく読み返してみると、判らないのも判る気がするという、情けない結論を出してしまうこともあります。逆に、意図した事によって、感想を書く人(読者)に不快感を与えることもありました。作品としては成功ですよね。そんな感想人達から、お褒めの言葉を早く貰える様になりたいという意識もあってか、それがいい事か悪い事かは別にして、話の書き方に慣れてきた様に感じたこともありました。多作だった私の作品を全部読んで、作家評を書いて下さった方もおりましたが、彼女(なんと女性でした)は「千枚の日記」というタイトルで、子供に語り掛ける心優しきパパの様である。毒の無い話を書いているが、毒のある作品も後半には出てきており、これからがどうなるか見ていきたいなどという、まだまだヒヨッコですなぁと取れるけれども暖かい批評を書いてくださいました。
 私は、小説家でも批評家でもありませんから、人の話を読んで感想を書いて、作家から恨まれるというふうにはなりたくはありませんが、感想を書くという作業事態が、自分の作品を見つめなおすいいチャンスだと考えています。自分の作品にどうやって、この作品の良いところを取り込めるのか、こういう失敗をしない為にはどうしたら良いのか。いいお手本があるんですからね。厳しい評価をする人もいますが、私くらいの年になると、かわいい子供がじゃれてるようで、どれもこれも可愛い作品だと思えてしまいます。(って、そんな年じゃないだろう)
 女性と同じで、さらっと見ると可愛いけど、よく見るとそうでもない、でももっと良くみると味わいが出てくる。感想だって同じだと思います。よーく見ればその作品の良いところも悪いところも見えてきて、総体的にみて自分の好みの作品なのかどうか、もちろん自分好みの作品が世間一般に受け入れられるのかといったら、そんなことはありませんし、自分の好みで書いた自身作も世の中に受け入れられるかどうかなんて判りません。
 まだまだ私の話は作品と呼べない様な物が多いですし、テーマがはっきりしていないで、惰性で書いているなんて事もあります。今回の3000字なんてその最たるものでしょう。読む方には失礼ですよね。申し訳ないです。
 という自分の作品のことは置いておいて、みんなも感想を書いて見ませんか?中学校の夏休みの宿題じゃないですけどね。そういえば、小学校や中学校の読書感想文って、あらすじを書いて終わりの人がいましたけど、なんであんなこと書くんだろうって、いつも思ってましたし、反発してあらすじは書かない感想を書いていた記憶もあります。読書感想文の評価なんて誰が出来るんだって思いました。小説を書いた本人でさえ思ってもみない様な深読みをする人だっているんだから、感想は千差万別、十人十色、どんなものだってありです。怖がる必要なんかありませんからね。


05/07(日)
やっとホームページを開きました。作るのにも時間がかかったけど、これからメンテ作業が入ってくると思うと、ちょっと気が滅入ってくる。まぁ。とりあえずは、おめでとう。という事ですかな。
コンピュータウィルスの話題がテレビや新聞で取り上げられているけど、私のところはしっかりとガードをしました。まぁ初日という事で、今日はこれくらいにしておきましょう。おっとその前に、リンクを張ったところには、挨拶だけはしなっくちゃいけませんね。という事で、お休みなさい。(もう夜中の2時を過ぎてしまいました)