2005年 第1回定例 一般質問
全 文 掲 載

  私し、吉村辰明は、自由民主党豊島区議団を代表いたしまして、これより一般質問をさせていただきます。

 毎年、第一回定例会でさせていただいておりまして、大変名誉なことと感じております。
 また、いつも一般質問の内容を象徴する形でタイトルをつけております。今回は「温かく家庭と地域社会を守り、それを誇りと思う教育を」と題しております。

 さて、年が明け、今年も各所で新年会が開かれ、それぞれの挨拶の中でも、戦後六〇年、人に例えれば還暦という言葉が聞かれますし、小泉首相の第百六十二通常国会での施政方針演説においても、六十年を節目として、日本の改革を更に進めていく強い決意が読み取れます。今年は、日本という国にとっても大きな節目と感じております。

 さて、豊島区政に目を転じますと、スマトラ沖大地震のような大激震に見舞われているといっても過言でありません。区政は常に社会状況の変化を読み、それに応じて区政を運営するものでありますが、特に今年は、豊島区の将来を考えますと重要であり、あらゆる意味において国以上の大転換期であると考えております。

 こうしたことを基本として、ご質問を致します。

 まず、最初に平成十七年度予算と「行財政改革プラン二〇〇四」についてであります。
 先ほども触れました新年会や春の集いに、私も含めた議員、そして区長さんも出席されておりますが、改めて私が申し上げるまでもなく、区政に対して厳しいお声がそれぞれの場面で伝えられております。「何故、豊島区はこんなにお金がないのか。」、「こんなになるまで議会は何をしていた。」等、時には本当にしんらつ辛辣な言葉を掛けられる時もあります。区民の方々から見ると、私は素直な受け止めであり、実感であると感じています。私自身も、今日の状況を招いたことに対し、その一人として強く反省の念に立っております。

 そこで、先日の予算内示会で説明されました「行財政改革プラン二〇〇四」、と昨年九月に示された素案との、違いについてでございます。

 最初に、区民生活に直接係わります、第五章「施策の再構築」ですが、今般の行革では、各事業の廃止、休止を含めた見直しがされ、特に福祉について大幅な見直しが行われております。素案から最終プランに至る過程で、部分的に修正がなされたものの、全体としてはほとんど修正がなく、事業の見直し等が行われたことについてどのように受け止めておりますか。見ようによれば、それだけできる状況であった。また、心を鬼にした強い意志の表れなのかであります。

 福祉を例にしますと、これまで豊島区は「福祉の豊島」を強く打ち出しておりましたが、この度の行革について区長の言う「身の丈を超えたサービス」を行ってきたところは、普通のサービス水準に戻したとのことで、大幅な縮減・削減となっています。私も普通のサービス水準については現在の状況を考えますとその通りとは思いますが、しかし、街の方々からは、福祉水準も含め何がそんなに他の自治体よりサービスが多かったのか、今ひとつ理解できないとの声が聞かれます。それこそ、素直な声であると思います。

 後ほど、具体的にご質問しますが、今後、更に行政全体をスリム化しなければ、十八年度は約四十八億、十九年度は約五十一億、二十年度は約四十七億という膨大な財源不足を見込んでおり、特別な財源手当等がなければ,更なる事業規模の縮減等を図る必要があると思われます。

 このことは区民から見ると、年々サービスの低下を強いられることになると受け止めることになると思います。一方、役所は金が無くなったことをサービス水準のことに置き換えて、区民の責任にしているとの声も聞かれます。私は、今後、行革プランを進める上で、現在の財政状況を踏まえると、どの程度の水準が適切なサービス事業費なのか、目標を示す必要があると思うのであります。目標が示されなければ、どこまで減らすのか、区民の不安は大きくなるばかりであります。義務的な経費や投資的経費は別として、一般の区民サービスに関する事業費の水準が他区と比べてどうなのか。例えば人口規模が同じ目黒区や、豊島区と並び財政状況が厳しいと言われてきた中野区などと比較した上で、一定の目標を明確にする必要があると思いますが、いかがでしょうか。

 そして、行革プランの進め方であります。昨年の決算特別委員会で私は、全ての部長さんに、枠配のご苦労について感想を求めました。各部長さんそれぞれの立場でご答弁をいただきましたが、行政マンであり、決算委員会という場では、なかなか本音を聞くことが出来ませんでした。しかし、相当荒っぽい枠配のやり方だという声も聞こえております。

 勿論、改革を進める上では、血を流す思い切ったことも必要であり、全てに納得等を求めたら何も出来ませんので、仕方がないことも理解しておりますが、同様な手法が区民に対しても見られることを危惧しております。

 私は豊島区の財政危機を乗り越えていく上では、行革を推進しなければならないし、これまでのうみ膿を出していくことも必要だと思います。しかし、これ程の財政難や区民ひろばを含めた事務事業の休止・廃止等について、突然方針が出て、あれよという間に区民に降り、いつの間にか実施されている。状況を知らない区民から見ると、これまで事前に行ってきた会話等がなく、じょういかたつ上意下達のような受け止めもされてしまいます。また、素直に申し上げますと論理構成や政策・方針について、必ずしも十分に議論、施策としてこなれていない状況や、思いついたら即ということも、各説明会等で時々見受けられます。そのため、行政に対し、街が一層、不安感や不信感を抱く要因になっていると思っております。

 今回の所信表明の中で、区長は「街全体をキャンバスに」とした将来図を描き、地域の力との協働を基本とした区政の展開について、改めて強調なさいました。将来展望を区民と共有し、地域の力との協働を進めることで初めて、豊島区の未来を切り開くことが出来るとのお考えであり、私も深く共感を覚えるところであります。

 しかし、そうであればこそ、区民の意見や声を積極的に汲み上げる取り組みが、より一層重要となってくるのではないでしょうか。区が方針を決めてから意見を聞くのではなく、区民の意向を踏まえて検討を進める必要があります。

 生活環境の中で、区民が今、なにを課題と感じているのかを捉え、それを具体的な行政施策に連動させていく、民間企業で言うところのマーケティングに相当するような、仕組みづくりが必要であると考えます。世論調査等をもとに、区民とのコミュニケーションを重ねながら、施策の「選択と集中」や政策形成を図る仕組みを、行財政改革に組み入れることが必要であると考えますが、区長の考え方をお聞かせ下さい。

 次に、予算についてお聞きします。

 十七年度予算は、一般会計で対前年度マイナス一.六%、五会計で対前年度比〇.三%の減となっております。私は先に申し上げました行革プランと予算について、十七年度予算は単年度での収支ではありますが、改革プランのスタートと一体となったものであると考えております。豊島区予算の概要にも同様に平成十七年度予算は、財政構造改革に向けて新たな第一歩を踏み出した予算であると記載されています。

 そこでお聞きしますが、十七日の議員協議会で説明のあった今後の財政収支見通しでは、十八年度以降行革などをしなければ、今後四年間で百六十六億円の財源不足が想定される、とありました。これは、現時点での推計ですから、この数字が固定化されるわけではなく、今後の経済状況や事業の実施状況等により変化することは理解しますが、それでも今後四年で三桁の億単位の財源不足には変わりないのではないでしょうか。

 私の予算の読み方が間違っているのかもしれませんが、歳入では、都区財政調整交付金はプラスとなっていますが、歳入の二大財源のもう一つ、特別区税は、特別区民税が一億二千万円の増となっていますが、たばこ税が一億九千万円の減となっており、今後も減少傾向が続くものと思っております。
 今定例会に提出されています補正予算では、区民税が三億四千万円、また、たばこ税が一億一千万円それぞれ減額されています。これらのことを総合的に見ますと、特別区税の延びはあまり期待できず、今後も暗い見通しにならざるを得ないのではないでしょうか。また、歳出では人件費や事業費は十七年度に大きくマイナスにとなっておりますが、行革プランの質問でも申し上げましたとおり、果たして事業はこれ以上縮減できるのか等、歳出抑制の見通しについても不安が残ります。

 一方投資的経費は、大幅な増となっており、概要の中でも施策の厳選と経費の見直し等を行う必要性が書かれています。

 こうした状況をみると、十七年度予算が十八年度以降の財源不足に対して、具体的に対処できる第一歩となっているのでしょうか。そして、十八年度以降を展望したとき、十七年度予算の位置付けをどのようにお考えなのか、お聞かせ下さい。

 更に、十七年度予算というよりも、区の財政にとって大変大きな課題となっております「都区制度改革」のその後について質問いたします。

 都区制度改革につきましては、今さらいうまでもありませんが、平成十二年度の改革時に、いわゆる「主要五課題」が積み残しとなり、平成十八年度までに都区間で協議をして、整理することになっているわけであります。いわば「未完の都区制度改革」状態なのであります。この間の都区協議の状況については、節目ごとに報告をいただいておりますが、遅々として進展していない状況であります。我が自民党も都区間のこのような協議状況を見て、このまま放置するわけにはいきませんので、都議会自民党内に「都区制度改革議員連盟」を発足させ、都区双方からヒヤリングをし、また、区長会・議長会とも率直な意見交換をするなど、鋭意調査・研究をしているところであります。戸塚議長は議長会会長として、また高野区長は、区長会副会長として、お二人とも大活躍されているとお聞きしています。本当にご苦労様です。

 さて、ここに来てようやく東京都側から、主要五課題の中で最大のポイントとなっております「大都市事務」の内容が一月十八日の都区検討会に出され、一月三十一日の検討会では早速区側が反論したと聞いております。

この内容については二月三日の「行財政改革調査特別委員会」に報告があり、私も同僚議員からその内容を聞きました。実はこの都から示された内容も、区側に示す前に都議会自民党議連で都側にヒヤリングを行い、内容について厳しく追及し、当初の案を変更させたのであります。それでも私は、区側から見れば大変不満な内容であると思っております。平成十二年度の制度改革は何だったのか、大都市東京における都の役割は何なのか、この五年間は何だったのか。これまでの東京都の姿勢を見るといきどお憤りさえ感じます。

 さて、この間の都区の協議状況や、今回都から示された内容については、私なりの意見もあり、問題点も把握していますが、区長は、これまでの都の姿勢をどのように評価しているのでしょうか。また、主要五課題については、いろいろな課題・問題点がありますが、特に今回の都の提示内容については、どのように評価しているのでしょうか。今回の問題点は何でしょうか。区長のご認識を詳しくご披露いただきたいと思います。残された時間はありません。今後どのように進めていかれますか、お聞かせ下さい。

 次に職員の給与について質問いたします。

 ありとあらゆる分野にわたり、事業を削減した中で、豊島区として職員給料の削減をしたことは、区長の苦渋の決断であるとお気持ちをお察しいたします。

 今般の給料削減の決着は、当初の「全ての職員に対して五%」を下回り、一般職員は三%、しかも一年限りということであります。

 一方、行革は今後、複数年にわたり、更に進めていくことになります。職員給料の削減が一年で終了ということについて、どのようにお考えなのかお聞かせ下さい。

 また、今回のような一律の給料のカットという形もありますが、民間企業や一部の公務員等には、能力や実績に沿った給料の支給が導入されています。職員の努力や成果を反映するような特別昇給のあり方や、現在病気休暇等の特別な事情がない場合、機械的に行われている定期昇給等のあり方についても見直しが必要な時期に来ていると思いますがいかがでしょうか。

 行政評価制度に係る外部評価についてお伺いします。

 区では、高野区政になった翌年の平成十二年度に「新生としま改革プラン」が策定されました。時を同じくして事務事業評価の試行が行われたと記憶しています。そして、翌十三年からは本格実施がなされて、今日に至っているわけであります。最近では九月の決算議会に事務事業評価表という大きなファイルをいただいております。各部署と事務局のご努力に、改めてご苦労様ですと申し上げるものでありますが、あまりにも多くの情報であるわけです。もう少し少ない分量のものにしないと、区民の皆様にはとても見えにくいものではないかと、素朴な疑問があるのも事実であります。そもそも行政評価が求められる背景と、その目的はどのようなものであったのでしょうか。高野区長は、行政運営の透明性の確保を掲げて当選されてきたわけでありますが、多くの職員を動員して、行政の内部から評価を行うことで、何を、どのように変えていかれようとしているのか。行政のあり方、そして、評価のあり方に対する区長の基本的なお考えをお聞かせ下さい。

 次に、区長が行政評価制度の充実を目指して導入を検討されている、外部評価制度についてお尋ねします。

 行政内部の評価として、事務事業評価をこれまで五年にわたり実施されているわけであります。しかし、昨年より改革プランなどで事務事業の見直し作業が、急ピッチで進められてきました。このような見直しに、行政評価の結果はどのように反映されているのでしょうか。もしされているとすれば、何故これまでにもっと早く、見直しの効果をあげることができなかったのでしょうか。他の自治体でも、外部の方々による評価を行い、基本計画をはじめ、今後実施する事業に対する見直しに、反映しようと努力しています。それにより、行政内部の改善、改革を加速させることができるとすれば、外部評価は、大変、有意義と考えますが、外部評価に係わる目的と効果など、区長のお考えをお聞かせ下さい。

 次に、外部評価の結果の取り扱いについて、お尋ねします。区の行政評価は、これまで全て事後の評価になっています。それ故、決算認定の際の参考資料となるよう作られている面もあるわけです。その間にあって、第三の評価ともいうべきこの外部評価は、どのような位置を占めるのでしょうか。
 と、申し上げるのも、この外部評価を含めた行政評価の仕組みが、環境の変化に対応して迅速に舵取りする上で不可欠なものであるとするならば、その位置付けを明確にし、条例で制度化を図った上で、実施するべきではないかとも考えられます。区長のお考えをお聞かせ下さい。

 次に区長の主要政策である文化・都市再生・健康について順次お伺いいたします。

 まず、文化政策についてであります。学生的になりますが、ご承知のとおり、江戸時代の三大改革、。即ち、享保・寛政・天保の改革は、幕府の財政危機をどう立て直すかから出たものです。また、地方の改革として有名な上杉鷹山の改革は、米沢藩の財政改革であります。

 このうち、八代将軍吉宗の行った享保の改革は、戦国時代が終わった元禄という時代の中で、ありとあらゆるものが狂乱した時代が財政危機を招いたことから、倹約令や身分相応の生活、受益者負担等の見直しを中心とした改革を行いました。バブル崩壊に対応した、現在の国の構造改革にも置き換えられると思います。また、米沢藩の改革は、各自治体の財政再建と時代こそ違いますが、同様なものと考えています。

 その中で、きょうほう享保の改革では花開いた元禄文化を閉じ、質素倹約を目指しましたが、高野区長は、文化をキーワードとして、豊島区の財政再建を図るものであります。ある意味では、歴史への挑戦であります。

 私は是非、成功させていただきたく思っております。文化について私どもは、区長の生の言葉を直接聞く機会が多々ありますので、区長の文化への思い、また、豊島区の文化発展の必要性は受け止めております。

 しかし、多くの区民は、そうした機会がなく、文化はあまりにも抽象的・概念的なもので、今日のような財政状況の中での文化推進に、懐疑的な向きもあります。文化と豊島区の将来設計を、区長自ら具体的に判り易く説明する必要があると思いますが、いかがでしょうか。

 文化政策は始まったばかりでありますが、見ていますと文化に対する区としてのコンセンサスや、区民に対する具体的な浸透度は、十分とはいえないと感じております。また、十七年度の事業を見ても、どうしても部分的なものと見られてしまいます。私なりに区長の目指す文化をかい解しますと、例えば、豊島区の伝統や地域の行事の継承、芸術や創造の発展、人材の育成等を含めたコミュニティの形成、更には、立て看板や放置自転車、そして、ゴミの不法投棄のない街づくり等も含んだ、広い意味での文化施策と理解していますが、この点を含めた区長のお考えをお聞かせ下さい。

 次に都市再生についてでございます。

 都市再生は、一般的に低迷する経済を建て直し、民間活力を活用し、都市の活性化を図るものであるといわれています。その柱は、「国際的に競争力のある都市の形成」、「安心して暮らせる都市の形成」、「自然を共有した都市の形成であり、豊島区では、「国際的」という言葉を「他の副都心」に置き換えることになります。

 都市の抱える問題、即ち、豊島区の問題として、例えば、商店街の衰退や産業振興、学校教育、ゴミや地域環境等の地域コミュニティ、防犯・災害等安全確保、行政と地域の協働、都市機能の充実等、様々な都市の課題に対応するため、区長の考える都市再生が必要であると考えております。

 一方、都市再生というと、どうしても道路の整備等の、ハードの部分が前面に出てきます。勿論、インフラという意味では重要ですが、都市の再生はもっと幅の広いものと考えていますが、区長の都市再生についてのお考えをお聞かせ下さい。

 次に、健康政策についてお伺いいたします。 世界に例を見ないほどのスピードで、進むわが国の高齢化。今でさえ、年間八十兆円を大きく上回る社会保障費用は、現行の仕組みのままでは今後さらに急増していきます。

 それを支える勤労者が減少していく中で、膨大な社会保障費用を、負担していくのは非常に難しいと言われています。

 豊島区にあっても、「行財政改革プラン二〇〇四」の第九章の「としま未来への経営戦略」として、「四、健康政策の推進」がうたわれ、とりわけ「生活習慣病の予防」と「介護予防」を上げていらっしゃいます。

 このことは、超高齢社会に向かう豊島区にあって、時宜を得た施策として大いに評価させていただきたいと思います。

 しかし、そもそも高齢者の方々に、可能な限り地域において病気にならずに、呆けずに、寝たきりにならずに、活き活きと暮らし続けていただくというこのことは、地域住民の健康や福祉の向上を使命とする自治体の基本的な責務と、私は考えております。

 そして、高齢者の健康が維持されることの副次的な効果として、医療費や介護給付費の増嵩を防止し、保険料の値上げを防ぎ、保険制度の安定的な持続に寄与し、ひいては、豊島区の財政の硬直化の防止にも寄与することになるものと考えております。

 従いまして、はじめに歳出削減ありきの健康政策ではなく、区民のQOL(クウォリティー・オブ・ライフ 生活の質)の向上を第一に考えた健康政策であって欲しいと考えておりますが、区長のお考えをお示しいただきたいと思います。

 次に、清掃事業についてお聞きいたします。 先日、新豊島清掃事務所の落成式が行われ、私も出席しました。区長の短い挨拶の中に、建設に至る経過や決断、そして、新たな清掃事務所を基盤とした、更なる区民サービスの向上等、万感の思いが込められておりました。私も名実ともに清掃事業が区の事業になったように感じました。

 さて、昨年の秋から清掃職員の人事・給与問題を巡り、ストライキも予定される等、不安定な状況が続いておりました。その間、区長会副会長という立場での、高野区長の努力も相当のものと感じており、決着は年を越すと思っておりました。昨年の暮れに決着したとのことですが、都政新報では、十八年に向けて、更に詰めていく課題が、山積していると書かれています。

 私は、人事・給与問題が決着したことで、今回の定例会に「清掃職員の人事・給与に関する条例」が提案されると思っておりましたが、今回それはありませんでした。何か理由があるのでしょうか。決着問題と合わせてお聞かせ下さい。また、十八年度問題の状況等についても、お聞かせ下さい。

 私は清掃事業移管直後、ゴミの収集時間が違うのに、一律朝八時までにゴミを出させることに対して、時間収集を提案し、合わせて、排出時間を朝八時より少し遅らせることも提案しました。現在、この提案はきちっと実現されておりますが、先日、新聞で杉並区では、カラス対策のために七時三十分からゴミの収集を始めると、掲載されておりました。

 また、先般、粗大ゴミの収集について足立区では、本区と同様に日曜日収集を開始するとの掲載がありました。足立区の手法としては、区の職員により実施するとのことであります。

 それぞれの区によって手法に違いがあっても、本区が進めてきた資源回収等のシステムは、問題もなく、隣の北区の方から羨ましがられてる、こうしたことにどのような受け止めをしておりますかお聞かせ下さい。

 また、先の新清掃事務所をゴミ、リサイクル、環境の発信基地とするとのことでしたが、是非、私もそうすることが必要であると思います。今後の具体的な取り組みをお聞かせ下さい。
 次に、先の都市再生とも結びつくものですが、活力ある商店街づくりへ向けての対応についてお伺いいたします。

 昨年は、経済面では一部の大企業などにおける景気回復傾向は見られますが、、区内中小企業においては、まだまだ厳しい経済環境が続いており、楽観視できない状況にあります。区の将来像である「未来へ ひびきあう ひと まち・としま」を実現するとともに、区長が提唱する「このまちに住みたくなる、価値あるまち」の創造を図るためには、区民の生活利便性の強化とともに、区外の人たちからも住んでみたいと思われる魅力ある街づくりの推進が求められます。

 そのような中で、区民の日常生活に最も身近な存在の一つである商店街の活力づくりは急務の課題の一つで考えます。

 平成十六年度に巣鴨・大塚地区を対象に、中心市街地活性化への取り組みを開始したことについては評価されるものと考えます。

しかし、巣鴨・大塚地区中心市街地の中でも、特に大塚北口地区においては、癌研病院の移転に伴い、商店街の歩行者通行量が片側で二千人、両方向で一日四千人の減少が予想され、既に空き店舗の発生などが顕著になっております。住宅が出来るとそれなりの人の定住は見込まれますが、自然災害による被害とは違う、癌研移転という社会環境の変化により、商店街の存続を憂いでおります。

 勿論、地元としても多大な努力が求められるますが、商店街の自助努力のみでの対応では、解決困難であります。

 また、移転後開発整備されるまでは、全くの空白時間が生じ、その間に、店を閉めることになる場合も想定されます。

 そのような、商店街を取り巻く環境変化の現状・動向についての認識と、区として、今後それらに対応するための商店街振興・支援の具体的取り組み施策について、お伺いいたします。

 次に定番の教育についてご質問をいたします。

 まず、二ノ宮教育長に替わり、日高芳一氏が教育長に就任されました。新教育長には、新たな視点で豊島区の教育行政を推進して抱けるよう、大いに期待しております。

 去る二月六日の読売新聞の朝刊の一面に独自におこな行った教育に関する全国調査の結果が掲載されていました。この調査が全てではありませんが、一定の世論の考えを捉えることができると思っています。

 私は、これまでゆとり教育による学力の低下や競争の必要性、道徳教育の重視等、一貫として問いかけをして参りました。調査結果を見ますと、「学力低下」については八十一%が感じており、学校改革で必要なものについて、「道徳教育」は「教師の質」についで二番目になっております。また、「競争」については、「競争を取り入れて、個々の才能や、学力に応じた教育を受けさせる方がよい」が六十二%となっております。

 誠に私が、これまで指摘したことと同様な結果となっております。更に「学力低下」、「道徳教育」、「競争」等は決して独立したものではなく、教育という中で全てが連動しているのではないかと思います。学力が低下すれば、物や社会に対する関心や、人としての倫理や道徳に対する感性が乏しくなる。また、必要な競争なくして、学力の向上は望めないのではないかと思います。学力の低下等とともに、子どもの多様性や柔軟性の欠如がありますし、学校経営という点では、学校選択制度、いじめ、不登校、ひきこもり、非行凶悪、家庭と学校、地域と学校のあり方があげられます。教育長はそれらの問題をどのように捉え、そして対処していこうとしているのかお聞かせ下さい。

 前二ノ宮教育長は、一貫として行政ウーマンとしての経歴を経て教育長に就任され、ある意味では行政の視点で教育を進めてきたように思います。日高教育長は、教育現場の中で多くの経験を経て、この度、就任されました。教育は、行政と互いに連携していくとともに、時には対立することもあると思います。この点について教育長のお考えをお聞かせ下さい。

 最後に、現代社会では、人は生まれ、育った土地で生涯を送ることはほとんどないと思います。小中学校は同一の場所で過ごしても、高校・大学、まして就職等にあたっては、全く違った土地、場合によっては外国というケースも増えていくことになると思います。その意味で豊島の教育、公立小中学校のあり方を従来のようなもので捉えるのは難しいと思います。社会が流動化している中、豊島区の教育も大きな視点で捉え、新たな「教育豊島」を創出することが必要であります。公立学校の使命は、日本国という広い視野で考えることと豊島区という地域の視点で捉えることも必要であると思います。「教師たちよ、燃え上がれ!」。豊島で学び育まれ、大きく成長した不死鳥は、世界へ飛び立ち、そして、次の世代人たちを連れ、故郷の地へ飛来してくる。

 日高新教育長の「教育豊島」の姿についてお聞かせ下さい。

 以上で私の一般質問を終わります。長時間でありましたが、ご静聴いただきありがとうございました。



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