よく窯伸びしたやわらかい山食パンと、しっかり型詰めされおいしさの密度が濃い角食パン。前者をイギリスパン、後者をプルマンブレッドとも称します。
 イギリスパンとは当然英国発祥の食パン、プルマンとは、客車に似たその形状から米国シカゴの鉄道車両メーカー「プルマン社」をその名の由来としています。ただし、角食パンも発祥は英国で、後に米国で普及した食パンです。
 
山食パンと角食パン
ジャムお兄さんの
徒然コラム
2004. 9. 9

 これら、英国の食パンが日本に渡ってきたのは、幕末から明治にかけて。主に英国と関係の深かった薩摩藩や長州藩に伝えられていたとのこと。かの大久保利通や西郷隆盛、さらには高杉晋作、桂小五郎といった面々も食したこともあったのでしょうか。
 
 当時、フランスやロシアなど他のヨーロッパ列強諸国からも様々なパンが紹介されたようですが、ふっくらと炊いた米食を好む日本人には、やはり白くてやわらかい英国式の食パンが最も適していたようです。
 ちなにみ、このときに嫌われてしまった堅いフランスパンが日本で歓迎されるようになるまでには、これからおよそ100年もの歳月を必要とすることになります。