ジャムお兄さんの
徒然コラム
長崎土産に舌鼓
 オランダ坂、おくんち、ビードロ、さだまさし、ちゃんぽん、皿うどん、からすみなどなど、未だ未踏の憧れの地『長崎』。今こうして何も調べずとも思いつく名物には枚挙にいとまがございません。
 しかし、何といってもカステラ一番。南蛮渡来の銘菓・長崎カステラがその頂点に君臨していると言っても過言ではないでしょう。
  
 そのカステラ。先日、友人から長崎土産として、極上の一本を頂戴しました。その名も匠寛堂・五三焼「佳好帝良」(しょうかんどう・ごさんやき・かすていら)

 なんでも、五三焼の「五」と「三」とは、卵の黄身と白身の割のことだそうで、その絶妙の配合が、その豊かな風味や食感を生み出しているのでしょう。そして、これだけ割(配合)のいい生地を、やわらかく、しっとりと、しかもしっかりと弾力をもたせて焼き上げるには、相当の技術と熟練を要すると思われます。
 ご存知のとおり、長崎にはカステラの老舗が数軒あり、文明堂や福砂屋などが有名なところでしょう。文明堂はもちろん、福砂屋の商品でさえ、我が家から徒歩15分の池袋で簡単に手に入ります。

 しかし、今回ご紹介させていただいた匠寛堂の五三焼「佳好帝良」は、長崎でしか手に入らないとのこと。本当の手作りであるために大量生産は不可能なのだそうです。わかるなぁ。

  
 こういうカステラを焼いてみたい。私の夢がまたひとつ増えました。古くからのお客様はご存知でしょうが、当店は、昭和25年にパンの製造を中心とする巨ヤ丸ベーカリーを設立する以前は、赤丸文化堂という生菓子屋でした。まだまだ未熟ものですが、私は密かに「赤丸文化堂」ブランドの新たなる創造を夢見ています。

 本当に「夢のまた夢」ですけれど。      2004.10.21