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辰野金吾のふるさと佐賀県唐津市は玄界灘に向き合う城下町。福岡から海沿いの道を行く
と市内に入る直前に幅500m、長さ4キロにわたって「虹の松原」が続き、その規模の大きさに 圧倒される。
11月2日は「くんち」の宵山。そして3日はお旅所神幸、4日は町廻りで朝から曳山が市内を回
る。くんちは「供日」、もともとは10月29日だったが、帰省や観光客の便宜を考えて11月3日に なった。江戸末期から明治にかけて作られた曳山は、赤獅子・青獅子・亀と浦島太郎・源義経 の兜・鯛・鳳凰丸・飛龍・金獅子・武田信玄の兜・上杉謙信の兜・酒呑童子と源頼光の兜・珠取 獅子・鯱・七宝丸の14基。いずれも漆の一閑張りで見事なものだ。
緩急をつけた「えんや」の掛け声が勢いよく、時に哀愁をおびて聞こえてくる。
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雨の宵山・酒呑童子と源頼光の兜 珠取獅子、山を曳く人の法被は羽二重
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急カーブを回る飛龍。尾を上下させて見得を切る 源義経の兜
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くんちには二つの顔がある。町を巡る華やかで勇壮な曳山は表の顔。もう一つの顔は、各
家々で繰り広げられるくんち料理の饗応。唐津の女性は何ヶ月も前からくんちの準備にとりか かる。大掃除、障子の張り替えもすべてくんちの前に済ます。そしてくんち料理は誰が来ても何 人来ても大丈夫なように、家によって100人分、200人分、300人分と用意する。料理は家々で 違うが、メインはアラという大きな魚を焼いてタレを絡めて食べる。今回は知り合いにつれられ て9軒のお宅にお邪魔したが、どこでもどうぞ、どうぞとお酒や料理で歓待される。どうやら家々 を回ってくんち料理をいただくのがくんちの醍醐味らしい。この醍醐味を味わうには唐津に友達 をつくること。唐津では3ヶ月分の給料をくんちの3日で使うといわれるが、なるほど納得だ。 ![]()
くんち料理の主役アラ 次から次へと人が来て酒を酌み交わす。
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