雄勝・登米の被災スレートを東京駅に

呼びかけ・・・2011年4月10日

茅葺きの熊谷産業と東京駅のスレート屋根について

谷根千工房の森まゆみです。ご縁のある、頼りにする方達にお送りしています。

きょう、石巻市(旧北上町)で多くの文化財の茅葺きをしてきた熊谷産 業社長熊谷秋雄さんが
東京へ来て立ち寄ってくださいました。私の長年 の町つくり仲間です。石巻市は死者2492
人、行方不明2770人 (4月7日付)と大変な被害です。
熊谷さんのところは従業員は北上川で茅 刈りの最中でしたが、日頃の訓練を生かしてみな無
事、家族もみな無事 でした。しかし家も会社もすべて失いました。

ちょうど、熊谷産業では赤煉瓦の東京駅の修復のため、屋根瓦をていね いに外して、北上に
運び、使えるのと使えないのを選別して、汚れを取 り、結束して東京へ持っていく直前でした。
この瓦のほとんどは戦後の 修復の際の登米産の良質なものです。それが津波に洗われ泥だ
らけにな りました。しかし調べたところ、2万枚は回収が不可能でしたが、4万 5千枚は洗って
塩気を取ればじゅうぶん使えると熊谷さんは言います。 
ところが残念なことに、JR東日本の設計部と施工会社(鹿島・清 水)は工期が遅れないよう、
スペインにスレートを発注すると言ってい るそうです。
 *その後、東京駅の屋根全体を国内産のスレートで葺くには絶対量が不足しているとのことで、目立つ部分は国 
   内産、目だたない部分は、スペイン産を使わざるを得ない状況であることが分かりました。

そもそも東京駅は建築学会、建築家協会、「赤レンガの東京駅を愛する市民の会」 を始め、
大正三年に竣工した辰野金吾設計の建物を愛する人々によって、 ひろく結集した力で保存が
決まり、重要文化財にも指定されたものです。その運動に際しては登米や雄勝からも多くの署
名や協力をいただき ました。自分のところのスレートが東京駅に使われているというのが土 
地の誇りだったからです。今回,打撃を受けた当地の人たちはスペイン 産のスレートに変わっ
たとしたらどんなにがっかりなさるでしょう。反 対にJRがそれでも泥のなかからよみがえった登
米さんの瓦を洗っ て使ったらどんなに元気が出るでしょう。

熊谷さんは「スレート瓦を一枚に付き2000円とか、3000円とか 寄付をいただき、一枚一枚
に東北へのメッセージと名前を書いてもら う、それを東京駅の屋根に乗せ、集まったお金でぜ
ひ、全壊した木村満 さんの「雄勝天然スレート」の工場を再建することはできないだろう か」と
相談に見えました。いまあるスレートで使えるものはとにかく使 い、足りなければ雄勝のスレー
トを使うなり、スペインに発注するなり すればいいと思います。登米のスレートを載せた東京駅
が東北復興のシ ンボルになる、大変素晴らしいプランだと思います。

なぜ心配かというと「雄勝天然スレート」が復興できないと、これから 日本の文化財洋館は国
産のスレートで葺けなくなります。登米の方は掘 り尽くして、天然スレートの岩盤が露出して取
れるのは木村さんのところ だけです。私も前にお訪ねし、戦争直後、東京駅の応急処置をし
た職人さんのはなしも聞きました。
熊谷さんの方はどうするの?と聞いたら、僕の方は自分でどうにかしま すよ、と意気軒昂でし
た。でも熊谷産業も会社の形で文化財の茅葺きを している日本で唯一の会社です。
応援したいです。

今日聞いた話で情報に多少まちがいなどもあるかもしれません。でも保 存に関わったものとし
て、自分を度外視した熊谷さんの義侠心にお味方 申さないわけには参りません。JRにパイプ
のある方、メディアに いる方、アイディアのある方、お金のある方、どのようにでも御協力く 
ださい。何ができるかなど具体的にメールをくだされば嬉しいです。
さっき、千駄木安田邸へいって『赤レンガの東京駅を愛する市民の会」の中心メ ンバーである
多児貞子さんとも相談しました。そこにあつまった女性ボ ランティアたちはみんなでスレートを
洗おう、スレート洗い弁天を作ったら、と盛り上がりました。みなさま、いろいろの形で被災地支
援され ていると思います。お騒がせして申しわけありません。でもこれもはっ 
きり顔の見える支援先であることは間違いありません。
http://www.kayabukiyane.com
http://blogs.yahoo.co.jp/akanef0118




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