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作品紹介

銅版画をはじめて習った。 と、云っても、ほんのさわりだけだ。以下に3点の愚作を紹介する。 
これで全作品だ。  ヘタはヘタなりに、いつに無く真剣に取り組んだ。

その様子や銅版画作成のあらましなどは
「お絵かきえぴそーど」として別項にまとめてある。
 
◆最終作品

Nicolai temple of the winter   SASHIKATA
計7回の講座で都合4点の作品を仕上げた。
上の版画は最終作なので、これが私の現在の実力ということが出来る。
もともと版画を作ってみようと思い立ったのは、いろいろ経験したいということと共に、年賀状くらいは味も素っ気も無いパソコン賀状ではなく、何とか手作りしてみたいと思ったからだ。
その意味で下の縦長の2枚はクリスマスカードと年賀状を意識して作り上げた。 「ふくろう」の方は来年の賀状に使うつもりだ。

以下最終作を例にとり作成までのおおよその工程を実物で時系列で示しておいた。

先生が版画の構図の、四大要素を次のように説明した。
@対象物の大きさとその位置 A明暗の対比 B自然な奥行き C視線の流れ   ウーン!残念だが全部ダメ!!不合格だ。

制作工程の概略

@画材を選ぶ(自分で撮った写真)

A写真をスケッチする


B左のスケッチをトレースし裏返し
カーボン紙で銅板にアウトラインを描く


グランド塗布した銅版
C銅版に原画をニードルで彫りこむように描く
Dこれを酸化液に浸け描いたところを腐食させる。

その後一度試し刷りして全体の調子をつかみ、更に空などのバックをアクアチントにより、加工した後最終印刷して作品に仕上げる。


◆作品の製作者サインについて
銅版画の場合ルールがあることがわかった。一枚の銅板から何枚でも同じ作品が刷り上るからだ。

刷り上がった版画には、一枚一枚作家が直接サインを入れる。これは作家が、その作品を承認した証拠になるのだ。作品の下部に鉛筆で書き入れるとのことで一般的には英語を使うらしい。




◆その他の作品

The flower of the cage  esashi


A bird of the happiness
esashi


Y・I 先生の銅版画展を観る


6月中旬に銀座の養清堂画廊で、この教室の先生の個展が開かれ案内状を頂戴した。まだ若手の版画家であり有名美大の講師でもある。

梅雨の晴れ間に観にいった。
40点ほどの作品が出品され、かなりの人々が来場していた。女性が多かったが、美術学生らしい若者も見受けられ、同席していた先生といろいろ話をしていた。
作品のサイズはさまざまで大きいものは60×40cm程度の版画も見られた。教室で習っているような、はがきサイズとは異なり、大きい版画制作はかなり大変な作業だと話しておられた。

右の画は案内状の銅版画だが40×20cmでテーマは「盗電」となっていた。
不思議な印象を与える銅版画だった。正にプロの作品だ。

私は記念に小品だが一点購入した。一匹の魚(ごんずい)が籠に入っている作品である。シートだけではなく額に装填されているものにした。

自室で毎日のように眺めているが、絵の描き方は精緻そのもので見飽きる事は無い。用紙も褐色を帯びた特殊なものである。

◆エッチングインクと版画紙について
版画制作に当ってこれはきわめて大切な要素である。
今回のインクはブラックのみ使用した。ブラックはトラディショナルかつ最も使用される重要な色だ。黒にもさまざまな黒があるらしい。今回は対応できる幅が大きい、フランス シャルボネール社のF66を使用し、版画紙は万能なドイツ、ハーネミューレ5761を使用した。

印刷機は鉄製の手動式のもので、各人がそれぞれ自作の銅板と紙をセットし、ハンドルを廻してプレス印刷したが、インクを銅板にへらを使って詰め込み、更に余分なインクをふき取る等の作業が必要で、手が油性インクで真っ黒に染まる。これは灯油で洗わないと落ちなかった。何から何まで全く始めての体験であった。
★製作工程についてのリンク⇒http://www.d5.dion.ne.jp/~naosuke-/guidebook.html